記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【著者公認】中村啓『無限の正義』第一章を完全要約(※ネタバレあり)【PART1】

▼YouTubeでも公開中


◆本当の正義のお話 PART1


◇紹介書籍

こんばんは!Kazukiです!
それでは今週もさっそく投稿の内容に入っていきましょう!
今週紹介していく書籍はコチラになります!

2024年1月30日に河出書房新社さんから発行されました、
中村啓(なかむら・ひらく)先生の『無限の正義』になります!
本作は今年読んだ作品の中でも、私の好みドンピシャでしたね!

◇紹介書籍概要

また今週の紹介書籍の概要につきましては、
いつもと同じように下記の方に詳細は載せておきますので、
もし紹介書籍の概要が気になった方がいましたら、
そちらの方たちはぜひ下記の方をご覧いただければと思います!

タイトル 『無限の正義』
著者 中村啓(なかむら・ひらく)
価格 1,980円税込
発行日 2024年1月30日 初版発行
ブックデザイン 鈴木成一デザイン室
発行者 小野寺優
発行所 株式会社河出書房新社
組版 KAWADE DTP WORKS
印刷 三松堂株式会社
製本 小泉製本株式会社

『無限の正義』奥付および裏表紙から引用

◇紹介書籍選出理由

そして、今週の投稿に、

中村啓先生の『無限の正義』を選んだ理由になりますが、

それがコチラになります!



本作『無限の正義』の発売前評判と発売後評判は、
著者の中村先生には申し訳ないが、あまり奮っていない、、、

しかし!

個人的には、2024年に入ってから読んだ小説の中で、
一番好みど真ん中のエンタメが楽しめた小説だったから!



突然ですが、読者の皆様に質問です。


Q.本作『無限の正義』を、
 ネットやテレビなどのメディアで、
 見かけた方はいらっしゃいますか?


恐らくですが、
この投稿をご覧いただいている読者の方のほとんどが、


「初めて見た…」


というリアクションをされるかと思います。

これ、著者の中村先生に対して、
すっごい失礼なこと言ってますよね。
本当に申し訳ありません。


ですが、実際にですね、、、

本作『無限の正義』は、
読書好きの方がよく愛用されている、
読書記録系ウェブサイトの「読書メーター」でも、

「114」件程度の登録に留まり(2024年4月18日現在)、

また、
言わずと知れた通販ウェブサイトの「Amazon」では、

本作は、たった「3」件だけの「星3.8」評価というね、、、
(2024年4月18日現在)

客観的に見ても、
決して人気を博している小説、とは言えない本作の現状が、
それらのウェブサイト上からは把握できるんできてしまうんですよ。


、、、だがしかし、、、です。


私は本作『無限の正義』メチャクチャ良かったと思いますよ。


どれぐらい良かったかというと、、、

2024年に入ってから読んできた小説の中で、
「一番面白かった」と豪語できるぐらい良かったです。


もう本作を読んでいる最中は、
主人公が自縄自縛で懊悩する様には、
ニヤニヤが止まりませんでしたし、

本作の第一章から第三章を経た後の終章にて、
主人公が自身の娘に放ったあのセリフには、、、


「やゔぁーーーーーーーーーーーーーーいぃ!!!!!!!!」


とね。
興奮で脳汁がドバドバと迸りましたね。
これぞ正しく最高のエンターテインメントでした。


、、、さらにですね、、、今回、、、

著者である中村先生に本作の要約の件を話してみたところ、、、

なんと、、、

著者の中村先生から、
正式に要約を認めていただくという、
ありえないことが起きちゃったんですね!!!!
やべーーーー!!!!

なので、本作の要約は、

「著者公認」

ということになります。責任重大←


そして、その興奮も去ることながら、
そもそもの本作が生み出すその脳汁が迸るほどの興奮を、
ぜひ読者の皆様とも分かち合いたいと思いまして、
今週の投稿には中村啓先生の『無限の正義』を選びました!


◇投稿内容とその目的

そして、今週の投稿の内容につきましては、



中村啓先生の『無限の正義』の第一章を、
全部で三部に分けまして、

本日のパート1で、
その第一部を完全要約していきまして、

また、次回のパート2で、
第二部を完全要約していきまして、

そして、最後のパート3で、
第三部を完全要約していきます。



なので、
今週のこの【本当の正義のお話】シリーズの投稿を、
パート1からパート3まで全部ご覧くださった暁には、、、



発売前評判・発売後評判は失礼ながらあまり芳しくないが、
それでも、わたくし、Kazukiが2024年読んだ小説の中で、
個人的に超激推しする至高の警察エンタメミステリの序章を堪能できる!



という、そんなシリーズの投稿になっていれば幸いだと思っております!


なお、これはあらかじめお伝えしておきますが、、、


このシリーズの投稿は、
本作『無限の正義』の第一章の要約を、
目的としていることから、

ネタバレをある程度含んでおります。

なので、
もし、ネタバレダメ絶対!という方は、
ソッとこの投稿を閉じていただきまして、

一方で、
本作らを私のKazuki調で楽しみたい!という方は、
引き続きこの投稿をご覧いただければと思います!

それでは一緒に、
わたくし、Kazukiが2024年に読んだ小説の中で最も推せる、
至高の警察エンタメミステリを味わうことのできる読書の旅へ、
出かけていきましょう!


◇『無限の正義』第一章【其の一】

それでは、
ようやく今回の投稿の内容に入っていきますが、
本作『無限の正義』の第一章のその冒頭は、、、


夜の11時に四人組の男性警官が、
その内の一人の家のリビングで缶ビールをもってして、
一日の労をねぎらうところから始まります。


その家の家主であり、
四月末に昇任試験を控えている、
池袋署の刑事課強行犯係の警部補、


45歳の薬師丸遼一(やくしまる・りょういち)は、


スーツのネクタイの結び目を緩めながら、
自邸に招いた三人の警官と共に談笑していました。

その内のまず一人目は、
ギョロ目が特徴的な57歳のバツイチ独身者で、
遼一の同僚である谷川栄吉(たにがわ・えいきち)巡査部長

次に二人目が、
ソフトリーゼントが特徴的な38歳の元ヤンだがイケメンな2児の父、
同じく同僚の相馬誠一郎(そうま・せいいちろう)巡査部長

そして、
柔道高段者にありがちな左耳のカリフラワー状が特徴的な30歳、
また、現在の遼一のバディである本庁捜査一課の、
小田切護(おだぎり・まもる)巡査部長。

彼らに遼一は談笑のお供の夜食として、
ペペロンチーノと冷やしトマトを振る舞っていました。


、、、で、ここまでご覧いただいた皆様は、


なぜ警察官が自宅に同僚を呼んで酒盛りをしているのか?


と、疑問に思われるかもしれません。


というのも、、、

本作の冒頭からすでに、
遼一らが所属する池袋署管内では、
反社会的勢力の構成員(ヤクザや半グレ)ばかりを狙った、

連続殺人事件が発生しておりまして、

通常、
そのような重大な事件が発生して特別捜査本部(帳場)が立つと、
忙しさのあまり所轄の道場で寝泊まりせざるを得ないんです。


そして、ここ三週間は、
遼一らもそのように過ごしていたのですが、

遼一は自宅が池袋署の近くだったことが幸いして、

この日だけは特別に、
同僚たちを自宅に招いて、

ビールを飲んで、風呂に入って、
自分のベッドで寝ようと羽休めをしようと考えていたんです。


一方の遼一の自宅に招かれた同僚たちは、
彼が振る舞う手料理に舌鼓を打つのと同時に、

大変立派な外観・内観を持つ彼の邸宅に羨望の眼差しを向けます。


というのも、
遼一の自宅は池袋署の近郊にありながらも、

一戸建ての注文住宅で、
一階のLDKの広さは二十畳で、
しかも、その天井は二階まで吹き抜け、

という、
警察官とは言えども一介の公務員である遼一には、
なんとも釣り合っていない邸宅だったからなんですね。


もちろん、
この邸宅は遼一ひとりの財力で建てたのでは決してなくて、

大手総合商社に努めている、
妻の薬師丸恵理子(やくしまる・えりこ)の助力、

というよりも、むしろ、、、

自宅の隣に住む恵理子の父親、
義父の貴久(たかひさ)の財力によるところが、
ほとんどを占めており、

そのため、遼一は、
「公務員」という安定した肩書のお蔭で、
将来への不安はあまり無い一方で、
家の中では非常に肩身の狭い思いをしていたのです。


けれど、そんな遼一の想いを同僚たちが知る由はなく、
また、酒の席ということもあり、気が抜けたのか、
相棒の小田切が中心となって次々と遼一のプライベートを探っていきます。

そして、妻の恵理子とは大学時代からの付き合いだ、とか、
娘の薬師丸佳奈(やくしまる・かな)は今秋、
イギリスのロンドンにバレエ留学をする、など、

まるで、絵に描いたようなセレブ家庭の薬師丸家に小田切は驚嘆します。


ただし、息子の薬師丸将太(やくしまる・しょうた)が、
現在ほぼ「引きこもり」状態なのには遼一は最後まで口を開きませんでした。


◇其の二


そして、翌日、、、

遼一は、上司である、
刑事課長の竹野内義則(たけのうち・よしのり)警視の電話によって、
午前五時半という時刻にもかかわらず叩き起こされます。

しかも、その内容は次のとおり。


「朝早くに悪いが、また殺しだ。聖掃者だ」

『無限の正義』p15


この「聖掃者」というのは、
先ほども述べました連続殺人事件の犯人を、
マスコミが街を綺麗にするゴミの「清掃車」にかけて、

「反社を取り除き、街を綺麗にする」

という意味を込めて名付けられた造語でして、

その竹野内課長の電話を受けた遼一らは、
すぐさま現場へと向かいます。


すると、閑静な住宅街であったはずの現場には、
すでに警察車両が複数台と救急車が駐まっておりまして、

そこにたむろする捜査員らが取り囲む一角に、

額にバツ印の切創を持った、
一目見て死体だとわかる男性が仰向けに倒れていました。


現場には遼一の残りの同僚である、
七三分けの髪型が特徴的な32歳、
吉野聡(よしの・さとる)巡査と、

ボブヘアの似合う童顔が特徴的な28歳、
深田有美(ふかだ・ゆみ)巡査
も、
すでに現場に到着しておりまして、

また、彼らと共に、
自身もまるで暴力団員かと思われる風貌を有している47歳、
組織犯罪対策課(通称、組対)の浜田雄馬(はまだ・ゆうま)警部補と、

その相棒の、
センター分けの髪型と色白で中性的な顔立ちが特徴的な30代前半、
本庁捜査一課の藤井俊介(ふじい・しゅんすけ)巡査部長も、
その場に居合わせており、

浜田らがいうには、、、


「この殺された男性も暴力団関係者」


ということでした。


これで殺されたのはなんと四人目…。

2/21 伊藤裕也(いとう・ゆうや)(56) 須藤組
3/2 戸田慎介(とだ・しんすけ)(57) 宮本組 元組員
3/10 小倉漣(おぐら・れん)(28) ブラックチェリー
3/14 岸谷彰吾(きしたに・しょうご)(53) 天宮興業

『無限の正義』p24


しかも、、、

被害者全員が全員、防犯カメラ外で殺され、目撃者もなし。

完全に八方塞がりである現状に、
池袋警察署と警視庁捜査一課は渋面にならざるを得ません。


そうして同日、
午前八時半から始まった捜査会議で遼一は、
被害者のひとりの小倉漣が所属していた、
「ブラックチェリー」という半グレ集団が、

「聖掃者」にメンバーを殺された報復措置として、、、

なんと「聖掃者」に一千万円の懸賞金を掛けている事実を知らせると、

案の定、講堂内からは驚きの声が上がります。


その結果、上司の竹野内課長から、
引き続き「ブラックチェリー」の調査を続けるよう命を受けますが、
あの事実を聞き出せたのはたまたま運が良かったため、

遼一と小田切はこれからなにをすべきか途方に暮れてしまいます。

そりゃあ、
現場に犯人が残した遺留品も、
防犯カメラに映った映像も何も無いわけですからね。
まさしく、完全に八方塞がりです。


けれど、そこで遼一はふと思いつきまして、、、

知り合いの週刊誌記者の茂木博(もぎ・ひろし)に、
「ブラックチェリー」について何か把握していることがないかを、
電話で尋ねてみると、、、

なんとそこから芋づる式に、
ブラックチェリーの闇金事務所の場所を、
突き止めることができちゃったんですね。

週刊誌、今色々言われていますが、意外とバカになんないですね。


そうして、遼一と小田切は、
その事務所があるはずの東池袋のマンションの一室へ向かうと、

そこには確かに闇金事務所が存在し、

なおかつ、そこには、
毬栗頭の20代の青年(名前は黒川)の他に、
被害者の小倉漣と知り合いだという金髪の男、

自称・ブラックチェリーの幹部、
島田祐樹(しまだ・ゆうき)とあいまみえることに成功します。


この時、警察としては、
ヤクザや半グレ集団ばかりが犠牲者になっていることから、
彼らの営みのひとつである「闇金」絡みが、
今回の事件におけるひとつのキーなのではないかと、
少ない情報の中から考えておりまして、

そのため、遼一は島田に、
この事務所の貸金業が出資法の制限を超えていることを盾に、
闇金の顧客リストを提出するように要求すると、

島田は憤然とした態度で、
ノートパソコンに挿さっていたUSBメモリーを、
遼一に手渡します。


そして、その日の夜の八時から始まった捜査会議で、
遼一はブラックチェリーの闇金の顧客リストを手に入れたことを報告すると、
朝の捜査会議の驚きとは別の活気が講堂内を包み、

遼一は事件の核心に迫っている確かな手応えと共に、
自身の出世への道が着々と築かれていることに密かな興奮を覚えます。


◇其の三


そして、物語の中心人物は、
警察官の遼一から、
その娘の佳奈へと変わりまして、

その佳奈はなにをしているのかというと、、、

なんと、
望月梨花(もちづき・りか)という大学生の友人と一緒に、
道玄坂の中腹にあるクラブ〈ムゲン〉へと夜遊びに出かけていたんですね。


佳奈としては、
連日のバレエレッスンの息抜き程度に、
梨花と一緒にこのクラブに遊びにきており、

特に出会いを求めてどうこう、
ということではありませんでした。

まだ弱冠18歳の女の子ですからね。
普通は遊びたい盛りだと思いますよ。


しかし、一方の梨花は完全に出会い目的でして、
二人はいつものように渋谷のスターバックスで落ち合い、
クラブに向かい入店するなり、カウンターに直行すると、

男を物色する梨花と男に物色される佳奈という、
なんとも奇妙な二人組が出来上がります。


その後、梨花は、トイレでMDMAを服用すると、
ハイになった状態でダンスフロアへと姿を消しますが、

一方の佳奈は、カウンターで、
ひとりちびちびとジンジャーエールを飲んで、

刹那的な快楽に興ずる大人の世界を眺めていました。


すると、そんな佳奈に、
金髪頭でスーツ姿の「ユウキ」と名乗る男が近づいてきまして、
自分のことを執拗に口説いてきたかと思えば、

そのユウキに奢られた二杯目のジンジャーエールに口をつけたが最後、

次第に意識は朦朧としていき、次に目が覚めた時には、、、


ユウキという男の部屋に連れ込まれてしまっていました。


目を覚ました佳奈は、朦朧とする意識の中、
自分が先ほど口にしたジンジャーエールに、
クスリを盛られたのだと気が付きましたが、

体に思うように力が入りません。


そして、佳奈は部屋に入ってきたユウキの姿を見るなり、

「助けて!」

『無限の正義』p57

と、大きな声で叫びますが、
ユウキはすぐさま佳奈の口元を抑えて、

「黙れ! 黙らないと殺すぞ!」

『無限の正義』p57

と、佳奈を脅します。


しかし、それでも諦めなかった佳奈は、
仰向けの状態にも関わらず必死に頭上に手を伸ばすと、

佳奈の指先には、、、

床に置いてあった鉄アレイが届くんです。


佳奈は、それを両手で掴むと、
渾身の力でユウキの頭上に振り下ろします。

すると、ユウキは、
「痛てっ」と低い呻き声をあげて、
頭を押さえて倒れ込んだが最後、

そのまま動かなくなってしまいました。

〈パート2へ続く〉

◇紹介書籍リンク

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集