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「察する」習慣は人を理解する秘訣

おしはかる、推測する、思いやる。「察する」とはこういう意味がある。いずれにしてもこちら側は、相手の本当の気持ちを言いあてたり正解を答えたりするというよりも、「気持ちに寄り添う」意味合いが強いと感じる。

もちろん正解を探る姿勢は何より大事だと思うが、それよりも「あなたの気持ちをくみ取りたいです」という姿勢が人を感動させる。それは言葉、表情、笑顔、視線の温かさ、空気感、間、香り、包容力、、、どれもが正解。

接客業が副業であるクライアントは、本業は事務系の仕事に長年ついている。事務系の仕事は、決められた内容を決められた時間内にこなしていけばいい。その職場にはエンドユーザーが存在しないので、直接的な意見をもらうことがない。結果的に、意見を反映させた業務改善をする必要がない。

エンドユーザーという生き物は、手厳しい意見をこれでもかと投げかけるものだ。一見非常に厳しく受け入れがたいマインドに陥ってしまうが、それでもなんとか正面切って受け止めることができると、新しい境地にステージアップできるのだ。

前職では、同じ商品カテゴリーだったが、業務用向けからエンドユーザー向けにシフトチェンジしたとき、そのギャップに非常に苦しんだ経験がある。使う人は「仕事」として使うか「自分用」として使うかの違いだったが、「自分用」として使う人は求めるクオリティがまるで違うのだ。

とてつもなく、厳しい要求。「そこまで別に要らないんじゃない?」提供する側とエンドユーザーとで目指すクオリティがまったくかみ合わないことが頻繁に起こる。

そんなやりとりの中でも、エンドユーザーに寄り添ったサービスを少しずつ提供できるようになる。さらに「お客様の声」を拾い集める。改善する。提供する・・・この繰り返しの中で、予想外で学んだことがあった。

「(メールの)文面を一瞬見ただけで感情がわかる」

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メールを開ける。コンマ何秒か、ほんの瞬間で感じるエンドユーザーの感情が手に取るように感じ取れるようになったのだ。

怒りぎみのとき、感謝のとき、事務的なとき、わかってほしいとき、営業的なとき、にこやかなとき、、、文面を詳しく読まなくても感情が瞬時に読み取れてしまう。

なぜそれができるようになったのか。はっきりと理由はわからないが、「感じ取りたい」気持ちが誰よりも先行し、「瞬時に知りたい!」という気持ちがあったからではと。

これはオンラインに限らず、オフラインでも知らず知らずのうちに習慣化されている。一瞬の表情、言葉使い、ふとした身振り、、だからその瞬間を切り取って「疲れてる?」「その後どう?」「今日いい感じね」と言葉にできてしまう。

それを聞いた相手は「ちゃんとわかってくれている」と安心でき、心を委ねる。

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文頭のクライアントは、その「察する」習慣がどうも少ないと感じてしまう。接客業のとき、一方的なクロージングに徹している様子が垣間見られる。結果的におすすめする商品サービスをやんわり断られる。

人は「話をちゃんと聞いてほしい」生き物だからだ。そして話をしっかり聞き、五感を通じて感じ取る「察して」を欲しているのだから。

自信がないから相手を感じようとせず、一方的に話してしまうのだ。そんなことは大丈夫だ。自信は徐々につけていくものだし最初からそもそも無いのだから。

五感をフル動員して、相手を感じる気持ち、察する気持ちと姿勢を見せ続けたらきっとそれは習慣になっていくはずだし、わかる日が来る。

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