適度な運動が、超お得です!
さて、前回は運動強度についてお話ししましたが、最後に持久力UPと筋力UPの両方をトレニングできるトレッキングをおすすめしました。運動のやり方は人それぞれ楽しんでできる事が一番なのですが、よくばりな私は一度に両方できる運動としてこれを選びました。
特に50代までの方は有酸素運動だけでなく、筋肉も鍛えて頂きたいって思っています。筋肉を鍛えるメリットは基礎代謝UP、ロコモディブシンドローム(運動器症候群)予防、サルコペニア(筋肉減弱症)予防など沢山あります。あまりにメリットが沢山あり、有酸素持久運動と筋負荷運動を掛け合わせるトレーニングはとっても効果的なんです。
例えばどういうことかと言いますと、前回お話ししたウォーキングですが、運動強度(METs)は3でしたよね。これが軽いジョギングになると6になります。つまり体にかける負荷を増やしてあげると、METsも増えカロリー消費量も増えるってことになります。
手始めにウォーキングから始めてみるのは最適であると考えますが、ある程度慣れてきたら少しずつ負荷を増やしていったほうが効果が上がります。同じ時間を費やすのならば、少しでも効果が上がるほうが良いはずですよね。もちろん人それぞれ体の状態や条件が違いますから、最適解は十人十色です。ですので一般論として聞いていただければ結構かと思います。
例えば、ウォーキングコースに階段や坂道があるルートを取り入れる、安全な場所で早歩きをする、たまにロングウォーキングに挑戦するなどなど、負荷を自分に合わせて上げていくことはどんな運動でも可能かと思います。
運動強度 ✖️ 時間 = 消費カロリー
と説明しました。ただここでボーナスが生まれるんです。筋力をUPしていけば、これ以外の恩恵があります。筋力は貯金みたいなもので、元本(筋肉)が増えると金利(消費カロリー)も増えます。じっとしているだけで増えた基礎代謝のお陰でカロリーを消費してくれるようになります。
ただ、私は健康が目的ならば、ジムでガシガシと筋肉ムキムキにする事はおすすめしません。競技スポーツをやっていて結果を出すため、見た目の美しさを求めるとか、目的があるのならばマシンを使って筋力をつけていけば良いかと思いますが、自分の体を使った、有酸素運動と組み合わせた筋トレが最適ではないかと考えています。
そして、有酸素運動と負荷運動の組み合わせで血流がかなり良くなります。有酸素運動は、心肺機能を高められますが、足の筋肉量が増えるとポンプ機能がUPし静脈から心臓に戻る血流を良くしてくれます。さらに全身に酸素と栄養素をとどけようと体が反応するので、毛細血管の働きが良くなり、血圧正常化にもつながります。また2型糖尿病におけるインスリン抵抗性の改善が期待できるなど、良いこと尽くしなんですね。
まー、ここまでは当たり前な話なんですが、ここからはマイオカインという物質についてお話ししたいと思います。
マイオカインとは、骨格筋由来の生理活性タンパク質の総称で、その種類は20以上あります。その物質によって作用は異なりますが、例えば、
IL-6 FGF-21 SPARC IGF-1 BDNF アイリシン アディポネクチン 等々 聞いたことないような物質がたくさんあります。これらがもたらす体に期待できる効果は、
・糖、脂肪代謝を促進し肥満、糖尿病を予防
・肝臓で脂肪分解
・大腸がんの予防
・脳神経に作用し、うつ改善、認知症の予防
・抗炎症作用
などです。ただ、ここ10年くらいで盛んに研究されている事なので、分っていないことも多いのですが、どうやら上記のような効果が期待できるという事なんです。
数年前に、NR・サプリメントアドバイザーのレベルアップセミナーの時に、マイオカインの一種の『アイリシン Irisin 』(イリシンとも言います)についての講義を受けました。
その時に学んだことは、運動による筋収縮によって放出されるアイリシンが、白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞に変化させる作用があるという事でした。
どういう事かと言いますと、白色脂肪はエネルギーを蓄えているだけで、それ自体は燃焼しません。それが増えると肥満に繋がります。しかし褐色脂肪は、それ自体が熱を産生してくれるので太りにくい体つくりに役立つということです。
寒い所にいたり、冷たい水に浸かったりしても産生されるみたいですが、わざわざ修業みたいなことをするよりも、楽しく運動した方がその他得られる効果が山ほどあるので。
また、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の改善にもつながる様です。
大阪市立大学医学研究科の報告を参考にしてください
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このように、マイオカインにはまだ分かっていないことも多いですが、健康維持に重要であることは間違いありません。
そして、健康が目的ならばハード過ぎる運動や、筋肉モリモリにすることをおススメしない理由もあります。
運動強度がかなり高い運動をすると、活性酸素を多く産生してしまします。活性酸素の良いところ、悪いところはまた後日お話しますが、処理しきれないほど産生してしまうと、体を傷つけてしまいます。
また、筋肉もつけすぎるとマイオカインの一種であるミオスタチンが、筋肉抑制に働きます。体が作り出す物質って面白いですよね。アクセルにもブレーキにもなりますから。つまり、これ以上体が筋肉を必要としてという事です。筋肉をつけすぎても、カロリーを過剰に消費する事になりますから。
元々体には恒常性が備わっているので、
どんなことでもそうですが、『適度』というのが良いのだと思います。
パラケルススの言葉にも、
『すべての物質は毒であり、服用量のみが薬か毒かを決める』とあります。
糖も塩も体には必要ですが、致死量があります。水にも致死量があります。足りなくても、多すぎても体に不調をきたしてしまいます。あまり体を動かさなくなった現代では、糖や脂肪やコレステロールは悪者扱いされていますが、体にとっては無くてはならない存在なんです。
適度といったって、何が適度なのか分かりずらいですよね。なので、運動を定期的にしている人は、心拍計、酸素飽和濃度、消費カロリーを測定できるスポーツウォッチを身に着けている方がいます。アップルウォッチも色んな測定が出来ますね。でもまーまー良いお値段がします。Amazonのタイムセールを狙って買うのも良いかと思いますが、無料のアプリもありますから、是非こういうのを活用して下さい。
運動には、本当にメリットが沢山あります。体を動かせば、勝手に必要な物質を出してくれて、いらないものは消費、排出してくれて、体温をあげて免疫力をUPしてくれたり、頭をスッキリしてくれたり、もう恩恵だらけです。
まずはサプリだけに頼るより、体を動かす一歩を踏み出してみませんか?きっと皆様の生き生きとした人生につながりますから。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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