048_20240307_ソフトメタルヴァンパイア
基本情報
遠藤浩輝(ひろき)先生執筆の、青年SFマンガ
講談社「月間アフタヌーン」で2016年10月号から、2019年2月号まで連載
全29話、全6巻で完結済み
大まかな紹介
「人類の時代」は終わり、世界の支配者は交代した。
「彼ら」の統制下で少女・斎美井香(いつきみいか)は
吸血族(ヴァンピール)の少年・アラン砂辺(すなべ)と出会う。
『オールラウンダー廻』『EDEN』の遠藤浩輝がおくる
「ネオ・セカイ系ダーク・ファンタジー」開幕!
導入
主人公の少女によるモノローグ
私はそのアクセサリー達を ずっと母の形見だと思って遊んでいた
でも父から「それらが母のものではない」と知らされた時、落胆からかそれらを捻じ曲げてしまっていた
父からは「その力を家の外では誰にも見せるな」と厳しく言われた
そして私は10歳になる頃にその力は消えてった
時を同じくして、世界中の法律が変わり、銀の採掘・加工・流通販売の全てが禁じられ、そして国家が所有していたプルトニウム・ガリウム合金の全てがこつ然と消え去り
次の日、それは形を変えてジルコニウムとガラスと共に、空の上を回っていた
主人公の少女、齋美井香(いつきみいか)は、寝室で空中に浮かんだポットからの「16歳の誕生日おめでとうございます」という言葉で目を覚ます
「本日から納血の義務が…」とポッドから血を取られる
朝、食卓
父から「採血は?」と聞かれ「別に痛くなかったよ?」と答え、学校へ行く
電話をかけ「娘を頼む」と伝える
父の電話のかけ先はどこかの会議室
さてこれが”フォーハンズ”の初陣になるわね…
主人公ミイカはパンをくわえて「遅刻遅刻ー」
裏道で制服の男子とぶつかる
「やあ、とっても豊かな腰つきだね 僕の子供を沢山産んでくれるかい?」
蹴飛ばしたのち回し蹴り
学校、自分のクラス
転校した直後のようだが「おはよー」の挨拶に全無視
ひとり「トキちゃん」という女生徒だけは話しかけてくれる
先生が入ってきて転校生を紹介する
もちろん、さっきぶつかった少年
「アラン・ジュニオール・砂辺です、よろしく」
つかつか歩いてきて、ミイカに「結婚しよう」
しかし、フル勃起だったので、掌底アッパーで倒す
その時、窓の外に朝の採血してたポッドが
マシンガンで教室の生徒を虐殺する、アランは真っ先に頭吹き飛ばされる
いよいよ、ミイカが打たれそうになった時、アランが立ち上がり、手をかざす
机の天板がやり型に変形し、ポッドを攻撃する
アランは触手を伸ばし、生徒たちの亡骸から血液を採取する
「実物の吸血族(ヴァンピール)を見るのは、はじめてかい?」
アランは床や残置物から盾をつくり主人公をかばいつつ、ポッドを倒しつつ、ミイカに語りかける
「宗主(シザレイン)」の目的はミイカ、キミなんだ
僕といっしょに屋上まで走って
屋上はでは「シャオ姉」と呼ばれる女性が戦闘ヘリと待っていた
両手をかざすと、光の玉が手のひらに発生し、ポッドを攻撃・破壊する「彼女は”窒素使い”なんだ」
「ウチはメイリン・ラウ、ウチもそいつもG.D.F(Global Dhampir Foundation)のメンバーや、あんたを保護しに来たんやで」
プロフィールが出るのだが
大題目が「DHAMPIR(ダンピール)」
「EMPLOYMENT ELEMENTS」という見出で、下に元素票が付いてくる
メイリンは「父上からの依頼だ」という
父親からのビデオメッセージ
採血開始後、血液検査で何も出ない可能性に賭けて決断出来なかったが、甘くなかった
G.D.Fはお前の味方だ、彼らを信じて欲しい
その時、でかい金属製の杭が戦闘ヘリを貫く
空に異様な怪物が浮いてる
顔は骸骨風、コウモリの羽っぽいのがついてて、メカメカしい
”改造公ペドル”とメイリンが言う
大題目が「ヴァンピール」
クロム使いで、元素表は「クロム、モリブデン、タングステン」
ペドルは「その娘を渡してもらおうかメイリン」
メイリンは「評議会はなんと言っとるんや?このやり方、独断専行か」
ペドルは「その娘は危険だ、渡す気がないならこの場で殺す」
ペドルは大量の金属杭を投射する
メイリンは床から壁を生やすが、アラン、メイリンともに体を串刺しにされる
アランは床を加工して杭を方向転換、爆破して飛ばす
「屋上の床は防水加工で、炭化水素がいっぱいで助かるよ」
「貴様、炭素族使いか!?」
「タングステンを炭素と合成すると、タングステンカーバイドになるって知ってた?」
アランのプロフィール
大題目が「ダンピール」、炭素族使い
元素表が炭素、ケイ素、カリウム、スズ、鉛
アランは杭を打ち返し、ペドルは爆破される
吸血族(ヴァンピール)は、頭や身体が吹き飛んでも「死なない」
細胞は再びくっつき10年かかろうが元に戻る
僕らも奴らも「死ねない」んだ
メイリンが止めをさす
ペドル、20年くらい瀑散しとけ
メイリンが本部に通信するも「制空権を握られたすぐ無人機が襲ってくるぞ」
メイリンは牛乳パックっぽい容器で血をのんでる
アランは羨ましがり、ミイカに「チョット吸っていい?」
アランはミイカを抱えて、壁を下る
「吸血族(ヴァンピール)は壁を走れる」
校庭におりたつも、警察と書いた武装した兵士に取り囲まれる
「捕まったら人体実験の末殺されるよ でも安心して、キミは僕が守る」
「守った後でセックス!!」「安心できるか!」
ここまで1話
感想
二年やってますが、今回はじめて「打ち切り作品」を紹介することになります
微妙はモノは紹介してると思いますが、「わかりやすく打ち切られた」のは「評価を受けて連載終了した」と考えているので
それでも、今回は「素材やテーマは気に入った」「続きが観たかった!」と思う作品だったので、紹介することにしました
「完結作品を好んで読むが、打ち切り作品は除外」な、自分みたいな人に向けて「やってみた」を伝えようかと
そういう意味では、いつも以上にネタバレが激しいのでご容赦を
原始的ながら今まで(自分が)観たことなかった「元素」がテーマの能力バトルは、骨太だし凄いと思った
書く方からしたら、ごまかし効かないし、カロリー高くて大変だと思う
そして、読む方も頭つかうので、これまたカロリー高いのだけど
実世界にある物理現象をテーマにしているから、漫画としてのケレン味出しにくいだろう
と思うので自分は気に入った
まぁ「実際にはそんな化学反応しない」があっても、自分はわからないとは思うけどw
キーワードの初出時に「言葉の表層の意味以外説明してくれない」ので、しばらく「なんやろ?」と思って観る感じになる
例えば「ヴァンピール」と「ダンピール」とか
似てるから余計にしれっと出てきてると「ん?ん?」ってなる
自分はまったくからっきしなので「雰囲気だけ」で楽しんでたけれど
物理が得意な人には、納得行って楽しめるんかなーと
「なーるほど!それかぁ」みたいな知ってる知識につながる興奮
「吸血鬼伝説」と「物理(元素)」を、うまーいこと融合して話にしている
「銀の弾丸」が吸血鬼の弱点で、それで打たれると復活機能を失うとか
復活力が人間より高く、欠損やダメージを恐れをもたない異能が、死に対してだけは異常な怯えを見せたりとか
そのため、元素使いの中でも「銀使い」が希少で、かつ唯一の対向手段として恐れられている、とか
「にんにく」の成分が何故か「吸血鬼の回復力を上げる薬」に使われてたり
打ち切り打ち切りって言うてますが…
ググった感じでは、実際に打ち切りかどうかは明らかにされていない
でも、章立てはしっかりしてて、かなり構想はあったんではないかなと
例えば、逃亡編、日常学園編、復習編…のように場面が変わってガラリと作風変わる感じにしてた
そんな区切り区切りで展開を吟味してただけに、最後がどーみても「先の構想あったのにぶった切った」ように思える
これから「自分の意思で仲間を集める」んじゃないか?って「先を感じさせる」描写を感じさせたのに…
ヒュッって足元を崩された感じで終わる
AmazonKindleでは「なぜか全6巻真ん中の3,4巻が売ってない」という不思議
物理本は全6巻だが、Amazonサイト上じゃ「全4巻」になってる
だから、AmazonKindle的にも「発行されてない」扱いなのだと思う
順調に電子書籍仕入れて読んでたのに…急に「中古市場で物理本を漁る」羽目に
とはいえ、オンライン中古サイトで安く仕入れただけだけど
それだけに「真ん中の2巻だけ物理で持ってる」という、思い出深い読マンガ記憶になった
総評
能力バトルでも「理屈が自然摂理で納得できる」「地に足着いた」作品を見たい人におすすめ
「打ち切り作品は読まない」と思ってる(自分みたいな)人には、一度読んでみてほしい
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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