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ポメラ日記94日目 河川敷ぼっちラン
・今日も河川敷を走ってみた
在宅作業のあと、今日も近所の河川敷を走った。ずっと家で作業しているとどうもお腹の肉が気になりはじめる。執筆の妨げになるものはなるべく取り除きたかった。
走る時間はだいたい夕方の1時間くらいでたーっと走っている。1時間フルで走り続けているわけではなくて、街中から河川敷のコースに行くまでは、歩行者や車にぶつからないように歩く。
いきなり走りはじめると怪我をしやすいので、歩くことはウォーミングアップのつもりで。家ではPCのスクリーンや、白い壁ばかり見ている。景色が変わるだけでもありがたい。
引っ越してからだいたい二ヶ月ぐらいが経って、周辺の位置関係が分かるようになり、土地勘も付いてきた。最初は緊張してこわごわと入っていた喫茶店も、何となく落ち着く席が見つかるようになった(いつも端っこに座る)。
河川敷を走るコースもだいたいは決まってきて、「今日は一本先の橋桁の下まで走ってみよう」とか、何となくゆるい目標を立てて走っている。
ランニングに関しては素人なので、周りから見たら文化系のへっぴり腰、という感じだけれど、「走るのも仕事のうち」と考えるようにして、下手の横好きでやっている。
今週で河川敷を走るのは4回目で、走った感じで自分のコンディションが分かる。今日は鉛みたいに体が重く、1回目、2回目に比べてへばっていると感じた。日中のライティングの作業が立て込んでいて、昼食を抜いたせいかもしれない。
走っているときはいつも息切れしていて、自分でもみっともないなと思いながら走っている。さっと脇を通り抜けていく学生ランナーを見て、僕はあんな風にはなれないと思う。
河川敷の舗装されたり、されていなかったりする道を、走ったり、走らなかったり。家を出る前はランニング中に書くネタを考えようと思っていた。
実際は走っている間は頭が真っ白になる。腕と脚を前に運ぶのが精一杯で、そんなことを考える余裕はなかった。1時間はあっという間に過ぎる。
*
僕が走りはじめたもうひとつの理由は、鏡を見るたびに自分のことが嫌になるからだった。二十の頃から鎮静作用のある睡眠系の薬を処方されていて、医者には一生飲みつづけることになる、と言われていた。もう十年くらいは飲んでいる。
そういう薬っていうのは、副作用で代謝が落ちたり、意図せずに体重が増えたりすることもある。それでも飲まないと眠れないし、落ち着かなかったりするから、薬の影響から完全に逃れるのは難しい。そして、それで僕の病気が完治するわけでもない。
もう元の自分には戻れないんだろうなって、ずっと諦めていた。薬を飲んでから、知り合いには会わなくなった。学生時代の友達とはひとりも連絡を取っていない。何となくまだ昔の、もうちょっと明るかった頃の自分を覚えていて欲しかったから。地元に戻ってきて、偶然、街中で知り合いとすれ違うことがあっても、僕はもう挨拶しないし、他人の振りをし続ける。僕みたいな変なやつと関わらないことが相手にとっては幸せだから。十字路でさよならを言ったら振り返っちゃいけないんだ。
引っ越してから、ただひとりの知り合いと、たこ焼き屋のおばちゃんと、宗教勧誘の人としか口を利いていない(宗教勧誘は三秒で断った)。たこ焼き屋のおばちゃんは、休日に立ち寄ると顔を覚えられていて、「遊んできた帰り?」と声を掛けられた。「隣町の本屋とか公園に行ってました」と答えると「子どもと行ったの?」と言われ、「いや、ひとりで」と答えるとかなり変な空気になる。
ああ、そうか、僕と同い年くらいなら家庭があって、子どもはもう一緒に外に出かけられるくらいに育っていて、2LDKだか3LDKの部屋に住んで、休日には知り合いとお茶をしたり、恋人とちょっと高い喫茶店でパンケーキやらホイップラテでも頼んで、今日も楽しかったねって言って帰るものなんだろうな。
三十にもなってひとりで本屋行ったり、公園を散歩したり、白い壁に向かってたこ焼きとか喰ってたりするのはおかしいんだろうな。爪楊枝が二本刺してあるのを見て、一本は半分に折ってゴミ箱に棄てる。わるいけど、こっちのはもう折れてるんだ。坂の上まで歩いていって、誰もいない墓地のそばで見た紅葉は綺麗でしたよ。
いままでの人生を振り返って、どの場面を切り取ってやり直したとしても、やっぱり僕はこういう風に生まれついた人間だったのだと思う。そういうやつはものを書くしかないじゃんね、と思っている。
それでも、やっぱりうっすらとむかつく気持ちは消えないので、意地になって河川敷を走っている。僕が多少ふっくらしようが、そうではなかろうが、周りにとってはめちゃくちゃどうでもいい。ていうか何も変わんない。でもやっぱりむかつくので走る。そういう気分を忘れるために走る。ついでに僕自身のことも忘れて、川の中に溶け込んじまうような気持ちになったらいちばんいい。
・もの書きのタイムスケジュール(改)
引っ越し先で新生活をはじめて二ヶ月目になる。だいたい一日のタイムスケジュールがまとまってきたので、備忘録としてタイムスケジュールを書き残しておこうと思う。
【7:00~8:00】起床・支度・昨日の原稿の見直し
朝はだいたい7時に起床します。最近はちょっと早く目が醒めることもあり、6時台には起きていることも。
眠い目をこすりながら、着替え・歯磨き・洗顔などの支度を済ませます。在宅でほとんど人に会う機会もないけれど、いちおう寝癖だけは直す。
朝の時間にまだ少し余裕があるときは、前日に作っていた「ポメラ日記・もの書き暮らし・小説」の原稿の見直しを行ったり、続きを書いておくことも。
朝になぜ原稿の見直しをやっているのかというと、トルーマン・カポーティがそうしていたから。
【8:00~8:45】朝食・部屋の拭き掃除
8時からは朝食の準備をします。といっても、大したものはなく、鮭を焼いてちぎりレタスをボウルに入れてマヨネーズと醤油かけるだけ、みたいなワンボウルだけ作ります。前日の鍋の作り置きがあるときは、コンロで火をかけておしまい。
そんな余裕すらもないときは、前日の買い出しでベースブレッドという「完全栄養食」系のビタミンが添加されたパンを買っておいて、「おいしい牛乳」と一緒に流し込んでいる。イオンとかで普通に売ってます。
在宅の作業は食べなくても意外とそのまま行けてしまうけれど、食事を取って置いた方が午後からの進捗がよい気がする。
【8:45-9:00】在宅の仕事の準備・洗濯機回す・換気
8時45分からは、在宅の仕事の準備をします。会社から体調測定の機器をいただいているので、血圧や体温を測ったり。
酸素飽和濃度(SpO2)が99パーセント以下のときは、何となく部屋の換気ができていなくて、室内の二酸化炭素の濃度が高い気がするので、意識的に換気するようにしている。
仕事の開始前に洗濯機を回しておく。独り者で毎日、洗濯機を回しているので、毎日の洗濯物が多すぎることはなくて、だいたい1回30分くらいで洗濯終了。ハンガー20本とジャケット用ハンガーが6本、スラックス用の吊るしが1本あれば十分。
【9:00-15:30】在宅のライティング・昼食
9時からは在宅のライティングでPCを起動する。仕事として行っているのは、文学関係ではなく、福祉関係のライターのお仕事。
勤務時間が短いので休憩はほぼ取らない。どうしてもお腹が空いたときは400円の弁当を10分くらいで早弁して、すぐに作業に戻る。
昼食を抜くときもあって、そういうときは喫茶店代に回している。
【15:30-16:30】近所の河川敷をランニング
勤務が終わったあと、近所の河川敷にランニングに出かける。
ランニングは、毎回測ったわけではないけれど、だいたいきっちり1時間。単純に僕の体力的にそれくらいが限界なのかもしれない。
在宅の運動不足はかなり致命的で、作業やメンタルにも支障が出ることが最近になって分かったので、いやおうなしに走っている。
雨の日や休養が必要な場合だけ、ランニングの代わりに喫茶店作業に切り替える。割合で言うと「ランニング週4、喫茶店週2、休日1」で一週間。
【16:30-17:30】シャワー・夕飯等の買い出し
16時半頃に帰宅して、シャワーを30分くらい浴びる。ランニング中は、何も思いつかないくらい頭が真っ白だけど、帰宅してシャワーを浴びる頃には、頭がすっきりしてくる。
ネット上のもの書きの人で、「シャワーを浴びているときに文章のネタが思い浮かぶ」と教えてくれた人がいて、確かに僕もそんな感じはあるなと思う。
走るときは自分を空っぽにして、シャワーを浴びながら「これから何を書こうかな」と考える。考えようと思って考えるわけではなく、ぼんやりとイメージやフレーズだけが浮かんでくる感じ。着替えてこざっぱりとしたあとは、近所まで夕飯やアパートの備品の買い出しに出かける。
夕食の買い出しは18時前後に出かけると、そろそろ値引きシールが貼られる頃なので、割引のものを優先的に買う。
元々、スーパーの店員で値引きシールを貼る側の人間だったので、値引き商品を買うことに抵抗はまったくない。むしろ廃棄でロスしている商品がもったいなすぎるといつも思っていた。なお、たまに値引きシールが付いた白菜とかでお腹を壊す。
ぜったいに買うものはヨーグルトで、これだけはなぜか欠かしたことがない。単純に値引きした賞味期限スレスレの食材から、乳酸菌で身を守るための防衛本能なのかもしれない。
四コパックのダノンのビオをいつも買っていて、朝食で食べたり、在宅勤務中のおやつとして食べている。
【17:30-18:30】夕食or喫茶店で作業、読書
帰ってきたら夕食の準備。夕食はできれば自炊にしたいと思っている今日この頃。昨日は名古屋の「赤からの素」とパー引き(~%割引)の「白菜」、「豚コマ」、「えのき」を買ってきて、ぜんぶ鍋に突っ込んで煮るだけ。
メンタルが死んで何もかもが無理めなときは、松屋に行って「鬼おろしぽんず牛めし」を食べに行く。紅ショウガは遠慮無くたっぷり入れる派。七味をぱらぱらふりかける。牛丼屋のコスパはどう見てもおかしい(くらいよい)。しんどいときにワンコインで温かいお味噌汁と丼物が食べられるのは神。
昼食を抜いたパターンのときは、ここで喫茶店に行って読書したり、ポメラ日記を書いたりする。
喫茶店といってもコーヒーが飲める店だけでなく、ハンバーガーショップ、パン屋、コンビニのイートイン、図書館の休憩室など、街中で使える場所は何でも利用する。作業を続けたいときはたまにハシゴする。
【18:30-19:00】自由時間。
食後にちょっとだけ自由時間。音楽を聴いたり、気になっているYouTubeのチャンネルを一本だけ見たり。
ちなみにこのあと、個人で行う原稿作成が控えているので、ちょっと気分を乗せるためにiPhoneで音楽を流している。イヤホンを付けて、そのまま執筆作業へ移る。
【19:00-22:30】ポメラ日記・文学ブログ「もの書き暮らし」・小説原稿の作成
その日の気分に合わせて書きたいものや作業を選ぶ。小説の場合は、だいたい「ここまで行ったら終わり」の感覚があるので、そこから先へは続けない。その感覚が来るまでは粘る。
ちなみにヘミングウェイは「移動祝祭日」のなかでこんなことを話している。
私は、何かをやりおえた、と思うまで仕事を続けるのが常だった。そして、次にどういうことが起こるか分かったとき、いつも仕事を止めるのだった。そういうふうにして、その翌日に仕事をどうつづけるかに確信がもてたのだ。けれど、時には、新しいストーリーを始めようとしているけれど、うまくそれを進めることができぬことがあり、そういうときには、暖炉の前に坐り、小さなオレンジの皮をしぼって、焔の先にたらし、それが青い光をパチパチ立てるのを見つめているのだった。
福田睦太郎訳 土曜社(2016)p.15-16
ポメラ日記・文学ブログ「もの書き暮らし」の記事がアップロードまで行けそうなときはがっつり2~3時間掛けて作業する。作業が終わらなければ、翌日に持ち越し。
【22:30-23:00】服薬。就寝準備。23時消灯。
安定剤を服薬する。お布団を敷いて潜りこむ。小説を書いていて興が乗ってきたときは、夜更かしすることもあるけれど、安定剤の催眠作用が強くぱたりと寝てしまうことが多い。
たまにさみしくなったときにスマートフォンを点けてしまう癖があって、他の人のnoteを読みに行ったり、SNSを開いたりしてしまうけれど、だいたいむなしくなって寝る。
なるべく日付を跨がないように23時くらいには布団にもぐり込んでいる。どの道、アパートの上階の住人がゲーム実況をやっていたり、ばんばん床を叩いたりするので、ちゃんと寝れるのは零時~午前1時くらい。
子どもの頃に、眠れなくてもお布団に入って目を瞑っていたらいいよ、と言われたことをまだ信じている。
平日の週5、6日はこんな感じでループしてます。
僕が元々理想としていたタイムスケジュールにはなったと思う。あとは副業の収入をどこまで伸ばせるか。
はやくものを書いて一人前に暮らせるようになりたい。いまはまだ半人前。道半ば。
2024/11/30 18:32
kazuma
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