他者への貢献を、キレイごとで終わらせないために。
はたらくことは他者への貢献である。あえて言い切ろう。
…いや、本当は言い切っちゃうとTwitterとかで「じゃあ私にも貢献してください。お金は払いませんけど」「ああ、こういうの気持ち悪い」「なんか香ばしいぞ」ってマウント取ってくる人がいそうで怖いのだけど、今回ばかりは震えながらも言い切ろうと思う。
ということで、ここから少しだけ真面目な話をしたい。
・・・
長いこと現場を離れていたのだが、実は最近また、既存のお客様に連絡する機会があった。
「ご無沙汰しております。覚えていただけてますか?」
「もちろんです。小木曽さんからまたご連絡いただけて嬉しいです。」
このように返信をいただくこともちらほらあった。もう部署を異動してから2年半が経つのに、そう言ってもらえることがとても嬉しい。
仕事って、楽しいことや嬉しいこともあれば、辛いこともある。喜びを感じるポイントも人それぞれだ。でも、誰かの役に立って、嫌な気持ちになる人はそうそういない。私だってそうである。
むしろ、誰かの役に立った実感が湧くと、「このために仕事をしているんだよな」、という気持ちになることもある。他者への貢献が、働きがいに繋がっている、もちろん、現実としては経済的な話や、将来的な夢なんかもあるので、そのため”だけに”っていうのはキレイごとになってしまうけど、せっかく働くのであれば人の役に立ちたい。誰しもが考えることだと思う。
この考えは、以前読んだ「世界は贈与でできている」という本にも通ずるものがある。人は贈与する側も、受け取っているのだ。
誰かの役に立つことが、自分のためにもなる。それは経済と経済の狭間にあるから、必ずしも合理的でないかもしれないけれど、その隙間が埋まらなければどんどん人は離れていく。だからその隙間を大切にしないといけない。
私のキャリアはカスタマーサクセスという職種が一番長いのだが、まさにこの隙間をどう埋めるかが重要になる。全てを合理的にすれば、確かに一時的に生産性は上がるかもしれないが、3年、5年というスパンで考えたら、本当にそれでいいのかと思うことがある。
そもそも、仕事である以前に自分の人生として、生き様として、それでいいのかという部分もある。
もちろん会社だから利益をあげないと存続はできないし、キャッシュを理由にサービス改善が進まなければクライアントにも迷惑がかかる。だから綺麗事だけではだめだ。でも根底にある考え方として、誰かの役に立つとか、他者に貢献するということは、持っていないといけない。会社としても、個人としても、自分たちのことだけを考えていたら、崩壊してしまう。
極論を言えば、自分がお金をたくさんもらうのも、誰かのためになるかもしれない。自分が頑張って、成果を出して、たくさんお金をもらって、それを見た後輩が憧れて、頑張るモチベーションになって、成長につながる。そんなことも思うかもしれない。
むしろ正しい行動を取っている人は、正しい報酬を受け取らねばならない。インセンティブが人の行動に与える影響は、自分たちが思っている以上に大きいのだから。良い行動をしている人を増やすためには、活用しない手はない。
経済的な話をすると小さく見えてしまうのであまり好きではないが、それによって誰かの役に立てるなら、手段として話していけばいい。気持ちよくなりたいがままに、調子に乗って武勇伝をベラベラと話すのは趣旨が違うけど、相手の役に立つ手段としての話であれば、全然ありだと思う。夢の一つくらい見せられる大人でありたい。
ただし、無知なるおせっかいは、人を不幸にすることもあることを忘れてはいけない。だから人は、学び続ける必要があり、ちょっとうまくいったからってドヤってしまうと…
・・・
少し話がそれてきたので、仕事の話題に戻したい。
元々の性格なのか、カスタマーサクセスの職歴が長いからなのか、わからないけれども、誰かの役に立ちたい気持ちは人一倍ある。だから少しやりすぎてしまうこともあるけれど、昔と比べて、バランス感覚も付いてきた(気がする)。
また、世の中への貢献値を最大化するという観点で言えば、私1人が頑張るのではなく、メンバー1人1人の力を底上げして、自社が提供できる便益を、欲している人へ届ける努力が必要となる。そのためには、やはりマーケティングの知見や、リーダーシップを身につけないといけない。
口で言うのは簡単だが、実際はとても複雑で、難易度が高い。だからたくさん勉強して、考え抜いて、答えがない中で行動をし、正解を作り続けなければならない。そうやってみんな、ビジネスと向き合って、成功する人もいれば、失敗する人だっている。そういう世界で生きている。
私個人の行動も、自分が何をすればより多くの顧客の成果につながるのかを考え、逆算する必要がある。それが、組織としての成果の最大化にも繋がるからだ。これからも、より多くのビジネスパートナーと共栄していかなければならない。その繋がりの数と質を最大化することが、来年以降も課題になりそうだ。多少の成果や過去の栄光を振りかざして、あぐらをかくのではなく、いつまでも謙虚でいたいと思う。すごい人たちがすごく頑張ってるんだから、私もめっちゃ頑張らないとやばい(語彙力)。
あと、最近は「好きなことを仕事にする」ことを良しとする風潮が一部であるが、それも結局、好きこそ物の上手なれが前提であり、それが誰かにとって価値となるからだ。好きなだけで誰かの役に立っていなかったら、ただの自己満足であって、報酬など支払われない。書くことによって人を動かしたり、写真を撮ることで感動を与えたり、誰かしらにいい影響があるからこそ、対価を受け取れる。
逆に言えば、その分野で貢献できる役割や組織があるのであれば、そちらへ行った方がいい。自分の好きなことで、誰かの役に立てるということは、相手にとっても自分にとってもメリットが大きい。仕事として仕方なくやっている人と、心からやりたいと思ってやっている人では、アウトプットに天と地ほどの差が生まれる。より多くの貢献がしたいのであれば、自分の好きなことと、社会や組織が求めていることの重なる部分を見つける必要がある。
そうやって、個人としても、会社としても、誰かの役に立つことで、生かされているのだと思う。だから私は冒頭で、はたらくとは他者への貢献だと言い切った。貢献するために、資金が必要であったり、たくさん勉強をしたり、お客様の声に耳を傾けたりする。経済を回しながら、その隙間もちゃんと埋めていく。私個人としてできる貢献を積み重ねていけば、少しは世の中を良い方向に向かわせることができる気がする。そしてそれが、回り回って、私自身の人生を豊かにしてくれる。精神的にも、経済的にも。
そんなことを思う2020年最終日。外は死ぬほど寒いので、今日は家で勉強でもしよう。そして来年のことでも考えよう。他者への貢献を、キレイごとで終わらせないために。
最後は、私が大好きなワンピースのDr.くれはの名言で、この記事を締めたい。
いいかい
優しいだけじゃ
人は救えないんだ!!!
人の命を救いたきゃ、
それなりの知識と
医術を身につけな!!!
腕がなけりゃ 誰一人
救えないんだよ!!!
出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社
そう、長々書いてきたけどこれが言いたかった。人の役に立つには、実力が必要なのである。私ももっともっと頑張らねば。
それでは皆さま、良いお年を。
小木曽
Twitterはこちらです→小木曽
PS:すごく真面目な記事になってしまいましたが、昨日はこんなのも書いています。よかったらこちらも読んでいってください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?