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重ね色

ここ最近、色んな時間に島内を移動する。
朝の5時半に出かけることもあれば、
夕暮れ時や、飲み会のあと夜遅くに車で帰ることもある。

住んでいる崎地区とフェリーの着く港を結ぶ道は一本だけ。
かれこれ4年半も住んでいるから、1,000回は同じ道を往復しているはず。
そして、毎日のように同じ風景を目にしている。

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「この時期になると、空がこんな色になるんだな」が、
「空がこんな色だから、そろそろこんな時期なんかな」という風に、
時間の捉え方が段々と色任せになってくる。

そういえば、去年の今頃に離島ワーホリで海士に来ていた子が、
「あいうえお色日記」というタイトルで、とにかく「色」で海士での暮らしを追いかけていた。
その子は、ビールをがぶがぶ飲むし、声はでかいし、品がないくせに、
文章だけは筋のしゃんとしたのを書いていたのが悔しい。

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自然の中の景色を一言で表すのは難しい。
山の色だけを必死に見ていても、
実は夕陽しだいで山の色はすっかり変わるものだったりする。

島食の寺子屋の先生が和食を教える時には、
「島の景色を料理にしなさい」とよく教えている。

なにとなにが重なっている色を料理にするのか。
案外、いつもの島の景色が教えてくれているのかもしれない。

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