あなたは気づけていますか? 『パラサイト 半地下の家族』を観て‥
先日、韓国の格差社会をリアルに描いた映画「パラサイト 半地下の家族」を観てきました。凄くいい映画だったので、シェアと感想を書いてみました。
去年から社会問題を他人任せにしない社会を実現するために、社会派のニュースメディアを運営してきました。しかし、社会問題に関心の無い人を巻き込むことが出来ず、閉鎖へ。その後、「社会問題を正確に伝えること」と「自分でも社会を変えることができる実感」を全国の子どもたちに届ける教育事業にシフトしている最中です。
そんな中、出会った社会派の映画。
映画内では、資本主義社会の中で、富裕層と貧困層の間に分断が生まれている様子を秀逸に表現している。
同じ出来事でも、その人の立場によって受け取り方が全く異なる。
例えば、洪水が起こった映画のワンシーン。
貧困層の場合は、地上面よりも低い半地下住宅に生活しているため洪水により住宅内が水浸しに。どうすることも出来ずにただ呆然と時が過ぎるのを待つだけだった。
一方、富裕層の場合は、洪水の影響は全く受けずに、「大雨によってPM2.5が流れてよかったわ。」と何事もなかったのように一言。
このように一つの事柄でも立場が変わるだけで捉え方が異なる。
ただ、決して富裕層の家族が悪いわけではない。一生懸命仕事をし、豊かな生活を大切な家族と共に過ごしている、どこにでもいる家族だ。
しかし、資本主義社会の中で見ると、貧困層の犠牲の上で成り立っている富裕層の生活。
この社会構造に成り立っている社会を当たり前だと思っているため、知らず知らずの間にその問題に加担し、分断が生まれる。
立場によって形がないように見えているから見ようともしない。
また、目の前に見えているのに、気づくことができない。
目を堪えて見ようとしないと、見えることができない。
そんな状態を映画内では”臭い”や”幽霊”に変換している。
これって意識しないと見えないんだよ。誰かに頭をポンと叩かれないと気付かない。問題の本質やその問題と自分の関係性にハッと気付かないと意識できない。
けど、今の社会では、自分の好きな情報しか取りに行かないフィルターバブルや、月曜から金曜日、さらには休日までフルタイムで出勤するぐらい忙しく働いているからそんな余裕も生まれない。なかなか気づきにくい環境になっている。
だからこそ、少なくとも自分の周りの友達、関わりを持っている人には、僕の発信がきっかけで、見えないものに対する意識してもらいたい。
環境問題や貧困問題などの社会問題って遠く感じるけど、自分たちの暮らしそのもの。社会が複雑になったことによって関係性が見えづらいから遠く感じてるだけなのだ。
気候変動の影響を今もなお受けている、オーストラリアの森林火災。
オーストラリアを襲っている猛烈な森林火災では、これまで少なくとも25人が死亡し、1,500万エーカー(約600万ヘクタール)が焼失した。南オーストラリア州カンガルー島では、生息するコアラの半分が犠牲になった可能性がある。(下のリンクから引用)
あなたは、この出来事をどう捉えているだろうか。
「大変なことになっているなぁ」
「野生動物の居場所が無くなって可愛そう」など
映画で出てくる富裕層のようなに他人事にはなっていないだろうか。
自分自身で線引きをしていないだろうか。
気候変動の原因となっている温室効果ガス。
僕らの普段生活をしている中で、気候変動に賛同した選択をしていないだろうか。
・牛肉などの畜産業
牛はメタンを糞やげっぷなどで排出している。メタンの温暖化係数はCO2の28倍。畜産の排出する温室効果ガスは、飛行機、電車、バスなどの運輸関係が排出している温室効果ガスより多いと言われています。
・飛行機などからの温室効果ガス
日本とNYを往復すれば1人当たり1.3トンのCO2を排出します。
これはフィリピン1人当たりの年間CO2排出量である1.1トンを超える量になります。(引用:世界銀行)
・ファストファッション
一人当たりが消費する服に関するCO2排出量は世界で1位。世界基準の約5倍とされている。(引用:Carbon Trust)
僕自身も数年前まで知らなかった内の一人でした。そして、現在もまだまだ知らないことだらけです。
ただ、僕は見えずらい”臭い”や”幽霊”に敏感な人でありたいし、そんな分断された社会システムを変えたいと思う。
そんなことを考えさせられた映画でした。
めちゃくちゃいい映画だったので、ぜひ皆さんも観に行ってみてください!
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TOMOSHIBITO株式会社 藤田一輝
▶︎藤田一輝のTwitterアカウント
(TOMOSHIBITOの事業について、社会や政治のことなどを配信)
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