マンガ「スティーブズ」
J-PLUS登場 - Appleの日本展開
を書いた時にJ-PLUSが東レで扱うことになったくだりが書いてあるものが見つからないと書いたのですが、コメントでテリヤキ太郎さんからマンガ「スティーブズ」に書いてあるよと教えていただき、さっそくアマゾンでポチってみました。
これは1巻目、全6巻です。
ビックコミックスペリオールで連載されていたんですね。マンガ雑誌はほぼ読まないので、このマンガは知りませんでした。
アメリカで起こっていたことまではわかりませんが、当時という時代を知っている私としては、ある意味、面白おかしく懐かしく読みました。ただの伝記というよりは、事実を元にした物語なので、多少の脚色やストーリーにするために取捨選択が行われているので、思ってもみない話を知ることができるものの、どうしてこれは取り上げられていないのだろうという部分もたくさんあります。そういう意味で素直には読めなかったので、物語として面白いかどうかは触れません。
簡単に各巻の内容をコメントしながら紹介しておきますね。マンガの章毎に当時の状況を説明するコラムが挟まって進んでいきます。必ずしも時系列ではなく、ちょっと時代が前後しながら描かれています。
第1巻 - 1975年から、Apple1 を出すまで。まず二人のスティーブの出会いが中心です。
第2巻 - Apple][を発売するあたり。1977年になるのかな? WozがHPで電卓を作っていた話。BASICこそ命でMicrosoftBASICを採用するに至る話し(MicrosoftのBASICがどう優れていたかは触れられていない)。ESDラボラトリの水島さんが東レ出身というのは書かれていたけど、J-PLUSの時にどうして東レに頭を下げたのか、またその後にどうして東レが手を引いたのかまでは書かれていなかった。
第3巻 - 1978年春から始まる。電話でハックした話。どうもデキル奴は必ず警察のお世話になっていたらしいというのが当時のアメリカ。本書の話ではないけど、アポロ宇宙飛行士のジム・ラベルも若い時にやらかした話が知られていますね。「会社」というものがテーマになっている。日本でもその後に乱立したソフトハウスでも繰り返された話で、仲良しクラブな会社が結構ありました。どういう訳かパソコンの世界はおじさんたちには踏み入れることが出来なかった世界で、世界中で当時の若者が作り上げていたのは実は不思議。このあたりが一番ゾクゾク来ました。
第4巻 - まだ1978年。再び電話をハックするブルーボックスの話など。DISK][も発売され、APPLEIIIのプロジェクトが始まる。この頃にパロアルト研究所で始まったGUIの話が続く。
第5巻 - そろそろ1980年に入った。いよいよ巨人IBMが動き出し、マイクロソフトはそちらに行ってしまう。アップルは大人の会社になっていくのだが、ジョブスはそれを良しとしないし、そんな事はできない。そんなことをすれば会社が潰れてしまうのは、彼が一番理解していた。IPOを決断し、そしてAPPLEIIIに変わってLISAを開発する。
第6巻 - ウォズの飛行機事故の話から始まるので1981年。LISAはGUIをメインに据えることになるのだが、その裏ではMacの開発が始まっている。巨人に対抗するにはこれしかないということで、最終的にMacが出てジョブスがアップルを追い出されたところで物語は終わる。
参考までに、最後のほうが駆け足になっているので関係するイベントを書いておきます。
そして例のコマーシャル。
まあ、ここでジョブスはアップル社を追い出されたので、ここで終わってしまうのも仕方が無いのですが、その後のアップルがどうなったのか、そしてジョブスは別の会社を作り、そしてまたアップルに戻ってきて、アップルはどうなったのかというのもあり、なかなか興味深い人生なので、できれば最後まで物語にしてほしかったなぁとは思います。もっとも彼に関する物語は映画にもなりましたし、たくさんあるのですけどね。
そうそう、このマンガが以下のページで参照されていました。
「アップル」はいかにして日本に上陸したのか
読んでみて思い出したこと、思ったことに関しては、あらためて書いてみることにします。
2022-12-3 追記 思い出したこと、書きました。
スティーブ・ジョブズという人
ヘッダ画像は、以下のものを元に作りました。