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Happy Birthday to You
その日、僕は25回目の誕生日を迎えた。25という響きは他の年齢とは違い、何か節目の印象を与える。おまけに平方数だ。
いつも通りの朝だった。ベッドから起きて、やかんに火をかける。湯が沸けるまでの時間が好きだ。適当な量の豆を手のひらに乗せて、丁寧にミルでひく。カリカリと音を立てる豆は浅くローストされたモカ。使いなれたドリッパーに粉を入れて、できるだけ細く湯を注ぐ。
昨晩、人事から架かってきた電話の
Skoop On Somebody
ベトナムのホーチミンシティの朝は早い。朝5時ジャスト。辺りは暗く、サングラスをかけると視界は悪い。漕ぎはじめのビンディングシューズがぎゅっと音を立てて、ゆったりとしたスピードでGIANTの自転車を前に進めた。
骨伝導イヤホンからは、この20年間ずっと聞いている音楽が流れている。
東南アジアの朝が、あらゆるすべての時間より好きだ。昨晩の熱を少しだけ残しつつも、湿気を含んだ冷たい空気が草の青いにお