ビジョンプロトタイピング 〜新規事業開発の壁を突破する手法〜
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。
「事業作家」として、未来の物語を書く中で得た気付きをnoteにまとめています。毎回、コンパクトな分量・内容を心掛けているので、ご興味ある方はさかのぼって読んでいただけると嬉しいです。
今回は、これまで書いてきた内容のやや号外編的な位置づけで、まさに本日quantumがリリースしたばかりの「vision prototyping(ビジョンプロトタイピング)」という新たな新規事業開発手法について、詳細内容、開発背景、開発体制などを紹介したいと思います。
vision prototypingとは
vision prototypingとは、「未来の物語を可視化することで、新規事業開発の壁を突破する手法」です。広告会社をバックグラウンドに持ち、事業開発の実績を積み重ねてきたquantumが、広告プランニングで培った映像制作技術と、事業プランニングで培った要件定義技術を融合させ、ショートムービーやCMをつくるように、「未来の物語」を目に見えるかたちにしていきます。
物語、そして、物語を可視化した静止画や動画には、大きく人の心を動かす力があります。
quantumは、これまでにも数多くの新規事業開発プロジェクトに取り組んできましたが、その際、プロジェクトのオーナーが、多くの関係者をプロジェクトに巻き込んでいくためには、ロジックだけでなく、エモーションを大切にして、また、抽象概念だけでなく具体イメージを使って、自身が実現したい「未来の物語」を共有し、共感を得ることが大事だとしばしば感じてきました。
それゆえに、今回リリースしたvision prototypingは、新規事業開発を推進する強力な武器になることを確信しています。
最近では、グローバル企業のイノベーションアイデア公募にquantumが制作したvision prototypingを用いてエントリーしたチームが、グループ内で1位の投票を獲得した事例や、新規事業開発チームがvision prototypingを使ってトップマネジメントに大型開発案件の承認を得た事例も生まれています。
※vision prototypingは、商標登録出願中です。
開発の背景
quantumは数多くのパートナー企業と共同で新規事業開発に取り組む中で、プロジェクトオーナーが「トップマネジメントの承認や支援を得られない」「チームをうまくまとめられない」「社外のステークホルダーの共感や協力を得られない」など、複数の新規事業開発の“壁”に直面するのを目の当たりにしてきました。
新規事業を立ち上げ、成長させていくためには、プロジェクトのオーナーがたくさんの関係者を巻き込んでいかなければなりません。人を説得するためには、ロジックや数字的根拠が武器になりますが、どうもそれだけでは立ち行かないことがわたしたちの身近でも頻発していました。
そこで、quantumとして目の前に立ちはだかる「新規事業の壁」を突破していく方法はないかと考えるなかで、先に書いたようなこれまで培ってきた強みを活かして、プロジェクトオーナーの頭の中にあるビジョンを未来の物語として書き出し、可視化するvisino prototypingという方法を生み出しました。
組織体制
quantumは、これまでも広告会社で培った映像制作技法をパートナー企業の新規事業開発をサポートするために用いてきましたが、蓄積したノウハウをもとに独自メソッドを磨き、2021年4月より「vision prototyping」としてアップグレード、さらにこの手法を提供するため専門組織を立ち上げました。
広告制作経験、事業開発経験をもとに、両輪の技術を備えた事業作家チームが未来の物語を描き、それを事業として具現化していきます。
ロゴに込めた思い
写真を撮る際、ファインダーを覗いて、被写体を配置する位置や配色、ボケ具合などを決めることを「フレーミング」といいます。カメラの代わりに、両手でフレーム(枠)をつくって撮影したいイメージをつくるように、画角の中に未来の物語を可視化することを表現しました。
次回は、これまでの連載の続きとして、今回ご紹介したvision prototypingにつなげていくための事業アイデアのを生み出し方について書きたいと思います。
リリース↓
前回の記事↓
イラスト:小関友未 編集:木村俊介
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