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【体験談】心臓カテーテル検査、こんな感じでした。今後受ける方に向けて

こんにちは!心臓病のかずさんです!

会社の健康診断で心電図異常あり、かかりつけ医にて検査の結果、大病院での検査入院となりました。「拡張型心筋症の疑い」ということでの検査だったのですが、バッチリ該当しており、特発性拡張型心筋症の治療中です。

同じく心臓カテーテル検査を受ける方のために、どんな検査なのかを簡単にお伝えします。なお病院によって多少勝手が違うかもしれませんので、その点はご了承ください。また、医学的見地からではなく、あくまでイチ患者目線からの体験談という点についてもご認識お願いします。

入院したらいきなり「明日カテーテルですよ」

いつから検査入院ですよ、投薬調整も含め10日間程度ご予定ください、と言われ、入院準備をして手続き完了。病室に案内されても手持ち無沙汰、いつパジャマに着替えて良いのかもわからずしばらくボケーっとしていました。そのうち、担当看護師と名乗る人が現れて一言。

かずさん、明日カテーテルです

カテーテルといえば管を通すことで、一般に尿道カテーテルのイメージがありますが、循環器科では心臓カテーテル検査を指すようです。私の場合、心臓のまわりの血管や心筋への異常を確認するため、造影剤を使いながらX線画像を撮影したり、心筋の生体検査用に細胞をとったりするようです。これで狭心症や心筋梗塞の合併症があるかを確認するとのこと。

事前に調べていたので驚きはなかったのですが、それなりに覚悟がいる検査でもあります。太い動脈/静脈にカテーテルを差し込み、心臓まで管を到達させてグニグニやる検査なのでそれなりに危険も伴います。検査前にリスクの説明を受け、承諾書にサインをしました。自宅にいる妻にも電話で連絡があったそうです。

カテーテル検査に向けた準備(主に前日)

おおきく3つありました。

まず、服装。当日はカテーテル室にて検査を行います。私の場合、左手首と右鼠蹊部(足の付け根)から挿管することになったため、浴衣タイプのパジャマが必要です。血液も付着するし、そもそも持ってきてないし、で1日レンタルを受けることにしました。また、丁字帯というフンドシを下着として装着します。病院内の売店で購入可能でした。これらの着替えは当日朝でOKです。

病院内には何でも売ってるコンビニ(ローソン)がありました。便利!

次に、体の準備。鼠蹊部、つまり股間付近のオペになるため、剃毛が必要です。看護師さんから電気カミソリを渡され、入浴前に剃れ、ちゃんと剃れたか見せるように、と言われます。うわー、剃ったことないよう、とドキドキしながら黙々と自分の股間に向き合います。シャワー室で看護師さんを呼び、OKもらったらそのまま入浴です。わかっていたら自宅で準備してきてもよかったかも。
検査中(およそ1.5hくらいです)はもちろん、検査後も6時間ほど安静状態が続くためトイレに立つことができません。尿道カテーテルではなく先端にカポっと貼り付ける形の採尿器があります。これも当日朝に自分で装着します。

スキマから漏れそうな気がして、結局おしっこは我慢してしまいました。どうせなら使ってみた方がよかったかも。でも、仰向けに寝ながら意識的におしっこするのはなかなか難しいです。気持ちが切り替わらない。

最後に、点滴の針セット。当日朝だとバタバタするからと前日夜から点滴を始めます。右手に点滴の針を差し、生理食塩水をつないでスタンバイ。一晩ほど点滴を連れだってトイレに行くことになります。

カテーテル検査当日

朝9時にカテーテル室に入る、朝は絶食、何時まで水分可、などの指示が伝えられます。口頭指示なので自分でテキパキできない患者さんは看護師さんのフォローが必須です。時間を意識しながら着替えてソワソワしながら待ちます。

約束の時間に看護師が到着。ストレッチャーに乗せられ、エレベータに乗せられ、カテーテル室に運ばれ。。。とテキパキと進みます。寝て運ばれる経験がはじめてなので、視界を流れていく天井が新鮮でした。

カテーテル室は無機質で冷蔵庫のように寒いです。食品加工工場のような、清潔感があり整理整頓されている部屋でした。

モニター画面が見えそうで見えない

はじめますねー、よろしくお願いします。と主治医の先生に声をかけられ、テキパキと作業が進んでいきます。麻酔の注射を打ったのち、手首と鼠蹊部にシース?を差し込んでいきます。ちょっと痛いですが麻酔が効いているので大丈夫です。

シース(逆流防止弁みたいなのがついたカテーテルの入口です)経由でカテーテルをシュコシュコ挿入しています。大きなモニター画面があるのですが、私の顔の位置からは雰囲気しか見えず。それでも、心臓のX線画像にカテーテルが近づいている様子が見えます。プシュっと液体を噴射して心臓の周りの血管が造影される様子もわかりました。おお。

そのうちに顔の上に色々置かれて画面も見えなくなり。時間が経つほどに麻酔の効果も落ちてくるのか、差し込み箇所が痛くなってきました。担当医はシュコシュコとカテーテルを出し入れしているのですが、その姿がまるで煙突掃除をしているようで非常にシュールな絵面でした。

回を重ねるごとに、手首から上腕部の血管の中を抜けていくカテーテルのもぞもぞがわかるようになってきました。足の血管は十分に太いのですが、手の血管は細めなので人によってはわかるようで。私は血管の中をゴリゴリ動いているのがよくわかりました。痛くはないけど気持ちの良いものではないですね。

また、カテーテルをシースから出し入れするたびに動脈から血液が出ているらしく。ドボっと生暖かいものが手首に広がる感触が何度もありました。目隠しをしたまま手首にポタポタと温かい液体を垂らし続けて「どんどん血が失われているぞ」と声をかけ続けることで失血死してしまう、という拷問を思い出しました。ほんまかいな。

いま半分終わりました、あと半分です、頑張って

そう言われてから明らかに倍以上の時間が経っていますが、もはや黙って待つしかないのでひたすら寝て待ちます。ちなみにカテーテル検査中に寝れる訳でもなく、いつもの「息を吸ってー止めてー楽にして」を指示通り繰り返します。

最後に生検用の心筋をとって終了、になったのですが、足の付け根から専用のカテーテルをいれて心臓でブチっと細胞をむしる感じ。今までに感じたことのない種類の胸の痛みでした。激痛ではないんだけど、胸の奥がリアルにチクっと痛い。三回くらい組織をとってましたが、できればもう体験したくない痛みでした。

検査が終わってからも長い

カテーテル室から運び出され、処置室で止血などをしてもらいます。手首は空気圧を調整できる腕輪で止血。鼠蹊部はガーゼで止めて「絶対安静」になります。

処置が一通り済んだ頃、病棟ナースが引き取りにきてくれました。初めてお会いする看護師さんでしたが、やっと病室に帰れる、と非常に安堵したことを覚えています。昨日入院してまだ一泊しかしていないのに、病棟がすっかり自分の居場所になっていることに気づきました。

病室に運ばれたのち、3時間後に手首の止血が終わる、6時間後に鼠蹊部の止血が終わる、それまでは安静にと指示を受けます。特に最初の3時間は寝返りも許されない完全寝たきりの状態になります。朝から絶食でお腹も空いているのですが、座れないので食べることも困難。すると、看護師さんがその日の食事をラップで握っておにぎりにして持ってきてくれました。貪るようにして食べて、しばし寝る。同じ姿勢が続くとしんどいので看護師さんに相談し、ベッドに手を差し入れて腰を少しマッサージしてもらう。こんな感じでどうにか過ごしました。

なお、装着していたコンドーム型カテーテルは最後まで使わずでした。どうにか我慢し切ったのですが、仰向けで寝たまま放尿するのは相当の気合いがいりそうです。

手首の止血が終わったところで浴衣からパジャマに着替えました。カテーテル室が寒く、病室に戻ってから布団を被って寝ていたのもあり汗だくでした。その後もしばらく腰が痛かったり、傷口が開かないよう動きに制限があったりして、ようやく人間らしい生活を取り戻せたのは翌日のことでした。

血管にカテーテルを通す程度の傷しかないので、開胸手術等に比べてダントツで体への負担は少ないです。それでも少なくとも丸一日は結構しんどい思いをしました。術後翌々日くらいには退院できるようですが、即仕事復帰はなかなか大変かもしれませんね。

長々と書きましたが、これから心臓カテーテル検査を受けられる方の参考になれば幸いです。

余談

カテーテル検査後、担当医に「血管の中をカテーテルがグリグリ通ってるのがよくわかったよ」という話をしたのですが、「そうなんですね」と他人事でした。一瞬え?と思いましたが、医師だからといって、自分でカテーテルを通される体験はしないですもんね。ちなみに看護師さんもそんな反応でした。ある意味、自分ごとでないのが程よい距離感なのかもしれません。医療の現場というところは。

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かずさん@減塩生活中
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