【高血圧】血圧を最も下げる運動は〇〇
今回は、どんな運動をすれば血圧が下がるのかについて解説します。
具体的には、どんな生活習慣を送れば良いのか。
病院や薬局で質問するのは、なかなか難しいという方も多いはずです。
生活習慣のなかでも「食」については、この note では数多く取り扱ってきました。
私のマガジン「薬剤師かずかわの高血圧note」には、血圧を下げる方法について紹介した記事がまとめられています。
とくにオススメな方法が「カリウム」を摂取することです。
血圧を下げるための食事は、薄味ばかりで美味しくないという方に味付けそののままに血圧が下げる方法がこちらです。
血圧を下げなければならないけど、なかなか踏み出すことができないという方は、まずはこちらの方法から始めてみてください。
そんな方に向けて、どんな運動が血圧を下げるのにベストなのかを解説します。
血圧を下げるアイソメトリック運動
血圧を下げる、ベストな運動は「アイソメトリック運動」です。
例えば、壁に手を伸ばして全力で押してみてください。試しに20秒間やってみましょう!
いかがでしたか?
結構しんどいですよね。
今やってもらった運動がアイソメトリック運動です。腕の関節は固定され、動かすことがありません。
アイソメトリック運動のメリットは、自分の力以上に負荷がかからないことです。
関節の動きがあるアイソトニック運動では、重いものを持ったりすることから、自分の力以上の負荷がかかります。
そのため、運動をしていない方や高齢者がこの運動をすることで、ケガをしてしまう恐れがあるのです。
関節を動かさないアイソメトリック運動であれば、運動をしていない方、高齢者でも安全に運動をすることができます。
器具や場所を選ばないので、自宅で時間のある時に実施できる点も嬉しいポイントになります。
アイソメトリック運動の効果
アイソメトリック運動が血圧を下げるベストな運動であることは、2013年にベルギーのルーヴェン大学が行った研究で明らかになりました。(1)
この研究では、さまざまな運動が血圧に及ぼす影響を調査しています。
ジョギングに代表される持久力運動、筋トレに代表されるアイソトニック運動(等張性運動)、さまざまな動きを組み合わせる複合運動。例えば、バランスボールなどです。そして、関節を動かさないアイソメトリック運動を含む、全部で4つの運動です。
合計 5,223人もの参加者を調査したところ、面白い結果がわかりました。
①持久力運動
まずは、マラソンなどの持久力運動。この運動を4週間以上取り組んでもらった結果、上の血圧を 3.5 ポイント、下の血圧を 2.5 ポイント低下させました。
ダイエットをしよう、と思ってまず取り組むのが持久力運動。血圧を下げる効果もなかなかです。ここを基準に他の運動をみていきましょう。
②アイソトニック運動
次に、筋トレなどのアイソトニック運動。4週間以上取り組んでもらった結果、上の血圧を 1.8 ポイント、下の血圧を 3.2 ポイント低下させました。
上の血圧よりも下の血圧を下げるのに優れた運動です。持久力運動と比較すると、全体的な血圧低下効果は少なめ!
③複合運動
次は、バランスボールなどの複合運動。単純な動作を繰り返さないことが特徴です。4週間以上取り組んでもらった結果、上の血圧を下げることはありませんでした。下の血圧は、2.2 ポイント低下させました。
血圧を下げることを目的とするのであれば、複合運動は適さないといえます。
④アイソメトリック運動
最後は、関節を動かさないアイソメトリック運動。4週間以上取り組んでもらったところ、他の運動と比べて衝撃的な結果がわかりました。上の血圧を 10.9 ポイント、下の血圧を 6.2 ポイント低下させたのです。
他の運動と比べても効果は歴然!血圧を下げたいのであれば、アイソメトリック運動をやりましょう。
アイソメトリック運動の種類
日頃運動していない方にオススメ
「All About 20th」で紹介されているアイソメトリック運動がオススメです。
こちらの記事では、動画付きでアイソメトリック運動のやり方を解説しています。
アイソメトリック運動を始めよう、という方への入門編に最適です。
ガッツリ鍛えたい方にオススメ
運動する習慣があって、身体を動かすことに慣れている方にはこちらがオススメです。
アイソメトリック運動をやりながら、筋肉もつけることを目的としています。
血圧を下げながら、引き締まった身体を手に入れたい方に最適です。
まとめ
血圧が下がる運動についてでした。
参考文献
(1) Cornelissen VA, Smart NA. Exercise training for blood pressure: a systematic review and meta-analysis. J Am Heart Assoc. 2013 Feb 1;2(1):e004473. doi: 10.1161/JAHA.112.004473. PMID: 23525435; PMCID: PMC3603230.