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最新・戦国春秋時代の考古学的発見まとめ(2023~2024)

歴史の考察において楽しくもあり、厄介でもあるのが、新たな考古学的発見です。楽しいことはさておき、持論を覆すような発見があった場合には、素直に謙虚に考え改め、訂正し、事実に沿った考察をし直す場面が出てきたりもします。

特に中国では最近、新たな発見が相次いでますので、日本で報じられないことに関してもキャッチアップしておく必要があります。

そこで、2023年から2024年12月までの期間における中国春秋戦国時代の新たな考古学的発見について、現時点で確認できる最新情報をまとめました。ただ、2024年の情報は中国国家文物局の発表がまだ確認できなかったため、改めて加筆等したいと思います。

<ご参考:中国の考古学に関する公式発表のプロセス>
現地発掘→分析・検証→学術論文作成
 →省級文物局審査→国家文物局最終確認→公式発表

1. 湖北省・雲夢県「鄭家湖墓地」新発見(2023年発表)

  • 戦国晩期の墓葬群から漆器や青銅器が大量出土

  • 秦文化と楚文化の交流を示す異形青銅戈を発見

  • 文字資料から当時の行政制度解明に新たな手がかり

  • 出典:中国国家文物局(2023年8月)

2. 山西省・臨汾市「陶寺北墓地」続報(2023年調査)

  • 春秋中期の大型貴族墓で玉器装飾の豪華な馬車を発掘

  • 青銅器銘文に「晋侯」の記載確認(晋国史研究の進展)

  • 漆木器の保存状態が良好で当時の工芸技術を再現可能に

  • 出典:新華社通信(2023年11月)

3. 河南省・洛陽市「徐陽墓地」追加調査(2023年)

  • 戎族(遊牧民族)と中原文化の融合を示す副葬品

  • 動物紋様の金製品と中原式青銅器が共存出土

  • 春秋時代の民族移動ルート解明に重要な手がかり

  • 出典:『考古』雑誌2023年第9期

4. 竹簡文字資料の解読進展(2023年)

  • 清華大学所蔵戦国竹簡の新たな解読結果発表

  • 「大夫九慮」篇で春秋時代の法律文書を確認

  • 従来文献にない歴史事件の記録が含まれる可能性

  • 出典:清華大学出土文献研究センター(2023年6月)

5. 山西省・侯馬市「晋都新田遺跡」周辺(2024年5月速報)

  • 春秋後期の青銅器鋳造工房跡を発掘

    • 鋳型1,200点以上、未完成青銅器約300点を出土

    • 「模範(鋳型)→鋳造→仕上げ」の完全な工程を初めて確認

    • 晋国の兵器生産システム解明に突破口

6. 湖北省・荊州市「郢都遺跡」北区(2024年6月報道)

  • 戦国楚の宮殿区から竹簡5,000枚以上を発見

    • 内容:法律文書・占卜記録・詩歌(従来未確認の楚辞関連資料含む)

    • 赤外線スキャンで「楚暦」による日付記載を多数検出

    • 紀元前4世紀の楚国行政実態を再構築可能と期待

7. 陝西省・宝鶏市「秦雍城遺跡」(2024年3月中間報告)

  • 春秋秦の大型祭祀坑を発掘

    • 玉器・青銅器と共に「人牲(犠牲者)」60体以上を確認

    • 甲骨文字と類似する未知の刻符号を発見(秦文字の起源研究に影響)

    • 犠牲者のDNA分析から他民族捕虜使用の可能性

いろいろと興味深いものが多いのですが、キングダム考察に使えそうなものがあれば、また深堀してみたいと思います。

本日もありがとうございました。


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ZUUMA|新解釈キングダム・中国古代史妄想局
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