インクルーシブデザインとは‐「万人に使いやすい」を探る方法‐
「ん?万人に使いやすいデザイン?」
インクルーシブデザインについて知った当初、正直な所私は違和感しかありませんでした。
「万人向けの製品・デザインを作ろうとすると、コンセプトが曖昧になり、結果的に誰も買わない製品となってしまう。」
って大学で学んだような…?
違和感を覚えたのは、マーケティングを考える時に必ずプロセスとなるターゲティングとセグメンテーションをかなり無視した考え方だと思ったからです。
■インクルーシブデザインとは
インクルーシブデザインとは、デザイン手法の1つらしいです。それも、
高齢者や障害のある人など、特別なニーズを抱えるユーザが新しいモノ・コトを考えるデザインプロセスに参加することで、新しい価値を生み出そうとするデザイン。
・・・「それ、なんかユニバーサルデザインみたいだな・・・?」
いろんな疑問が湧いてきたので、改めて比較してみる事にしました。
■インクルーシブデザインとユニバーサルデザインの比較
そもそも「インクルーシブ」ってなんだい?って方は英語にして考えてもらえると理解しやすいかもしれないです。
インクルーシブ(Inclusive:包括)
⇕
エクスクルーシブ(Exclusive:排他)
つまり、ターゲットを限定するような排他的な考え方ではなく、すべてのターゲットを対象とする包括的なものが出来るように、メインターゲットから除外された方と一緒にデザインしていく、という意味が含まれている様です。
以下からインクルーシブデザインとユニバーサルデザインの違いを
目的・ターゲットなる人・実際にデザインをする人の3つの側面から見ていきたいと思います。
◎目的
「より多くの人に使いやすいデザイン・サービスを生み出す」
これはどちらも同じみたいです。
◎ターゲットとなる人
障がいを持った方、高齢者、妊婦さんなど一般的にマイノリティと呼ばれる人を初め、日本に住んでいる英語が話せないアメリカ人とかもターゲットになります。サービスや製品を使う可能性のある人全員の事みたいです。
これもおそらく同じですね。
◎デザインをする人
・ユニバーサル:ディレクターやデザイナーなどの当事者ではない人(一般的に健常者と呼ばれる)プロの方
・インクルーシブ:障がいを持つ方や高齢者等特別なニーズを持った人(当事者)とデザイナーなど
ここに違いがありそうです…!
健常者がいくら必死にデザインをしたとしても、当事者ではないので、気づけない問題点も多くなってしまいます。
そのため、デザインプロセスの中に特別なニーズを持った人を入れる事で、「気づけない問題点」をより少なくするインクルーシブデザインの考え方が重宝されるのだと思います。
これらを図にすると。。。
ユニバーサルデザインもインクルーシブデザインも、目的は同じだけれども、それに向かうまでのプロセスに大きな違いがあるようですね。
■インクルーシブデザインについて学べる所
私が参加しているワークショップをいくつか挙げておきます。これらのワークショップではインクルーシブデザインの考え方をもとに、実際にサービスをデザインしたり、製品開発の企画立案のようなものが議題になってディスカッションしたりします。
もし、私と同じように興味がある方いらっしゃれば、共に学んでいきたいです!
①NPO法人 Collable(コラブル)さん
②ブランディングテクノロジー 株式会社
今回は、インクルーシブデザインの簡単な説明について書きました。
私は現在でもインクルーシブデザインのワークショップに参加したり、自社で開催しながら学んでいますので、今後はその内容と感想もレポートしていきます!
興味ある方は、参考にしていただければ幸いです!