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コミュメモ®️はフレームワークそのもの~裏紙では効果半減なんだという話

kazunee、これでも某外資系コンサルティング企業出身。
3年でドロップアウトしたんで、スキルも人脈もほぼ何にも身についてない。
コンサル業界では「Up or Out」(昇進できないなら退職)と言われる風潮があるのだが、私はそのOutした人。
氷河期の後からリーマンショックまでの間、わずか3年ほどだけ新卒の売り手市場と呼ばれる時代があった。
私はその時代に新卒カードを持った人間だった。
面接受けの良さとそこそこの瞬発力が新卒就活と相性がよかったこともあり、背伸びをした会社に新卒でたまたま入れちゃった…というところだったと今は解釈している。
そういうわけなので、私自身のバーンアウトとリーマンショックが重なって会社からはあっさり放り出され、数年さまようことになる。


前置きが長くなったが、コンサルティング会社では課題解決のための思考としてフレームワークを使用することを教えられる。
フレームワーク思考というやつ。
要するに思考の枠組み(フレーム)を使用することで、もれなくダブりなく(MECEというやつね)問題を整理して考えられるというわけ。
フレームワークはたくさんあるけど、例えばこのSWOT分析。

SWOTは自社の内部環境と外部環境を洗い出すために使われる有名なフレームワーク


それぞれの箱にあてはまるものを考えて、書き入れていく。
「ウチはブランド名はそこそこ知られてるよね」っていうならS(Strength:強み)の箱に、「外国企業が参入してくるらしいよ」っていうならT(Threat:脅威)の箱に…という具合。
そうすると、「じゃあウチにとってのO(Opportunity:機会)って何だろう?」って改めて考えられる。
箱が最初にあるから、そこに何を入れるかを考えることで、現状が整理されて何をしなければならないかが見えてくる、というわけ。
そして、このSWOTの形で整理してるのを見れば、「ああ、これは自社を取り巻く環境を整理してるのね」と、内容以前に、何を伝えたいのか形を見ればわかる
このあたりが、フレームワークで考えることのメリットと言われている。はず。


で、まあコンサルをドロップアウトしてからはフレームワークどころかロジカルシンキングだのなんだのって遠ざかっていたんだけど、そういえばおめめどうのコミュメモ🄬ってまさにフレームワークだなって。
それがいちばんわかりやすいのが、〇✕メモ

大人は子どもの問題行動を辞めさせたいが故に、「~しない!」と言ってしまいがち。
「鼻に指を入れない!」「飛び出さない!」とかね。
✕はすぐ思いつく。
だって、目の前で起きてる行動を否定すればいいんだから。
でも、それでは子供はどうしたらよいのかわからない。
「ティッシュで鼻をかむ」とか「いったん止まる」とか伝えてもらえれば、何をしたらよいのかわかる。
育児界隈でよく言われる、否定を使わず肯定文で伝えるってやつだ。
でもそうは言われても、なかなか肯定文は出てこない。
だからこそ、〇✕メモがある。
✕を書いてみると、隣にある「で、〇な行動はなんだっけ?」って自ずと考えるようになる
何回か書いていくことが、イコール〇を考える訓練になる。
そうすると、〇を考えることが当たり前になる。
おお、これこそフレームワーク思考じゃん!

そして、見せられる方にしても、そうなのだ。
〇✕メモに載っていると、ルールを伝えようとしてきてるんだなってわかる。
そのことは、ハルヤンネさんも書いておられます


他のメモもそう。
私がフレームワークが存在することのありがたみを特に感じたのは、いつどこメモかな。

終わったらなにがある」の欄があるから、それを考える・伝えることを忘れない。
このいつどこメモも、5W1Hの超有名フレームワークそのものだね。



コミュメモについて保護者仲間に紹介すると、「なるほど!書いてみると確かに一目瞭然でよく伝わるね」と視覚化することのメリットは伝わりやすい。
しかしその後、「裏紙で」「スケッチブックで」やってみたと言う人は多い。
まあ、そもそも裏紙ですらやらない人の方が多いので、やってみるだけ100倍良いとは思うのだけど。。
裏紙やスケッチブックではなくて、わざわざコミュメモを使うことの良さは、
①(大人側にとって)考え方・伝え方の訓練になる
②(子ども側にとって)情報の意味を理解しやすい
ということにある。

特に、私は同じ保護者たちに①を伝えたい。
発達障害児の育児界隈では、声掛け変換表が書籍でもインターネットでもよく出てくるのが、それだけ伝え方にコツがいることが良く言われる。

この記事を見ても、要するに「視覚的・具体的・肯定的」に伝えるといいんだなってことはよくわかる。
でも、わかっちゃいても意識だけではなかなか変えられないもの。
そこで、意識だけに頼らずに、コミュメモがすぐ手の届くところにあれば、コミュメモを使うことで自然と視覚的・肯定的・具体的に伝えられるようになる。
ツールを使っていくことで、自然と考え方も変わっていく。
思考の変容も努力じゃなくてツール。ライフハック。
だから、裏紙やスケッチブックなどの白い紙では、効果半減なのだよね。


私は、おととしの12月、おめめどうでお買い得になってた「オールコミュメモ」と購入した。
コミュメモもいろいろ種類や大きさがあるけど、ウチには何が合っていて何が必要かはわからない。
でもとりあえず全部あれば間違いないだろう、と。
そして、この選択は正解だったと思う。
全種類そこにあるからこそ、「せっかくあるんだからとりあえず全部使ってみたい」っていう気になったから。
一通り使ってみることで、それぞれのメモ(フレームワーク)に沿って実際に考え、「こうやって伝えれば伝わりやすいのか」というのを体験できたから。
そういう経験があるから、直接会える保護者には「とにかく使ってみて」と言い、サンプルを数枚ずつおすそ分けしている。
ま、それで実際やる人はごくわずかなんだけどね。。
それでも1人でも2人でも使ってみてくれて、そこの家庭の暮らしが楽になればよい。
そういう思いで話している。




ここからは蛇足。
コンサル時代、「成長のマインドセットが~」「プロフェッショナルマインドが~」とかマインド(意識)ってよく言われてマインドアレルギーになるほどだったんだけど、じゃあそのマインドを変える方法は「結局マインドだよね」としか言われなかったんだよなあ。
ロジカルだのクリティカルだのいろいろなシンキングはいろいろ言われてたけど、結局それもマインド(意識)、要は心の持ちようでなんとかしろという精神論になってたな。そこにはツールはないのかい。苦笑
ま、コンサルで認知行動療法とかマインドフルネスとかやるわけでもないのだけどね。
今はたぶんマシになっているでしょう。そう思いたい。

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