
063_20241107_ちおちゃんの通学路
基本情報
川崎直孝(かわさきただたか)さんの、コメディマンガ
キャッチコピーでは「エクストリーム登校コメディ」
KADOKAWAの「月間コミックフラッパー」で2014年5月号から、2018年10月号まで連載
全46話、全09巻で完結済み
メディア展開
2018年7〜9月、TOKYO MX系でアニメ化、全12話
大まかな紹介
「普通に学校へ到着する」のはもはや奇跡!
道路工事に暴走族、突然の尿意まで、大小さまざまなトラブルが“
中の下”な女子高生・三谷裳ちおに襲いかかる! 波瀾万丈のエクストリーム登校コメディ開幕!
サイト「カドコミ」の紹介文より。
導入
「わあああ、やばいよぉっ 遅刻遅刻っ」
みつあみメガネの女子高生が、女の子走りで、民家を走っている
現在地と学校の位置を計算している
「わたしの計算なら、ギリギリ間に合う!」
近道と思って曲がったそこは
「工事中」「全面通行止め」のカンバン
遅刻確定、どうしてこんなことに…わたしがなにしたっていうの!
3時間前
PCのFPSゲームでエキサイトする自分「よっし!全クリ!」
あ、完全に自業自得だわ
このままではマズイ
うちの学校は遅刻者はさらし者にする規則
不良とならんで立たされるなんて怖いし目立つし
ふと横を見ると電柱が
これって電柱伝って民家の屋根を翔んでまっすぐ行ける?
いやいや流石にゲームのやりすぎだって!
とか思いつつ、実際にやる
ぜーはーしつつなんとか屋根の上に居る自分「全然理想と違う…」
屋根づたいに高い世界から町を見下ろしつつ学校へ急ぐ
「あれ、ちょっと楽しいかも?」
これって本当にゲームの暗殺者みたいじゃない?
脳内妄想「暗殺者(アサシン)ちお、誕生!」
そんなさなか、屋根の上なんで、横の窓から「シャァ!」とカーテンを開く上裸のおっさん
とっさに倒れ、オッサンの視界から消える
が、おっさんは朝の歯磨きを元気よくしてる
唾液をメガネガード…が、屋根の上に来たことを激しく後悔
屋根伝いに来たが、公園の入口みたいなとこで「建物が途切れた」
建物同士距離があるため、飛べるような距離ではない
人が往来している
これ、見つかったら「野生のサル」とか揶揄されて、詰んでね?
そんな時、木に風船が引っかかって困ってる子とその親を発見
そこにスーツの男性が来たので、母親は「風船を撮ってくれませんか?」と願い出る
だが「いやですー!w」とばかり貧乏人扱いでバカにする男性
女子高生のちおちゃん、むかついたそのスーツの男性を踏み台に飛ぶ
で、建物のスキマを飛び抜ける
ちょうど、建物の影で降りれそうな駐車場がある
降りてきて、堂々と車の出口から出る…のだが、その出口ではオッサンが顔を赤らめながらこちらを観ている
「こういう時には、堂々と、堂々と…」
その車庫は「ラブホ」の車庫だった…堂々と出場するちおちゃん
やっとの思いで校門までたどり着く
噂話がきこえてくる「なんかウチの西都でラブホから学校来てる子が居るって」「えーウソマジで?」
ここまでで一話。
感想
「狭いフォーマットに限定」することにより、本来なら「あまりなにもおきない日常」に、「これでもか!」の意外性をつっこんで笑わせに行く「日常系ギャグ漫画」の金字塔…と言うと言い過ぎか
「そうはならんやろ」「なっとるやろがい!」で笑わせに行く感じの
ジャンル的には「坂本ですが?」とかが属するところだろうか
他には「日常」の動きの部分とナンセンス部分のみ抽出というか(絵も時々似てるし)、
「通学路」という限られたフィールドにあって、「仲良いちゃあ良いし馴れ合いもするけど「親友か?」と聞かれると「そうでも…」と答えそうな腐れ縁」や「特定の目的に対し打算的に仲良くしている仲間」を前に、知略・籠絡・権謀術数を駆使して相手の優位にたつ、ひいてはスクールカーストで「頂点に立たずとも良い位置を目指す」心理戦&能力バトル女子高生漫画…と説明したいねんけど、ウソにならへんかな?
なんとなく、後ろにプレッシャーを感じて「”ま、まさか”と、後ろにゆっくり振り返る」のに「ゴゴゴゴゴゴゴ…」って言う効果音が付きそうな「女子高生で展開されるジョジョ」みたいな…の展開を感じる
「全員のテンションの上がりすぎ」や「変なノリで行き過ぎてしまった成れの果て」や「ハナシの流れ上引くに引けなくなった」みたいな”常識が覆った通学路”にあって、なりふり構わずむちゃする主人公や仲間の行動に「じわじわと長い周期の笑い」を押さえられなかった
読後「フッフッフ…」とずっと笑ってる感じの
得に「カバディ回」や「相撲回」はお気に入り
あと、作者サバゲーやFPS方面に造詣が深い気がする
たぶん、男子高校生で言えば「仲いいのを良いことにムチャクチャ言うてチョケてくるツレ」みたいな、そんな友達でのふざけ合い…なんだろうけど、果たして「これがよく居るタイプの女子高生なのか?」がわからない
この連載時に高校生やってた年代でもないし、自分は男子高生だったので(あたりまえ)、女子高生の中の「あるある」かが、判定できないのだけど
こんな「ちおちゃんみたいな女子高生」って、クラスに一人や二人は居るもんなん?と
「運動神経が良く、FPSゲーム命で、リアルでもサバゲーが好き、日常にワンダーを探し、自分でもはっちゃけた行動をしているが、クラスではあまり目立ちたくなく、かといってスクールカーストの底辺は「それだけはイヤー!(涙」と思っており、つねに中の下を目指す、みつあみメガネっ子」…という女子って、皆さんの周りにいましたか?(聴取者への問い)
画風としては「骨格」や「肉感」を大事に(あるいは自分がスキで)描いている…のではないだろうか?と邪推
とくに「女子高生(限定)の骨格や肉付き」に物凄くこだわっていそう…な気がするのは、俺が変態だからだろうか?
女性の体での「美」や「美しさ」を表すならば、成人女性の「グラマラス」や「スレンダー」等が、世のステレオタイプだろうと思う
しかし、この作者は、まだ未成熟な「小・中・高校生の女子の体」を意図的に描いていると思う
うまく説明できないが、肉付きの良くない、成人女性にの体になる手前の「ガリってる」「骨が出てる」そんな骨格というかシルエットというか…
特徴的な表現としては「太ももが細い」「膝の骨がわかる」というか「腕がストン」というか、そんな感じ
ポップカルチャーのキャラクターって「太ももとふくらはぎが同じ太さ」「ブーツだったりルーズソックスだったりで、足先を太く」だったりするやん、あんな感じ
特定キャラ以外は、胸やおしりは強調しない
もちろん「ぼんきゅっぼん」も描ける…ことは1話めから証明しているが…
主人公周りは大体そうではない
さらに言うと、作者はこの作品より前は「成人向け作家」だったらしいので、もうわけがわからない
美術畑の「デッサン人形」や「骨格模型」を研究した人では?なんてテキトーな分析をぶつけておきます
言うほど「美術畑の人の書く絵」も知らん俺やけどな!
わりと「旧作品・他作品のオマージュ」が多い…のかも?
わかりやすくではなく「微妙に忍ばせある」レベルのが多い…感じがした
「ジョジョ第一部のディオ(目から怪光線)」だとか「三人できらららジャンプ」だとか「タバコ吸ってるおっさんが”探偵・神宮寺三郎”」だったりとか
そう感じるということは「自分は知らないが、もっとリスペクトを多く忍ばせてある」可能性が在る
そういう意味では、漫画の歴史を多くしるフリークに「ニヤリ」とさせる作品なのかも?
意外と「たたみ方が素晴らしい」作品だなーと
こんな「日常」かつ「一話完結」かつ「突拍子もない作風」なんで、「いつ”ブチッ”と終わってもおかしくないやろ」と思ってた時がわたしにもありました
意外と作者は「きっちりたたみたい」派の人で、終盤3話くらいの「話しの終わりとしてまとめていく」様子は、最終話から逆順で振り返ると、素晴らしいと思う
たぶん、この作者は「終わりをちゃんとたとんでくれる」のがスキな自分と相性が良い
これからも、自分が「良いな」と思う作品を(知らず知らずに)描いてててくれそう
総評
女子高生がやりすぎなくらい殺伐にチョケてる姿を、ハタからニヤニヤ眺めたい時にオススメ
ギャグ漫画だけどよくまとまった、短い良作を「この一晩で…」とか読みたい時にもGood!
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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