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ベンチャー創業日誌@シカゴ(6):     会社の理念をイラストにしました。

私のベンチャー創業日誌@シカゴで使っているイラストは、実は私の教え子(当時高校2年生)に描いてもらったものです。ある時期、私はシカゴの日本人学校で土曜日だけ高校生に数学やエッセイを教えていました。数学はともかくエッセイクラスは非常に偏っていました(笑)。ひたすら気になった時事問題や歴史問題を話していました。取り上げたテーマは、アヘン戦争、三枚舌外交、大韓航空機爆破事件、地球温暖化、電気自動車、太陽光発電、アメリカ大統領選挙など。私がみんなに知って欲しいことをテーマに話しました。生徒だけでなく父兄にも結構評判でした。数学よりこちらの方が私は好きでした。その中に目を丸くして私の話を聴いてくれていた女子学生がいました。それがこの学生です。彼女のイラストの腕は学内で知らない人がいないくらいでした。当時会社を起業したばかりの私は彼女に頼みこんで、私の会社の理念を描いてもらいました。それがこのイラストです。右下に彼女のサインが入っています。

“お礼は先生がうまく行った時にご馳走してください”と私の謝礼を彼女は断りました。

うまく行ったら“株”をあげると約束しています。

私たちの会社は加工した炭水化物を癌やアルツハイマーの治療薬として開発しています。炭水化物は脂質、タンパク質と並ぶ3大栄養素。生物の生命維持にはこの3大栄養素に核酸(DNAの主構成成分)が必要になります。その全てに共通して存在するのが炭素。炭素は空気中では二酸化炭素として存在しています。その二酸化炭素と太陽光を用いて植物は炭水化物を作ります(光合成)。この炭水化物を草食動物が食べその肉を肉食動物が食べることにより空気中の炭素は植物から動物に移動して行きます。この炭素の一部は動植物の呼吸により二酸化炭素として空気中に還元されます。生物の死骸は細菌により分解され二酸化炭素が空気中に戻されます。細菌により分解されなかった死骸は化石燃料として蓄積していき人間が燃やすことにより空気中に二酸化炭素を戻します。このサイクルが炭素循環です。生物界が作り上げた非常に美しいリサイクルシステムです。このシステムの中で炭水化物は空気中の炭素を動物に移動させるキープレーヤーです。我々はこのキープレーヤに目をつけ医薬品開発を行なっています。

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