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山笑う

日本の四季を表す美しい言葉は多々ありますが、この時期、私が好きな言葉のひとつが「山笑う」。草木が一斉に芽吹き、花咲き、山肌が華やかに彩られる様を表し、俳句の季語としても使われるようです。

京都の東山などもその穏やかでたおやかな山容が華やかで多様な新緑に輝いて、まさに山笑う様にこちらまで楽しくなってきます。日本の豊かな山々であれば、どこでもそれを楽しむことができるのですが、ここ数年、気に入っているのが西丹沢の山々です。

新緑の山肌にぽつりぽつりと淡く白をぼかしたように咲く山桜。
まさに丹沢の山々が愉しげに笑っておられるようで、こちらの気分も浮き立ちます。

そんな西丹沢の山を、例年よりは2週間早い、4月9日に再び歩いてきました。
例年より下界の桜の開花が2週間近く早かったので、これくらい早くてちょうどよかろうと。

山上は氷点下の寒さで霜柱の花が咲いているのですが、中腹より下は期待通りの春爛漫。豆桜と山桜は満開、三葉躑躅もちょうど花開いたところでした。

豆桜
豆桜
豆桜
三葉躑躅
三葉躑躅
三葉躑躅
山桜
山桜
山桜
山桜
山桜

どこかで書いたようにも思いますが、桜の中でも私は一重の枝垂桜と並んで、山桜が一際好きです。一重の白に近い薄桃の花を引き立たせるかのような、新芽の上品な朱。高雅と野趣という相反する魅力が同居するかのようなその佇まい、山間を控えめながら華やかにする美しさに魅力を感じます。

そんな笑う山は富士山の絶好の展望地でもあります。

おそらくまた来年も訪れる、春を全身で堪能する恒例行事です。

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