魂でもいいから、そばにいてー3.11後の霊体験を聞くー
新潮文庫、2020、奥野修司 著
この本は、東日本大震災の被災地における霊的体験についてまとめた本であった。
その序章から感嘆の一文があった。
抜き出しではないのだが、つまり、霊的体験は各人の思想や思念、感情や信仰など精神的なものが生み出すものと考えられ、また、その体験は本人にとっては事実なのである、というものだった。
阪神淡路大震災ではあまりなかったが、東日本大震災では、多くの霊的体験談が語られたという。
これは東北の宗教やご先祖への土着信仰の深さがそうさせたのではないかと筆者は考える。
また、それらの体験は恐怖というより安堵、安らぎ、拠り所といった捉えられ方をしている。
霊的体験は本人の記憶と結び付くことで安らぎを与えるものとなりうるようだ。
スピリチュアルな本ではあるが、実体験の見聞をまとめたものなのでリアリティがある。
人間の、他の生物とは異なる、神秘的な力を感じさせられる一冊だ。
ご先祖様への畏敬、生かされていることへの感謝を忘れずに毎日を生きよう。
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