新入社員に人事評価のおかしい部分を指摘されまくって、大汗掻いた件💦第②問:それって、平成の価値観じゃね?
【この記事は以下の読者様を想定して書いています】
・会社の評価制度を知りたい人
・会社の評価システムに疑問を持っている人
・部下が何を考えているか、知りたい人
【この記事を読むことで得られること】
全3回シリーズ。会社の評価の仕方がわかる!新入社員や社員が疑問に思っている事などを理解して、管理職と部下の相互理解が深められる。
▼某月某日 大手ハウスメーカーにて打合せ後の廊下にて…
あやなん:細野さん!今日もお願いしますー。
ホッソン:あやなん、お疲れ様です!前回の相談の続きだよね…。
あやなん:はい!
ホッソン:(うーん、答えられるかな(^-^;))わかった、じゃあ休憩室に行こうか?
あやなん:りょ!ちょっと上司に断りをいれたら、ガンダで行くので先に行っててください。
ホッソン:が、ガンダ??(検索…っと)
◆うちの会社の人事制度、平成で止まってない?
あやなん:
細野さん、お待たせしましたー。
ホッソン:
大丈夫だよ。上司の方は大丈夫だった?
あやなん:
はい、前回の細野さんの行動評価の教えから何かイレギュラーな行動する時は、一応上司に連絡するようにしました。
ホッソン:
それは大切だね。これからも意識していってね。
あやなん:
で、実は上司とか上の人の事で聞きたいんです。
これからの社会には、AIを使う事が前提の世の中になるとか、組織は心理的安全性が大事になってくるし、人との接し方ではハラスメントに注意しようとか…大学の授業とかですごい学んできて…でも入社してみたら、上の人は全くそんな事知らないみたいで…逆に驚いちゃいました。
何で、あの人達はそんな事も知らないで上に立っているんですかねー?不思議すぎて…。
ホッソン:
うーん。(^-^; 上に立つというのは、知識だけの問題じゃないからね。
でも、あやなんが大学で学んできたことは、確かにその通りだね。
これからの社会は少子化の波もあり、いわゆる昔でいうキアコン(気合と根性)と業界だけ通じる知識や資格がどんどん下がってきているんだ。
人が少ない中で、どうやって生産性をあげるのか…ということからもあらゆる業界でも必要なソフトウェアの活用や思考技術の方にどんどん評価が集まっている。
また、組織として心理的安全性は大事だし、ハラスメントにも気を付けていかないとだからね。
あやなん:
じゃあ、細野さん!そういった事ができることをうちの会社は評価してくれているんですかね?見てくれているんですか?…っていうか、うちの人事制度は平成の価値観で動いているんじゃないですか?古くない?(; ・`д・´)
ホッソン:
・・・・(沈黙)
ホッソン:
僕だと上手く説明するのが難しいから、助っ人呼んでもいいかな?さっきまで一緒に打合せしていた伊藤さんっていう人事コンサルタントなんだけど。
あやなん:
助っ人?別に大丈夫ですけど…。
ホッソン:
じゃ、電話するから少し席はずすね。
~電話中~
イトヤン:
はい、伊藤です。
ホッソン:
イトヤン、ガンダでさっきの会社に戻ってきてーー涙
イトヤン:
が、ガンダ??わかりました!
◆人事制度に正解はないの!?
~イトヤン合流~
ホッソン:
という事なんだけど…。
イトヤン:
うーん、なるほど。あやなんは、この会社の人事制度が全くブラッシュアップされてなく古いものではないかと…。
あやなん:
はい、だって、上司とか新しい知識とか身に付けている感でもないし…でも一応上司だし。
イトヤン:
まず、聞きたいんだけど、あやなんは、自分の能力を少しづつ伸ばして周りの人と協力して働きたい?それとも自分の能力を最大限に発揮ししのぎを削って働きたい?
あやなん:
えー??う、うーん、しのぎを削っては働きたくはないかも…。
イトヤン:
そっか、だとしたら今の会社の人事制度は別に古くもないし、いいと思うよ。
あやなん:
え!?そうなの?
イトヤン:
うん、だって人事評価制度って、正解はないの。
人が人を評価する…それは仕組みでなので。だから評価を公平にしましょうとやっていても、必ずここを公平にしたら、こちらに不公平感がでてくるとか。ここに基準を照らせば下の方から文句がでる、ここに基準を照らせば上から文句がでる…もうこういう事が永遠に続くのが大前提なんだよね。
だから、今あやなんが感じている不満は、下の人達にとってはそう思うかもしれないけれど、会社全体で考えればきちんと公平感があるかもしれないよ。
あやなん:
…正解がないし、立場によって公平かもということは何となく理解はできました…けど!最新の技術とか大学で学んだこれからの会社みたいな話が、実際目の前で、やっていない、出来ていない上司のおじさんを見ていて何を目指せばいいんですか?努力の方向性がよくわかんなくって。
イトヤン:
なるほど、では、ざっと説明するけれど…現在、多くの会社の評価項目はざっくりで言うと3つに分かれていて
こんな感じに分かれているけれど、例えば②の能力評価には“新しい資格をとりました”、“新しいこんな技術が使えるようになりました”というのが加点されるようなってきたんだ。
だから、どういう部分が加点されるのかを知って、その加点対象に向けて評価されるように頑張らなくてはいけないという事。
こういった感じに現在の人事制度は年齢給以外で、加点の対象となる項目を多く増やしてきていて、前回ホッソンが言っていた行動評価もこれにつながるんだ。だから、あやなんが大学とかでやってきた事は決して無駄ではないんだ。
あやなん:
じゃ、私は何をすれば加点対象になるかを早めに知って、それに向けて努力していけばいいってことですかね?でも、そもそもどうやって加点対象がわかるんですか?
イトヤン:
人事に聞いてもOKだよ、というよりも本当は人事が人事制度を公開していないのがいけないんだよね。これはあやなんの会社に限った話ではなく、ほとんどの会社が人事制度を公開していないから、社員はどのように頑張ればいいのか分からなくなっちゃうんだよね。
ホッソン:
あ、でも、公開していなくても、社員のみんなには人事面談とか上司とのキャリア面談とかあるからその時に確認する事ができるよ。
あやなん:
なんだ、よかったー
イトヤン:
でも、その時にあやなんにぜひ考えて欲しいことが、
・自分がどうなりたいのか?
・自分がこの会社でどんなキャリアを描こうとしているか?
という事。
これを考えておけば、その面談で「そういう事なら、この資格をとった方がいいよね」、「であれば、これをスキルアップすればここでも加点されるよね」といった具体的な話ができて、より充実した面談になるよね。
あやなん:
なるほど…!!
イトヤン:
人事制度が平成の価値観、古くないか?とあやなんは言っていたけれど、古くても新しくてもあやなんはその会社に所属しているわけだから、会社が今どういうところを目指していて、自分はこの会社でどんなキャリアを描きたいのか、自分のありたい姿を考える事が大事じゃないかな。
そこから、考えていって自分の専門性が発揮できる場所を会社の中でみつけて、それがどのように加点されるかを面談で確認して…極論言っちゃえば、それがこの部署や会社で発揮できない、キャリアを形成できないと思ったら、部署移動を願うか….転職しちゃっていいんだよね。
あやなん:
!?*◎△??
◆人事面談、キャリア面談って何するの?
ホッソン:
まぁ、まぁ、転職とかはまだ考えなくていい話だけど…💦
とりあえず、人事面談やキャリア面談でどんな話をするかを説明するね。
ちょっと、このスライドを見てもらってもいい?
さっきの伊藤さんの話でもあったけど、“どういう事を自分がやっていきたいか”、“会社がどういう事を自分にして欲しいのか”というのを示したスライドなんだ。
分かりやすく言うと「機能面」は会社が“どういう事を自分にして欲しいのか”という部分、そして「動機付け面」というのは“どういう事を自分がやっていきたいか”という部分、そしてその二つを重ね合わせて目標を設定する。
面談は目標設定をすることがゴールになるんだ。
これによって、加点されるべき項目もわかるし、来年のお給料にも関係してくるからね!
よく考えて臨んでね。
あやなん:
…あのー今まで全然面談してないんですけど…本当にこの面談ってあるのかな?
ホッソン:
大丈夫!安心して、面談はあるから。あやなんの会社は今まさに人事の評価、あり方を変えようとしているので、上司もその面談をするためのトレーニングをしているんだ。実はその打合せで今日は伊藤さんと一緒に来たんだよねー。
イトヤン:
そうそう!期待してていいよ^^
◆日本の人事制度って人に優しいの!?
あやなん:
じゃ、あるんだ!安心したー。面談までに自分でもどうしたいか考えなくっちゃ、だな…。あ、あと一つだけ、伊藤さんの話で気になっていた事があって。
イトヤン:
何?
あやなん:
最初の質問で、「しのぎを削って働きたい」って答えていたらどうだったのかなー?と思って…。
イトヤン:
ああー。そうだね、人事制度にも色々あって、能力第一主義で成果にコミットすれば、即地位もあがり、お給料もあがる…という人事制度をもっている会社もあるんだ。
そのかわり、もちろん成果にコミットできない場合は、即降格、即減給なんだけどね。
だから、あやなんが、能力を発揮してしのぎを削っても働きたいと言ったら、そういう人事制度がある会社の方があやなんに合うと思うよ、と説明するつもりだったんだ。
あやなん:
え!?そんな会社もあるんだ…っていうか1回でもダメだと即ダメって事ですか?その制度だと…怖っ!
イトヤン:
1回で成果が出せないと即降格かは会社によるかもしれないけど、そういう人事制度を持っている会社は、総じてそんな感じに厳しいよね。
結果出せればOK、出せなければNGと制度としてはわかりやすいけれど、でも、僕としてはそんな人事制度は本当に人を幸せにするのかなって思っているんだ。
日本は海外と比べても労働者の権利がすごく守られている国でね、基本給も減らないし、解雇もしない、人事制度も減点はせずに加点をしていくのが普通。だから明確ではなくふわっとした感じにはなるんだけど、人に優しいから僕はその方がいいと個人的には思っている。
あやなん:
そっか、日本いるから気づかなかったけど、日本の人事制度って労働者に優しくできているんですねー。でもでも、ずーっと昭和、平成の制度を引きずっているのも何かおかしくない…ですか?
ホッソン:
そう。だから、各社悩んで少しずつ人事制度を改革しているんだ。今の時代テンプレートな評価制度はつくりづらい時代になっているからね。前と同じという訳にはいかない。
でも、一番大切なのはあやなんがどうしたいかなんだよね。
会社が何を加点してどう評価するのかは、会社ごとに違うのでまずそこをちゃんと確認する。その上で自分の目指す姿と会社が目指すべき方向を合致させることが納得感いく評価につながるんじゃないかな?
イトヤン:
その通り!
ホッソン:
あやなんの会社が社員の皆さんとどう歩んで行きたいかは、僕らがコンサルをさせてもらっている中でメッセージとして発信しているのを確認できているから、あとはそれをあやなんの方でキャッチして自分のありたい姿を目指して働いていくといいと思うよ!
あやなん:
何となくわかりました!とにかく、会社からの評価の仕方も大切だけど、何よりも自分がどうありたいかが1番大事って事ですねー。超悩ましいけど…とにかく、面談までに考えなくっちゃ!
ホッソン:
よかった!じゃー僕たちはそろそろ失礼するね。
あやなん:
あ、待って、細野さん!
今日は上司と約束した時間が過ぎちゃうから、これで終わりで大丈夫だけど、まだ人事制度の事で聞きたい事がありますー!次、いつうちに来ますか?
ホッソン:
7月24日(水)13時~だけど…。
あやなん:
じゃ、その日も打合せ終わりに休憩室でチルしましょ!上司には事前に許可取っておきますねー。
ホッソン:
…うん…わかった。打合せ終わったら連絡するね…。
ホッソン:
あ、ちなみにその日、伊藤さんは…。
イトヤン:
僕は、その日は打合せのメンバーに入っていないので、訪問はないですね。
(第③問へつづく)
◆第①問◆
◆第③問◆
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