傾斜木の伐倒における目標設定についての考察
特定非営利活動法人よこはま里山研究所 NORAに参加し、横浜市旭区下川井町にある川井緑地の里山保全活動に活動している。
先日、里山保全活動の一環として、伐倒作業を行った。伐倒作業においては、伐倒する木を目標に向かって正確に倒すことが求められる。今回、大きく傾いた木の伐倒において、当初の目標から外れ手前の隣木にかかり、なぎ倒してしまうという事態があった。
本件について、なぜそのようなことが起きたのかを考察し、対応を提言する。
1. 状況
伐倒したい木が、地面から垂直に対して大きく傾いていた。
周囲の状況と伐倒目標から見上げて伐倒木の先端が手前の隣木にかからないことを確認し、伐倒目標を設定した。
2. 伐倒結果
伐倒目標に対して直角に、受け口と追い口を作った。
しかし、伐倒木が傾きを保ったまま倒れたので、伐倒木の先端部分では、伐倒目標から左側に赤線分ズレてしまった。これにより、手前の隣木にかかり、なぎ倒してしまった。当初の計画では、伐倒木の先端が伐倒目標にきて手前の隣木にかかりることはないと考えていた。
なぜ、このようなことが起きたのかを考察し対策を提言する。
3. 考察
説明のため、以下のように記号を付ける。
当初の伐倒目標をGとする。
伐倒木の受け口部分をAとする。
伐倒木の先端をBとする。
点Aから地面に垂直に立ち上がった線上に、伐倒木の先端Bに対応する高さをA2とする。
伐倒木の先端が倒れた点をB2とする。
今回線分G・Aに対して直角に受け口と追い口を作った。
この状態(線分G・Aに対して直角の折れ曲がり線)で倒れれば、線分B・A2= 線分B2・Gとなり、伐倒木の先端Bは、B2になるのは明らかである。
4. 提言
倒木の先端Bを、点Gに倒すために、新たな伐倒目標としてG2の設定方法を提言する。
新たな伐倒目標G2は、点A2、B、G、G2で描く四角形が平行四辺形となるような位置に設定すると、良いと考える。
そして線分G2・Aに対して直角に受け口と追い口を作る。
この状態(線分G2・Aに対して直角の折れ曲がり線)で倒れれば、線分B・A2= 線分G・G2となり、伐倒木の先端Bは、Gになるはずである。
5. 結論
地面から垂直に対して大きく傾いた木を伐倒する場合、伐倒方向に対して傾いている長さ(線分B・A2)を、伐倒目標Gから同じ長さで、木が傾いている方向とは逆に移動して設定す必要がある。
6. お願い
本考察について、質問、補足、訂正など、何でも結構です。
ごコメントいただけると幸いです。
おまけ
伐倒の様子をタイムラプスにしました。
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