
打線組んでみたに代わる新しいフォーマットを考えようと思った
突然だが、『打線組んでみた』というインターネットで有名なネタをご存じだろうか。
スレ主が、複数の要素を持つ任意のジャンルで野球の打線を考えたというネタ。
という2ちゃんねる由来のネタである。
このネタについて何故か物凄く詳しく丁寧に解説してくれているニコニコ大百科から1つ例を引用したいと思う。
例:「いわタイプポケモンで打線組んだやで~」
1 一 ゴローニャ
2 遊 レジロック
3 二 ドサイドン
4 中 バンギラス
5 右 テラキオン
6 三 ユレイドル
7 左 プテラ
8 捕 ラムパルド
9 投 トリデプス
こういうネタである。
一時期に比べると最近はあまり見ない気もするが、それでもTwitterなどで時々見かけるので知っている人は多いだろう。
筆者は野球に全く詳しくないのだが、このフォーマットがとても優れたものである事だけは分かる。
単なるランキングだとそこに代入される要素同士は上位から下位への一方的な関係性しかないのだが、この打線形式は違う。代入される要素それぞれに相互関係があるのだ。
上記の例を見てもらえば分かるように、それぞれの要素に対して「打順」と「守備」という2つの評価軸が存在する。
これにより、あくまで上下の関係性しかなかったそれぞれの要素に様々な繋がりが生まれる。更にそれぞれの要素がどういった特性を持つものなのかが瞬時に理解できるようにもなっているのである。
またまたニコニコ大百科からの引用になるが、「打順」と「守備」の簡単な説明はこうだ。
打順(印象)
1 わかりやすい・即効性
2 手堅さ
3 バランス感
4 問答無用の破壊力 ネタ系ならここでいちど笑わせておきたい
5 4に続くインパクト
6 傑作ではないが光るものがある
7 地味だが抑えておきたいもの
8 打線に組み入れたいと思ったなかで最後まで残ったやつ
9 いちばん華があるもの(ここに投手を入れない場合はその限りではない)
守備(内容)
投手 ほぼ9番打者枠のため、打順ネタの〆としていちばん優れているもの
捕手 多くの人間の共感を得られるであろう安定感のあるもの
一塁手 知名度や認知度が高く、良かれ悪しかれ話題になるとっかかりがあるもの
二塁手 スルメ
遊撃手 技巧的に優れているもの
三塁手 攻めの姿勢が強いもの
左翼手 マイナー志向
中堅手 オールマイティー志向
右翼手 荒削りではあるが力強いもの
また、1番打者が必ず一塁手でなければならないなどの決まりもほぼ無く、1番打者が捕手でも問題はない。多分。野球詳しくないから知らんけど。読む限りではそう。
例えば、『ドラえもん』に登場するひみつ道具の中で実際に欲しい道具ランキングなら多分こんな感じになる。
1 もしもボックス
2 どこでもドア
3 ほんやくコンニャク
4 タイムマシン
5 石ころぼう
6 四次元ポケット
7 片付けラッカー
8 お医者さんカバン
9 壁掛けハウス
10 タケコプター
即興で考えたので少し雑になってしまったが、まあそんなに面白みのないランキングである。
しかしこれを打線で表してみると、こう。
1 捕 タイムマシン
2 遊 ほんやくコンニャク
3 三 石ころぼう
4 一 もしもボックス
5 中 どこでもドア
6 左 壁掛けハウス
7 二 お医者さんカバン
8 右 片付けラッカー
9 投 四次元ポケット
細かい事は初心者だからという事で目を瞑っていただきたいが、感覚的にはこんな感じである。
どうだろう。単なるランキングより打線の方が多少は面白みのあるものになっているのではないだろうか。
このように、この『打席組んでみた』というフォーマットは柔軟性に富んだ優れものであるという事が分かってもらえたと思うが、1つ問題がある。
野球を知らないと何のこっちゃなのである。
筆者も今回調べるまでずっと何となくでこのネタを見てキャッキャッしていた。恐らくそういう人は多いのではないかと思う。もし筆者だけだったとしたら誰か希少性を認めて保護してください。
しかしこれに代わるものなど中々無い。何故なら完成されたものだから。
筆者も無い知恵を絞って必死に考えたが全然思いつかなかった。
それでも何かないのかと部屋を歩き回っていた時に目に留まったものがあった。
そう、将棋盤である。
そしてハッとした。
「将棋の駒なら使えるのではないか?」と。
一般的な将棋の駒の種類は全部で8種。
歩兵
桂馬
香車
飛車
角行
金将
銀将
王将
である。
そしてここに「成る」という要素を加えると、「龍王」と「龍馬」と「歩,桂,香,銀が成った金」の3種が加わり11種になる。
更に将棋はその攻守がターン制で入れ替わるルールの特性上、それぞれの駒が攻撃と守備どちらも担っている。
もうお分かりであろう。
そう、野球と同じである。
また、将棋独特のルールとして「取った相手の駒を自分の駒として使用できる」というものがある。
これは攻守に連なる新たな評価軸として据え置けるのではないだろうか。
取られたくない駒、即ち「無くてはならない重要な要素」である。
ここで一度それぞれの駒のイメージを整理してみよう。
歩 と 分かりやすい・いくつあっても良い
桂 圭 飛び道具的な要素
香 杏 一度刺さると抜けづらい・特攻隊長
飛 龍 盤面を支配する圧倒的な強さ・重要な要素
角 馬 飛と同等の強さ
金 个 攻守のバランスに優れている
銀 全 地味だが無くてはならない要素
王 王 玄人向けのオールラウンダーだが全体の骨子となるもの
大体こんな感じだと思う。
将棋は嗜む程度なので詳しい方が見たら一笑に付すものかもしれないが、打線組みを参考にするとなんとなくこんなイメージだと思う。
あくまでイメージなので悪しからず。
ではこれで打線と同じように欲しいひみつ道具で陣を敷いてみる。
するとこうなる。
歩 と タケコプター
桂 圭 石ころぼう
香 杏 壁掛けハウス
飛 龍 もしもボックス
角 馬 どこでもドア
金 个 タイムマシン
銀 全 ほんやくコンニャク
王 王 四次元ポケット
どうだろう。なんとなく形になっているのではないだろうか。
代入する要素の評価軸が少し変わった事で、打線ともまた違うものになった気がする。
ただ「成る」という要素が死んでしまった気もするので一考の余地はある。
まあ楽しいからいっか。
あと「陣を敷く」って言い方がカッコイイ。
打線にしろ陣地にしろ自分の好きなものでこういうのを考えている時間はとても幸せなものなので読者の皆様方も暇な時や現実逃避をしたい時にやってみると良いと思う。
ただ打線と完全な互換性のあるフォーマットを見つけるのは意外と考える事が多いからそれは余裕がある時にやってほしい。いや、意外とサッカーとかでもいけるか……?
もう考えすぎて分からなくなってきたので後は皆様で好きになってください。
では、終わります。
本日もここまで読んでいただきありがとうございました!
それじゃ、おつがお~!