読書16 「砂時計」
芦原妃名子さんの悲しい出来事から、もう一度作品を読んでみたくなりました。
全部は購入できないので、思い入れのある砂時計を購入しようと、amazonやメルカリを除いたのですが、かなり高価になっていたので、電子書籍で購入しました。
砂時計はとにかく、心が辛くなることの多い話です。
楽しいことと辛いことが、入り混じっていて本当に人生そのもののお話しでした。
初めて読んだ30歳の頃の私は、そんなに深く考えずに読んでたと思います(笑)。
本編の最後で、生徒と一緒にタイムカプセルを埋めて、20年後にまた会おうとなるのですが、ちょうどその頃から20年が経ちました。
作中の主人公も、私や作者と同じ50歳になりました。
大悟の小学校の担任がタイムカプセルを埋めた後、生徒にかけた言葉が、素敵でした。
この言葉を、受け売りですがと教師になった大悟も生徒に同じ言葉を伝えます。
奇しくも20年後に、私はこの作品と出会いました。
私の 20年を振り返って、自分に嘘をつかないで、誤魔化さないで、信念をもって真っ直ぐに生きてこれただろうかと考えました。
読み返して、20年前とは違った感じ方をしています。
そのなかで、もうひとつ素敵な言葉がありました。
杏の職場の先輩との会話で、先輩の失恋話を聞いてその頃に戻りたいって思うことがあるか聞いたとき、先輩の言葉
その言葉を聞いて、杏が自分を振り返った時に
20年歳を重ねたから、響いたセリフなんだろうな。
こんな言葉を繋いでいける才能に改めて感動し、それを失ってしまったことに、悲しさと寂しさを覚えてしまいます。
歳を重ねて読み返すごとに、未来の私が何を思うのか、少し楽しみになしました(笑)。
いい本に出会えて、私はラッキーですね。