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ひなまつりと乳幼児死亡率のお話
今日はひな祭りですね。スーパーマーケットでのひな祭りミュージックが耳にしみついて離れません。
女児がいない我が家には、雛人形はございません。私自身も父子家庭かつ一人っ子(厳密には違うのですが、兄弟にはあったことがないので・・)で女子がいない家庭で育ったので、縁遠かったです。特に幼少時は完全スルーで、女の子がいる家がちょっとうらやましかったりしました。
給食ではひし形のおもち?みたいなのが出た記憶があります。なんだったっけ。
ええ。ということで、我が家はちらし寿司を作り、食べ、雛あられを食べる、というイベントになりました。白酒は運転するのでNGです。
ちらし寿司は、~のもとを買ってきて、あったかご飯にまぜるだけ、というやつです。また、それに贅沢具材を息子たちの要望のもと追加しただけの簡単料理です。出来合いのものを買うよりは安上がりですわよ。3合炊いたので1食では食べきれず夕食に回りました。だいたい予算は合計1,500円くらいかな?4名で食べる1食としては割と贅沢な金額です。
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話は変わって、以下、昔の話ですので結構シビアな話。
そもそも、ひな祭りの由来は以下のようです。
digidepo_10191210_po_index.html@action=common_download_main&upload_id=541.pdf (ndl.go.jp)
「「天児と這子」と呼ばれる 小児の形をしたものが、幼児にふりかかる災いを 祓うものとして」
形代ですね。人形に代わりをしてもらうというやつでしょうか。貴賤問わずよくわかんないうちにあちこちでどんどん死ぬ子たち。オロオロする親たちは、どうか代わりになっておくれ、と人形に託したということでしょう(妄想)。
「今年も娘が生きていてくれてよかった。どうか来年までも生きておくれ。」
そして適当に育ったら我が家を支えてくれ(切実)、と。
そういう思いで。すごくたくさんの人が亡くなる長い厳しい冬が明け、これから暖かくなってくる頃、せめてものお祝いで出したんだと思いを馳せます。だいたい日本で大衆が参加するお祭りは生き残ってよかったね系なのですよね。
その昔、と言ってもまあ八十年ほど前までは、子どもは本当に死にやすかったのです。かくいう私の叔父、叔母は計16人いたのですが、3人は赤ちゃんのころに亡くなっています。死産と栄養失調とはしかです。死亡率19%です。ちょっと前までは本当に厳しかったのです。
1918年はインフルエンザ(強毒性だったそうですが)だけで統計に影響が出るほど死亡率が高かった、ようです。これ、1歳までに死んだ子ですから。2歳、3歳でも死ぬんです。で、大体7歳になるとそれより後はまあだいたい大人になれるだろう、ということで、七五三のお祝いがされると。
※貧しい家庭の女の子は7歳になると人減らしで奉公に出されてたのでその節目というのもあるのかな。
現代の日本は長らく乳幼児死亡率が最も低い国の一つで、本当に誇るべきものです。当たり前のように生まれて育つ、これは歴史的には奇跡と言ってもよいことでありまして、公衆衛生分野を中心に、本当に多くの方々の努力と英知のたまものでありまして、関係のみなさまには頭が下がる思いです。
これは現代、欧米から東アジア、東南アジア、中国、中南米と広がり、あと死亡率が高いのはアフリカやアジアの一部、紛争地域だけになってきました。
乳幼児死亡率 - Wikipedia
世界的におおむね平和な世が維持できればの話ですが、21世紀半ばには世界中で赤ちゃんがなくなるところはだいたいなくなっていくことでしょう。少ない子を大切に育てる時代になってきているのです。