リピート客は黙っていなくなるんだよ
人は感情に動かされ、モノやサービスを買う。
品質が良いこと、価格が安いこと、もちろんそれは大事だが「ほしい!」気持ちが「買う」行動を起こすのだ。
「ほしい!」と「買う」の間には売る側から想像できないほどの距離がある。
リピート客も同じ。新規ほど距離は遠くないが「ほしい」がなければ「買う」行動にならない。それと同時にリピート客が離れる時も「感情」が左右する。
10年以上通った美容室、先日「もう、無理、変えよう」と思った出来事があった。技術も人柄もとても気に入っていた。「こうしてほしい」を言葉だけでみごとに形にできる技術。「痒いところに手が届く」安心できた接客スキル。シャンプーもブローもちょうど心地よい気持ちよさ。
ただ、一点昔から気になっていたことがあった。
「グチ」と「どうでもいいこと」の話が長い。それは家族や同僚、上司についてだったり毎週見ているドラマの内容だったりした。
私はコーチングを得意とするので聞き役に徹することは苦じゃなくむしろ楽しい。だからどんどんグチはエスカレートするし、テレビをそもそも見ない私にはまったく興味のないドラマ内容を延々話される苦痛。
「・・・で?」
と、オチのない話の顛末を聞かされるほど私もそこまで善人じゃないんだよ。私がお金をわざわざ出してグチを聞いてあげる、という”逆サービス”という構図になってしまった・・・
コーチングでお金をいただく仕事している私なんだけどね。
ここ数年は、美容室に行くたびに様々なグチを聞かされることにもうつかれてきて、帰宅後早速新しい美容室を見つけた。次からはそこへ行ってみることを決めた。
まだ行ってないので何とも言えないが、webを見る限り、お客さんの声や評価を正直に載せてたり低評価やクレームも隠してない。謝罪コメントや改善コメントも明らかにしている。
その企業の経営者・リーダーの”心”を感じたね。
なんといってもお客さんに意見や感想をもらおうとする姿勢だね。お客さんの声にならない声をいかに拾い生かせるかだけにその会社が生き残っていける術はあるはずだよ。
自分がお客さんの立場に立ったときに、どれだけ自分のサービスに活かそうとするか、どれだけ謙虚に受け止めようとできるか、どれだけ冷静に分析しようとできるか。
これができれば大切なリピータを逃すことはないね。リピータこそ新規より大切にしなきゃならんのだけどね。
「すぐ(髪が)伸びてしまうからまた(美容室に)来ないといけないね」と私がいうと「それはありがたいことです」と。
”私に会えるからうれしい”という意味よりも”売上に貢献する一人の客”としか見られてないニュアンスにかんじたんだよね。
黙っててもリピートしてくれると思ってたら甘いね。突然あなたのお店からいなくなるんだよ。黙ってね。
特に女性は気にいらないイメージがつくとなんとも気軽に変えてしまうことが多いし、誰かに「逆口コミ」しちゃうことがものすごくあるよ。
謙虚に指摘を受け入れ日々変えていく企業と、お客さんの要望に無関心でお客さんの声を聞こうともしない、商品を変えればいいと単純発想する企業とでは集まるお客さん質も違うから、技術も接客も商品も、何もかも取り残されていくだろうね。
生きた化石になりたくなければ日々学ぶ姿勢を持つことしかないんだよ。
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