美術館McMichael訪問~自然とともにある命
恥ずかしながら
私には基本的な知識すらない。
カナダのIndigenous、つまり原住の人々についての事である。
ここカナダで暮らし少し身近になって
断片的な知識を集め始めている。
夫ジェイにはFirst nationの友人がいた。
ここからうんと北、ケベック州の北方を旅した時にそこで暮らす彼と出会ったらしい。
Indigenous > First Nation,Inuit, Métis
原住の人と言ってもグループの違いがあり言語に至っては70種類以上もあるらしい。
今日は暑い!インディアンサマーね。
あ、でもいまはもうインディアンって使っちゃだめよね。
先日、いったん落ちた気温がまた夏に戻って
トロントで長年小学校の先生をしていた友人が言った。
こんな風に呼び名でさえも
結構センシティブなトピックであったりするわけである。
その友人がここ湖畔の家から車で1時間ほどの美術館に連れて行ってくれた。
McMichael
Indigenousの人々の文化を知りたい
そう私が言ったからである。
しかし
Indigenousの人々の文化と言っても前述のように
それぞれのグループとによって言語も違えば文化も違う。
決してひとくくりにはできない。
McMichael 美術館については森野しゑにさんも訪問されたことがあり
アートの専門家の目を通したInuitの人々の作品が紹介されている。
この美術館で展示されている作品の
何が私を魅了するかというと
そこから見えてくる
人々の動物や植物との関わりである。
それは命あるものを含めた自然との関わり合いと言っていいかもしれない。
あれは星野道夫さんのどの著作だったか。
アラスカからカナダ北方を旅され素晴らしい写真の数々を残されているが
その中で印象に残っているエピソードがあった。正確な文面ではないが
原住の人が大地に建てたトーテムポール。
あとから来た人が
これは貴重な歴史的遺産
保存しなければいけない
そういってトーテムポールを美術館に持ち帰ってしまう。
しかしそうではないのだ。
ここに彫り込まれたスピリッツはトーテムポールが朽ち果てるのと一緒に
大地に戻らなければならないのに。
時として人々は
正しいと信じるあまり
まったくもって
取り返しのつかない方向に進んでしまうことがある。
絵葉書と一冊の本を買った。
この本との出会いも私をワクワクさせる。
Medicines to help us
Metis nation と呼ばれる人々が何世代も継いできた病のヒーリングとしての植物。それらは文字のない昔、代わりに絵を残すことでその方法が今に伝えられ、それらはまた美しいビーズワークとしても伝承されている。
本の中にひとつの植物を見つけた。
このソロモンのシールをたまたまご近所の方にいただいた。
昨年の秋のことである。
とても元気でいらしたのにその後病が発覚して
今年の春先に亡くなってしまった。
しかし彼女からの命は継がれて
このソロモンのシールは初夏にかわいらしい鈴なりの花をつけてくれた。
本によると抗炎症や鎮痛に効用があるらしい。
この地球における私たち人間の存在は まるごと母なる大地に委ねられている。
自然とともにある命。
原住の人々が継いでいくものの中に
厳しくも大らかな魂を
見ることができたように思う。