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台風がやってきた

自然はどうしようもない。
もっともコントロール不可能なものだ。
昨日、居住地に台風が近づき、予定の再検討を迫られた。
そのときのことを書いておく。


まずチョコ。
彼女は、放課後デイに行く予定があった。
プールに行くというので、とても楽しみにしていたのだ。
音声言語でも伝わらなくはないだろうが、事情を確実に伝えるため
まずは「どうしてメモ」で状況説明をした。

絵を描いてもよかったかな

メモを書いていると、チョコは「なになに~?」といった調子で見にくる。
書き上げた「どうしてメモ」をチョコに渡しえ読んでもらっている間に、次は「えらぶメモ」で今日どうしたいかを書いた。

原本は捨てられてしまったのでイメージです

おめめどうの原則に従って、子どもがメモを書いているところを私は見ない。
ふと気がつくとチョコはそこにはいなかった。
残されたえらぶメモには、「おやすみする」に〇がつけられていた。
放課後デイが好きなチョコが休むことを選ぶのは少し意外でもあったが、強風が苦手な彼女は外出そのものをためらったのか、緊急事態の雰囲気を感じて家族の側を離れるのが不安なったのか、そのどちらもか。
チョコはすっかり切り替えておうち遊びに勤しんでいたので理由は聞かなかった。
まあよい。



さて、ピゴである。
彼はOTの予定が入っていた。
「歩いて行くしかないか」「長靴で」等と2-3日前から彼は発言しており、台風が近づいていることを理解していた。
彼は基本的に「行けるなら行く」というスタンスだ。


そして出発時間。
雨はほとんど降っていなかった。
傘を持って長靴を履き、徒歩で向かう。
診療所までは20分くらいか。
そのうち風が時折つよくなり、ぽつぽつ雨が降り始めた。

ピゴ「もう無理じゃない?」
わたし「いやいやこのくらいなら大丈夫。」
すぐに強くなる雨足。
わたし「…少し急ごうか。」

そう言った矢先、突然、土砂降りになった。
数メートル歩いたところで、ピゴが「もう無理。坂のぼれない。帰る。」と引き返すことを宣言した。
その地点では、診療所までのほうがかろうじて近かったが、確かに手前には急な坂がある。

雨も風も激しい中、坂を登り、びしょびしょになった状態でOTを受けるのか。
終了後はもっと激しいのではないか。
確かに、帰宅するほうがいいかもしれない。

数秒くらいでそんなことを考えて、「うん、帰ろう。」と同意した。

来た道を引き返しながらどうにかキャンセルの連絡をして、とにかく家を目指した。
帰宅したときには全身びしょ濡れ。
服が濡れるのを嫌がるピゴだが、無事に帰宅したことで安心した表情をしていた。


担当OTは、このドタキャンについて
「ピゴくんが自分で判断できたことがよかったです。」
と評価してくれた。
突発的な変更が苦手な(と言っても最近はそうでもないのかと思い始めているが)ピゴが、自分で変更を決めた。
自分の限界を感じて、途中で切り替えることができたのは立派な処世術だ。
雨が降り始めた時点で、わたしは通院を強行しようとしたが、すぐに引き返すことを提案した彼の方が正解だった。
わたしは、ピゴや夫とは違って、その場に応じて臨機応変に対応することが得意なはずではなかったか。
まったく、突発的な変更が苦手なのはどちらだ、と言いたくなる。

実はこの日、放課後デイのあとにチョコも通院の予定があった。
それもキャンセルすることにした。
結果として、天候的にはどうにかチョコの通院には行けたかもしれない。
…と一瞬思ったが、わたしは低気圧にやられて頭痛・関節痛がひどく、午後から寝込むことになってしまったので、やっぱりキャンセルで正解だった。


今回、いちばん見通しが甘かったのは、わたしだ。
振り替え予約の取りづらさなど未来の面倒に思考を捉えられてしまって、「いまここ」の安全が疎かになってしまっていた。

自然災害が起きたとき・起きるかもしれないときは、何よりそのときの安全第一、用心深すぎるくらいできっとちょうどいい。

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