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金融庁は群馬銀行の刑事事件,並びに三菱UFJ銀行の刑事事件について,速やかに調査して下さい!

「山口組トップ・司忍を名乗り、顧客企業を脅した」三菱UFJ銀行の“京大卒”副支店長が脅迫容疑で逮捕
〈事件はなぜ公表されなかったのか?〉
(文春オンライン)

 女子行員による貸金庫窃盗事件で,三菱UFJ銀行の半沢頭取が記者会見を行ったのは,12月16日の15時30分からでした。
 この記者会見では,女子行員による犯行の手口や杜撰な内部監査の方法などが明らかになりました。
 しかし,文春オンラインが報じる上記記事は,12月18日付けの配信ではあるものの,事件の経緯等から考えれば,半沢頭取が記者会見を行った際には説明ができた筈ですが,この刑事事件については一切触れませんでした。

 記事の一部引用すると,以下の通りです。

三菱UFJ銀行の大阪府内の支店で副支店長を務めていた男が、6代目山口組組長と同じ「司忍」などの偽名を名乗り、顧客だった企業に繰り返し脅迫行為を働いていたことが、「 週刊文春 」の取材で分かった。  
男は今年8月、神戸水上署に脅迫容疑で逮捕され、11月上旬には神戸地検に強要未遂罪で起訴された。12月25日に神戸地裁で初公判を迎える予定。

文春オンライン

 つまり,副支店長の立場にあった行員が,偽名を名乗り,取引先の企業に繰り返し脅迫行為を行った事件であり,本年8月に逮捕され,その後地検側によって起訴された刑事事件です。
 しかも,12月25日から初公判になるという。

 しかしながら,三菱UFJFGの適時開示を確認しましたが,本年8月当時には,上記刑事事件について一切触れておりません。
 これ以前では,三菱UFJ銀行と証券2社によるファイアウォール規制違反問題が勃発しており,金融庁から行政処分を受け,これに基づく業務改善計画等を含む報告書を金融庁に提出しています。
 この時期が本年6月から7月であり,よって,上記刑事事件の逮捕が8月となれば,ファイアウォール規制違反問題で金融庁から行政処分を受け,業務改善計画等を含む報告書を提出した7月当時には,既に刑事事件が起きていた可能性があり,どうして公表しなかったのか,大きな疑問があります。
 
 しかも,その後発覚した女子行員による貸金庫窃盗事件は,11月14日付けで当該行員が懲戒解雇され,11月22日に公表しました。
 つまり,副支店長が起訴された時期に当たるもので,時系列にすると以下の通りになります。

本年 6月 三菱UFJ銀行と証券2社によるファイアウォール規制違反問題
     が発覚した。
本年 7月 ファイアウォール規制違反問題で金融庁から行政処分を受け,
     業務改善計画等を含む報告書を提出した。
本年 8月 副支店長の立場にあった行員が脅迫容疑で逮捕された。
本年11月 この副支店長が起訴された。
      その後,貸金庫窃盗事件により女子行員が懲戒解雇された。
本年12月 16日に記者会見し,貸金庫窃盗事件の手口などが発覚した。
      25日には,起訴された副支店長の初公判が予定されている。

筆者作成

 つまり,三菱UFJ銀行では,ファイアウォール規制違反行為,貸金庫窃盗行為,副支店長による脅迫行為が,全て同時に起きていたことになり,三菱UFJ銀行の内部統制が事実上の崩壊状態にあったものと考える事が出来ます。一連の事件が発覚した具体的な時期は分かりませんが,発表するタイミングはどうにでも出来ますので,だから事件の経緯等が順番通りになっています。
 ただし,副支店長による脅迫行為に関連した適時開示は確認できませんでした。これは三菱UFJ FGが上場企業であることを考えれば,不可解だと考えられ,更には「隠蔽だ」と言われてもやむを得ないと思います。

 私は,かねており群馬銀行の刑事事件を追求し続けています。
 そして,この群馬銀行の刑事事件の告発状を作成し,前橋地検に提出したのも私自身です。その後正式に受理されましたが,杜撰な捜査によって不起訴処分とされ,大きな問題がある『疑惑の聴取書』は疑惑まみれの状態で今現在に至っています。
 事件の概要は以下の通りです。告発状の提出は令和2年4月です。
1 事件番号:令和2年検第944号~951号(刑事告発=2件)
2 罪名:虚偽有印公文書作成等(疑惑の聴取書を作成した)
3 担当:前橋地方検察庁     
4 処分:嫌疑不十分による不起訴処分 

 告発状を作成するにあたっては,時系列にして検証しており,この経験から考えても,三菱UFJ銀行における複数の事件が理路整然といった印象が強く,しかも,僅か半年の間に流れるように事件が発表されています。
 それでも,副支店長による脅迫行為は逮捕起訴された事件であり,適時開示をしなかった点は不可解というしかありません。

 群馬銀行の虚偽有印公文書作成事件は,いまだ真相解明に至っておらず,今でも追求し続けています。
 同時に,真相解明の為の協力要請は,金融庁,全銀協会長,地銀協会長らにも再三要請していますが,全てが「完全無視」の姿勢にあり,この無視する姿勢の背景に,三菱UFJ銀行の一連の事件が影響している可能性もあり,仮に,これが事実だとすれば,金融庁,全銀協,地銀協は,群馬銀行の刑事事件のみならず,三菱UFJ銀行の一連の事件も知っていた可能性があります。

 銀行界に潜む闇として「隠蔽体質」があります。
 これは,銀行の生命線である信用信頼を保持する目的で,不都合な事実を隠すといった体質であり,これは金融庁側も把握している筈です。
 また,銀行に対する金融庁の姿勢が非常に甘く,事件や不祥事などが起きる温床となっていると考えています。
 銀行における生命線が信用信頼であるならば,事件や不祥事などが発覚した場合には,「役員の総退陣が必要である」として,金融庁側にも指摘していますが,これも完全無視の姿勢であり,金融庁側の監督官庁としての使命には疑問が多い部分があります。
 しかも,金融庁が大甘処分を行っても,再発防止策を求めても,また銀行の事件や不祥事などが繰り返される異常事態となっており,これでは銀行の信用信頼は必ず失墜します。

 金融庁自体が異常な組織の行政機関となることは,決して好ましくありません。銀行における事件や不祥事なども「隠蔽」されたら非常に困ります。
 だからこそ,どんな事件であっても,金融庁が自ら調査を行い,真相解明と役員の総退陣は要求するべきです。
 目下問題のある銀行は,群馬銀行と三菱UFJ銀行です。
 次期役員人事の時期でもあります。
 そして,群馬銀行幹部と三菱UFJ銀行幹部の姿勢を正すべき時期でもあります。
 もはや,大甘処分だけでは,話になりません。

以上
 
 
 

 
 
 
 


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