マガジンのカバー画像

視録的運動(シロクテキウンドウ)

スポーツのストーリーテリング記録運動。スポーツ領域のブランディングやデザイン、写真や映像、ストーリーテリングなどを考察するWebマガジンです。 powered by vennn
¥680 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

『文字と写真のダンス』デザイナーにとっての玉子寿司

スポーツを表現するにあたって、大体パターンとしていくつかのグラフィックデザインが頭に浮かびます。グラフィックデザインとは?から考え始めてしまうと、当たり前ですが無限の可能性とパターンがあるので途方に暮れそうですが、こと「スポーツ」というものにコンテンツを限定した場合、ある程度の制約が行われると思います。 その中で(スポーツ文脈でデザインする可能性のあるものの中で)これがいちばんデザイナーの腕(センス)が出るなと思うのが、上のようなものです。寿司屋の腕前を知るには玉子頼めっ

『「映像」というより「写真の延長」』写真を拡張した何か

なんの変哲もない映像に見えるけど、なんでこんなにかっこいいと感じるのか。他の映像と何が違うのか。 スポーツのクリエイティブ制作の中でも、"ストーリーテリングする"という意識と、"作品を作る"という意識とでは、若干心がけもアウトプットも異なるように思うのですが、それぞれの違いについて書いてみたいと思います。 リアリティ(温度)富永選手が所属するNebraska Men’s BasketballのInstagramはめちゃくちゃかっこいいんですけど、それがなんでかって考えた時

ひとこと「Let nothing weigh you down.」

前々回は物撮りについて書いたんだけれど、その時に、まあ物撮りとは言えないだけど物にフォーカスを当てたクリエイティブってありますよね、というようなことを書いた気がしています。 ではそれについて書いてみます。 物撮りとは言えないけど、物を伝えたい。 ファーストインプレッションは寄りに決まってるSatisfyというランニングとアウトドアのブランドがあります。

なぜそれは数十秒間も"見れる"のか?「映像の耐久性」

スポーツに限らずです、人に何かを伝えたい時、それが数十秒ないし数分かかってしまうとか、あるいは結構な文字数を持ってしてしか伝えられないこととかって、あるではないですか。もちろん昔から、今の時代は特に人に何かを伝えたいときは「短い方がいい」というのが定説だし、それが広告コピーとか、CMとか、プレゼンテーションとかの文脈で技術として表に立ってきました。何か伝えたいことがあるなら、シンプルに、短く。わかります。でも、そうは言ってもですよ。時間とか文字とかいう質量はその質量を持ってし

『「物撮り」の4カテゴリーについて』プロと素人の差が激しく出る領域

スポーツのストーリーテリングを追求しようと思えば、スポーツ周辺にある「モノ」をいかに魅せるか、はひとつ重要なポイントだと思います。いわゆる「物撮り」という領域ですが、これは写真表現の中でも、プロと素人の差が激しく出る領域だと思います。と、素人が言っています。 私が定めている恣意的な物撮りカテゴリーは以下の4つです。 ベーシック ロケーション勝負 with手 大量 これ以外にも「モノ」に焦点を当てることを狙いとした写真の撮り方はありますが、まあ「物撮り」とは言えない

「90分の試合」というコンテンツを事後で伝えるときこれ以上のフォーマットはないんじゃないか

制作にかけるひと手間 vs 他者の目 道具はいつだって使い方次第 みんながやってないことやろう精神 収まるという美しさ *** 制作にかけるひと手間 vs 他者の目手間がかかっているもの、手間がかかっていないもの。もしくは、手を抜いているもの、手を抜いていないもの。って、ある。それがどのようなジャンルのものであれ、たとえば文章、何かのデザイン、家の掃除であれ食器洗いだって、すべての仕事や作業には必ずその2種類があって、その「差」に他人は気がつくのである。 ただ、手