YAMAHAの初代MSX機たち - YIS-303/503 と CX-5/5F
懐かしいMSX機をいくつか紹介してきましたが、元祖MSXの時代はあまり興味を持てる機種が無くてスルーしていたので、思いつく(思入れのある)ものがないんです。とはいえ、先日書いた元祖YISもありますし、MSX2になって買ってしまったCX-7Mもあるので、その間を埋めるためにもヤマハのMSX機を取り上げましょう。
YIS PU-1 : YAMAHAが目指したものは何だったのか
FM音源を楽しんだ YAMAHA CX7M/128 - MSX
ヤマハは既にYISという名前でパソコンをリリースしていましたが、やりたいことは楽器をパソコンと繋ぐことですし、パソコンで使えるようなチップを開発していたので、自社のパソコンで使うだけではなく、多くのパソコンに採用して欲しいと考えたのでしょう。MSXの話が出るとそれこそ飛び乗ったようです。
最初に出したのが YIS-303 と YIS-503 です。YISの名前はここには残りました。1983年の終わり頃のリリースで、303の方はキーボードがボタン型でRAMも16Kの最低構成です。503は普通のキーに32KRAMです。やはり定価で5万円という壁があったのでしょう。多くのメーカーがこのように標準型と廉価版をリリースしています。
Yamaha YIS-303
Yamaha YIS-503
ヤマハが目指した音楽PCのMSX「YIS503」、色ずれのない鮮明高画質を実現
発売を急いだためか筐体はミツミ電機に頼んだようなことがWikipediaに書いてありました。
MSX (初代規格)
ややこしいのがYISはパソコンとして家電店で売られましたが、ほぼ同じ内容ですが筐体を少し格好良くしたのCX5とCX5Fという機種が楽器店で売られたことです。こちらもCX5はボタンキーボードでCX5Fは普通のキーなのですが、どちらも32KのRAMを積んでおり、その分CX5はお高めになっていました。特徴的なのは独自の拡張スロットを持っていたことで、ここにFM音源ユニットを差すことが出来ました。これはその後の機種にも引き継がれています。
Yamaha CX5
Yamaha CX5F
ミュージックキーボードと繋がる異色のMSX「ヤマハ CX5F」
MIDIキーボードに繋げれば、DXシリーズっぽく使うことも出来ますし、DXを持っていれば、ちょっとしたシーケンサーに早変わりです。
ヤマハ MSX パソコン YIS 503 + YK-10 YAMAHA
Retro Yamaha Music Computer - Testing out the CX5M
細かいところを見ればディスプレイ端子に違いがあったり、確認していなかっただけなのか、こだわりがあったのかはわかりませんが、独自色の強いMSXではありました。
【Vol.328】YAMAHA MUSIC COMPUTER 「CX5」 ~元祖・ミュージックコンピューター[1983年]
YAMAHA CX5(MSX)
Yamaha YIS303 Home personal computer
Yamaha CX5 Music computer
音楽を演る人にとっては「遂に来た」パソコンだったようで、想い出深い人も多いようです。
ヤマハ - YIS-303
YAMAHA MSX CX5F
統一規格の中で独自色で勝負するという本質が一番わかっていたのはヤマハだったのかもしれません。
ヘッダ画像は、いらすとや さんよりhttps://www.irasutoya.com/2015/10/blog-post_12.html