シュレディンガーのバス
最近、目の前でバスが行ってしまう。
一度や二度のことじゃない。
おかしいなぁとは思っていたけど。
とはいえ時間通りに来てるつもりでも、
実際は自分がバス停に着くのが遅いんだろう。
そう思っていた。
ところが今日、バスに乗っていて
真相に気づいてしまった。
そのバス停の発車時刻が、
例えば8時30分だったとして。
8時30分にバス停に間に合えば、
乗れると思うじゃないですか。
思うよね?
乗れないんですよ!!このバスには!!
8時30分ちょうど!!
8時30分00秒に出発してるから!!
何だったらコンマ何秒か食い気味で
車道に飛び出しよるからね!
正気なのかと。
それだともう理論上は
時刻表の時間にちゃんとバス停にいても
バスに乗れないってことじゃん!
シュレディンガーのバスじゃん!!
……ちがうけど!
シュレディンガーのバスではないけど!
わかるよ。バスとして時間を守りたいんだろう。
でもさ!それで時間通りに来てる客が
バスに乗れないんだったら、
誰がそのバスに乗れるんだよ!
シュレディンガーのバスじゃん!!
……ちがうけど!
シュレディンガーのバスではないけど!
僕の理想、言ってもいい?理想論だよ?
世間知らずで、現実を見れてない
夢想家なのかもしれないよ。
けど言わせてよ。8時30分が定刻なんだったら。
時刻表は分単位で秒まで書いてないんだったら。
せめて、8時30分30秒。定刻の30秒に出発する。
そういう世界であってほしいと思うんだよ……
ねぇどう思う!?
……あれ?
誰もいない……
……また乗り遅れたな。