055_20240620_作りたい女と食べたい女
基本情報
ゆざきさかおみ先生執筆の、料理&恋愛マンガ
KADOKAWAの「COMIC it」で連載中
「it COMICS」から既刊5巻で連載中
賞レース
このマンガがすごい!2022【オンナ編】第2位
メディア展開
NHKでドラマ化されていた
S1:2022年11月 全10話
S2:2024年1月 全20話
大まかな紹介
あなたがいれば、今日も満腹。
Twitterで話題のシスターフッド×ご飯×GL
導入
会社務めの一人暮らし女子、野本さんは料理を作るのが好き
アマチュアだがSNSに上げてる料理の評判は上々
だが悩みがあった
本当は大盛り!盛大!な料理を作りたい!
ある日、マンションで隣の部屋の女性が「パーティーバーレル4つくらいワシワシ握って帰宅する」姿を見かける
「パーティですか?良いですね!」
「いえ、ひとりで食べます」
お隣さんにそんな逸材が!観たすぎる!
隣の女性は春日さん、比較的背の高い体躯の良い女性だ
ある日の昼休み会社にて、弁当食べてると男性社員が寄ってくる
「仕事も家事も出来て、いいお母さんになるね!」
自分のために好きでやってるもんを「全部男のため」で回収されるのは…
帰宅の道「この沈んだ気分をアゲてくれる料理は…」
牛肉ブロックを勢いで買い、牛腩飯(ぎゅうなんは・牛肉のオイスターソース煮)と牛肉湯をえげつない量作ってしまう
やってしまった…
思いつき、隣に突撃する
「夕食はお済みでしょうか!」
上がり込むが、不思議な感じになる
「こちらを私にごちそうしてくださると…食べていいならありがたくいただきます」
お隣さん、髪をくくり、怒涛の勢いで食べ始める
野本さん、感動
すごい…こんな全身で「おいしい」って食べてもらえたの、初めてだ
感想
しょっぱな「主人公ズの気持ちよさ」みたいなもんに爽快感を感じる
なんせ「食べたい女」春日さんの「清々しい程の大喰らいっぷり」になんか不思議な脳内麻薬出る
本来、女性に使う言葉じゃないが、これは褒め言葉だ
「わかりました!」って言うて、髪の毛くくってガツっと食べ始めるところなんか、カッコいいと思う
「作りたい女」の野本さんも、「作りたいという欲望」には忠実で、芯の一本通った強さを感じる
「私はお金を出してでも作りたい人間なんですよ」というのはいわば一つの、禁断症状出るタイプの「欲」だと思う
そうなってくると「趣味」や「性質」の類のものに「女性としてのスキルとして測られる」のが嫌だ、というのもわからんでもない
総じて「欲望のままにやりたいこと(本能的な趣味)に没頭している」人々を観てるのは、なんかクラブ活動にもにた頑張りとワチャワチャを感じて、観ててええ気分になる
そして、自分は「双方に感情移入出来る」人格だと知る
突然の自分語りですが、この本読むのと関係なく、その一週間前くらいから、自炊をし始めたんですよ
言うて、今まで作ってたもののおさらいと、それを「ソラで作れるようになる」の練習と、ちょっとの新作だけやけど
過去挫折してるんですよね
「一人暮らしかつ自炊」って、上達するまで「ずっと赤字」なんすよね
「美味しく作れるようになる」&「手早く出来る」&「作り置き等”分量の制御”が出来るようになる」までは、ずーっと赤字
習熟するまで「不味いものを高い金と貴重な時間を掛けて作ってる」という、損益分岐はずっと”損”
そこで思うのは「料理も今や贅沢な趣味だ」ということ
「一人暮らしの」とか「食べたいものを作ると」とか条件は着くけど
複数人で食べないと、自炊のスケールメリットも出ないなーとか、マンガの中で言うてたことも、同じく過去考えてた
で、このマンガ読むと「双方の気持ちわかるなー」と
食べる方は「今も含め、ずっとそうしてきた自分」やし
抑圧に対して「今食べねばやってられねえ」というのも解る
作る方は「最近やり始めた自分」で、「食べさせたい…」というのも解る
とくに「自分の作ったものは自分で納得できてしまう」から、他人を鏡に置かないとだめだなーと
共感が多めだと、マンガに対する思い入れが深くなって、より楽しめるなと
順にストーリーを追うと「テーマがなんなのか」がわからなくなる
というか変化していく?
ま、作者は最初から考えてあったプロットだろうけれど
最初「利害一致による女子二人の奇妙で充足し合う関係」みたいな路線なのかな?と思ってた
あらすじでも「シスターフッド」言うてるし、姉妹やソウルメイト的なテーマかな?と
途中「親にイヤな思いをさせられて育った」的な「子育ての責任」と「心に傷を持つが頑張って生きてる女子たち」ってテーマに行こうとしてるんかな?となって
そういう人間が近所に集まって、相手を尊重しながらワチャワチャする心が軽くなる話、みたいな路線で行くかと思いきや
今読んでるトコでは「単純な恋愛モノ」に成っていってる
普通は「セクシー田中さん」や「個人差あり〼」的な「社会問題と向き合う」「話の後半につれて難易度の高い社会問題を取り上げる」ってしがちだと思うのだけど
このマンガ、逆で「構図が単純になっていく」なぁと
ただ、心の中に「食欲が1mmでもある」と「ふっつーに1mくらい増幅する」ので…
空腹の深夜とかには読めない…かなぁ
総評
料理を作ること、食べること、そういうのが好きな人で、かつ「他人がそれをしててもうれしくなっちゃう!」な人には、テンション上がるマンガ
ただ、空腹時に読むのはおすすめできない
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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