ニューロダイバーシティ × 先端ITの可能性
■ニューロダイバーシティとは?
みなさんは「ニューロダイバーシティ」という言葉を知っていますか?その前に、発達障害について少し触れてみましょう。
発達障害とは、脳の機能に特性があることで日常生活や社会活動において特定の困難を抱える状態を指します。主な例として、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)が挙げられます。
ニューロダイバーシティは、「neurological(神経学的な)」と「diversity(多様性)」を組み合わせた言葉で、脳の発達や神経伝達の違いによる多様な特性を、機能的な多様性として尊重し合おうという考え方を示しています。
■ニューロダイバーシティの現状
海外の状況
海外ではニューロダイバーシティを活用した解決が進んでいます。 特にASDやADHDの特性を生かす形で雇用を拡大する方向で注目されています。
マイクロソフト(Microsoft)
ニューロダイバーシティ・インクルージョンプログラムを導入しています。ASDを持つ人々がソフトウェアテストやデータ分析、AI開発などで活躍できるよう特別な雇用プロセスを設けています。SAP(ドイツのソフトウェア企業)
2013年に「Autism at Work」プログラムを開始。ASDの人々を積極的に採用し、特にデータ管理やソフトウェアテスト、品質管理などで優れたパフォーマンスを発揮しています。
日本の現状
一方で日本では、この概念がまだ浸透しているとは言い難い状況です。神経発達症に該当する人は増加しており、研究も進んでいるものの、社会全体での理解はまだまだ十分ではありません。
■ニューロダイバーシティX先端ITの可能性
AIツールの活用による支援
AIツールを活用することで、苦手な業務を補い、得意分野に集中できる環境を整えられる可能性があります。例えば、データ整理やスケジュール管理をAIがサポートすることで、働きやすさが向上します。
発達特性と先端IT技術の結び付け
発達特性を先端IT分野で生かすことは、労働市場における価値の高い人材の創造につながります。
ASDの特性とIT分野の結びつけ
数学的思考や論理的シンキングがプログラミングやAI開発で有利に働く。
規範意識の高さが品質管理やデータ分析で活用できる。
集中力の高さでAIモデルの精度向上に貢献する。
ADHDの特性とIT分野の結び付け
クリエイティビティや発想力がAIITデザイン領域に活かせる。
行動力と集中力の高さがスピーディーなコーディングを可能にする。
発達障害者に先端ITスキルを習得させる先進的な動きが始まっています。
■私が目指す未来
現状の課題
現在の社会では、組織の中で与えられた仕事をうまく消化できない人は「能力が低い」と評価される傾向にあります。もちろん本人のモチベーションの低さ等別の要因で能力が低い場合もあるでしょう。しかし発達特性により、努力を重ねても能力を向上させられないケースもありうると思われます。
私の使命
ニューロダイバーシティの推進を通じて、得意・不得意があっても自分らしく働ける社会を作りたいと考えています。そのためには、神経発達症の特性を理解し、適切な環境を整えることが重要です。発達障害グレーゾーンである私だからこそ、両者をつなげる役割を果たし、先端ITにその可能性を見出して、新たな雇用の開発に貢献したいと考えています。
ニューロダイバーシティの理念を広め、より多くの人々が自分らしく輝ける未来を築いていきたいです。