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【食べすぎ注意】チョコレート中毒について

「今日も大変だったな」

仕事で疲れ、ストレスを抱えているとき。
ふと、コンビニに入ると甘いチョコレートが食べたくなって買ってしまった経験、みなさんにはありませんか?

実は、チョコレートを食べたくなってしまうのには理由があるのです。

今回は、そんなチョコレートの食べたくなってしまう理由、甘い誘惑への対処方法について解説します。(1)


チョコレートの甘い誘惑

「〇〇が食べたい。」

特定のモノを食べたくて仕方がなくなること、ありますよね?

ある研究では、25人の健康な女性が報告した食べ物への欲求のうち、なんとチョコレートが 49% を占めていたというのです。(2)

世の中には五万と食べ物があふれているなかで、49% です。男性のみなさんは、いまいちピンとこないのではないでしょうか?

それもそのはず。

実は、チョコレートへの欲求には性差があるのです。しかも、月経時はとくに欲求が強くなります。

なぜ性差があって、月経時に強くなるのか。

理由はわかっておりません。

考察になりますが、月経時の気分変動が関係しているかもしれません。


ネガティブな気分でチョコレートが食べたくなる?

実は、チョコレートへの欲求はネガティブな気分とも関係しているようです。

チョコレートとメンタルの関係性について調査した面白い研究があります。(3)

チョコレートが好きな120名の女子大生を集めて、2種類の音楽を聴いてもらいました。

片方には、気分が高揚するような音楽を聴いてもらいます。例えば、今だとBTS さんやAdo さんのようなアップテンポな曲でしょうか?

もう片方には、気分が落ち込む音楽を聴いてもらいます。失恋ソングとかですかね。

それぞれの音楽を聴く前後の気分とチョコレートへの欲求をアンケート調査しました。

その後、チョコレートもしくはキャロブ(マメを粉末にして固めたチョコレートと味が似ている食品)を獲得するチャンスとして、コンピュータタスクにチャレンジしてもらいました。

タスクはちょっと面倒だけど、時間をかければ誰でもできる内容です。

最後にもう一度、アンケートに答えてもらって終了になります。

その結果、わかったことがあります。

気分が落ち込む音楽を聴いて、落ち込んだ参加者ほどチョコレートへの欲求が高かったのです。

さらに、お菓子ならなんでも良いわけでもありません
。賞品がキャロブより、チョコレートである時の方が、コンピュータタスクを熱心に取り組んでいました。

つまり、疲れているとき、ストレスフルな時にチョコレートを食べてしまうのは、科学的にも仕方ないことなのです。

しかも、なぜチョコレートを欲するのかは、まだ解明されていません。


チョコレートのなにが私たちを惹きつけるのか

チョコレートのなにが私たちを惹きつけるのでしょう。

カカオに中毒性のある物質が含まれているのでしょうか?

そうではない、という研究結果があります。(4)

この研究では、チョコレートバー、ココア、ホワイトチョコレートなどを食べることで、チョコレートへの欲求がどれくらい減少するのかを調査しました。

結果、ミルクチョコレートが最も欲求を減少させ、次いでホワイトチョコレート、ココアと続いてます。

カカオを最も含むココアや砂糖が最も多いホワイトチョコレートが1位ではないのがポイントです。

つまり、私たちがミルクチョコレートを欲するのは、特有の味と口当たりを欲しているからなのです。


チョコレートの甘い罠から抜け出すために


チョコレートの甘い罠から抜け出すためには、その正体を知ることが大切です。

チョコレートは、タバコやアルコール、ドラッグのように中毒性の物質が入っているわけではないのです。

つまり、私たちがチョコレートを欲するのは、チョコレートを食べるという感覚的な体験に喜びを感じているからです。

チョコレートを食べて疲れがとれたり、ストレスが減るわけではないのです。

まずは、それを知ることが重要です。

次のステップは、いままで食べていたミルクチョコレートを代替えすることです。

代替えとして品として、オススメなのがダークチョコレートココアです。

チョコレートをやめてチョコレートを食べるの?

とお思いの方もいると思いますが、ミルクチョコレートもダークチョコレートやココアでは、意味合いが全く変わってきます。

その理由は、ダークチョコレートやココアに含まれるポリフェノールの量です。

ダークチョコレートは、ミルクチョコレートの3倍のポリフェノールが含まれます。ココアにいたっては、ミルクチョコレートの12倍のポリフェノールが含まれています。

実際に、健康的な30人にココアを飲んでもらい、精神的な疲労の変化を調査した研究があります。(5)

その結果、ポリフェノールが豊富に含まれるココアを飲むことで参加者の精神的な疲労が軽減したのです。

つまり、疲れを感じた時、ストレスフルな時は、ミルクチョコレートではなく、ココアを飲むことで疲労が軽減するということです。

さらに、ココアは、認知パフォーマンスも向上させることがわかっています。

認知パフォーマンスは、ストレスや疲れで低下してしまうため、ココアが認知パフォーマンスを向上させる理由も納得できます。

感覚的な喜びでミルクチョコレートを選ぶのではなく、実際に精神的な疲れ•ストレスを軽減するダークチョコレートやココアを食べるようにしましょう。


今回の続きの記事はこちら

疲れているとき、ストレスフルのときに食べると幸せになるチョコレート。

でも、カロリーが多いので食べすぎると太ってしまいます。

しかし、チョコレートは適切な量であれば、むしろ健康に良いのです。

実際に16世紀から20世紀では、カカオを治療に使っていた記録も数多く残っています。

そんなチョコレートの5つの健康効果について、解説しているのがこちらの記事です。

プラセボ効果といって、効果を知らないで食べるのと、効果を知って食べるのとでは、効果を知っている方がはるかに効果が高いことがわかっています。

大好きなチョコレートの健康効果を知ることで、「美味しさ」と「健康」の一石二鳥を目指してみてはいかがでしょうか?

詳しくは、こちらの記事をクリックしてみてください。

それでは、また次回の記事もよろしくお願いします!


参考文献

(1) Katz DL, Doughty K, Ali A. Cocoa and chocolate in human health and disease. Antioxid Redox Signal. 2011 Nov 15;15(10):2779-811. doi: 10.1089/ars.2010.3697. Epub 2011 Jun 13. PMID: 21470061; PMCID: PMC4696435.

(2) Hill AJ, Heaton-Brown L. The experience of food craving: a prospective investigation in healthy women. J Psychosom Res. 1994 Nov;38(8):801-14. doi: 10.1016/0022-3999(94)90068-x. PMID: 7722960.

(3) Willner P, Benton D, Brown E, Cheeta S, Davies G, Morgan J, Morgan M. "Depression" increases "craving" for sweet rewards in animal and human models of depression and craving. Psychopharmacology (Berl). 1998 Apr;136(3):272-83. doi: 10.1007/s002130050566. PMID: 9566813.

(4) Michener W, Rozin P. Pharmacological versus sensory factors in the satiation of chocolate craving. Physiol Behav. 1994 Sep;56(3):419-22. doi: 10.1016/0031-9384(94)90283-6. PMID: 7972390.

(5) Scholey AB, French SJ, Morris PJ, Kennedy DO, Milne AL, Haskell CF. Consumption of cocoa flavanols results in acute improvements in mood and cognitive performance during sustained mental effort. J Psychopharmacol. 2010 Oct;24(10):1505-14. doi: 10.1177/0269881109106923. Epub 2009 Nov 26. PMID: 19942640.


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