【体験談】カテーテルアブレーション手術終了しました!めっちゃ元気が出た!
こんにちは!心臓に持病があるかずさんです!
先日、入院してカテーテルアブレーション手術を受けてきました。血管にカテーテルを通して心臓の中から不整脈の発生源を焼く手術です。他の体験談を前日夜に読んでしまい突然怖くなったり(笑)、手術中は痛かったり、手術後の絶対安静がめちゃしんどかったのですが。無事終わりまして、めちゃめちゃ元気出てきています!
前日にやらない方がいいこと
情報収集のためにと、ベッドの中でカテーテルアブレーションについての体験談をチェックしてしまいました。知ることは大事だけど、前日夜に見るもんじゃない。寝つきが悪くなってしまいました(^^;
ちなみに私はPVC(心室性期外収縮)の治療目的だったため、全身麻酔ではなく意識下での手術でした。薬で一瞬記憶が途絶えたところはありますが、基本的に手術中のことはしっかり覚えています。全身麻酔で寝てたら終わってた!みたいな方とは体験談が異なりました。
ということでこの体験談も前日夜に読むのはあまりオススメしないかも。
アブレーション当日
朝の手術枠だったため朝7時以降は水分もNG。朝食もなし。昼食もなし。
手術着(浴衣タイプ)に着替えてスタンバイします。精密検査の時とは違い、尿道カテーテルでの排尿だそうです。これも初体験(カテーテル室で後ほど挿入します)
時間になり、ストレッチャーに乗って寝たままカテーテル室に移動します。流れていく天井を眺めながら、精密検査に続き2回目の景色だなー、なんてボーっと考えていました。
カテーテル室に入ったらあとは身を任せるのみ。指示に従ってテキパキ動きます。あれよあれよと準備が進み、少しひんやりする無機質な部屋の中で天井を眺めていたら、これから解体される冷凍マグロの気持ちがわかったような。まな板の上のかずさん状態。
手術中に手足が動くと危ないので固定しますねー、と手術台に括りつけられました。覚悟を決めました。
アブレーションの様子
「尿道に管をいれたりして痛いからちょっと眠くなる薬を入れますねー」と言われ点滴に何やら薬を入れて。増量を繰り返しているうちに意識がだんだん遠のいて・・・
気がつくと尿道にググッと異物が入る感覚や、血管のカテーテルが肩のところにググっと到達する感覚で気がつきました。意識はあるけど痛みは薄い、ちょっとボーっとしている感覚です。先生との会話は成立します。先生たちが話している内容も全部聞こえます。
「1番と2番がどうのこうの」「広い範囲だな」「ここが盛り上がって滑るな」等、先生たちがアレコレ試行錯誤しながら不整脈の発生源を探っている様子が伺えます。その間、私としてはできるだけ不整脈が出るように(?)過去のネガティブな出来事をアレコレ連想するよう心がけていました。その度に不整脈が確認されて場所が特定されていく。
カテーテルで心臓を内側から突いたり、冷やしたり、温めたりして反応をみているようです。
「それでは焼いていきますね」
みたいなことを言われたのち、胸に強烈な痛みが来ます。我慢できないことはないけど、まるで心臓を握られるような、肋骨を前からギュウギュウと押さえつけられるような広範囲な痛みがあります。しばらくやっていると目の前が真っ暗になり星がチラつくような場面も。
「かずさん、大丈夫?」
と先生に声をかけられながら手術は進みます。「うー、結構痛いです」と答えると、「あと10秒だから我慢ね」と言われ、本当に10秒くらいで終わりました。
枕元に来た先生から、定常的に出ていた不整脈の元は処理できたが、左心室で1日に数回出ている不整脈(こちらがVT)についてはアクセスが難しいことや不整脈が再現できるかわからないため、今回はここで手術を閉じましょう、と説明を受けました。ここまでで2時間。早かった。
一通りチェックしますねー
きちんと焼けているか、不整脈が出る場所が他にないかをチェックするのですが、これが大変でした。心電図を見ながら、突いてみたり、冷やしてみたり、温めてみたり、脈を早めたり。
しかしすごいですね。先生が「ちょっとドキドキするけど気にしないでー」と言った瞬間、脈がトクトクトク…と一気に早くなって、また戻ってきました。何か薬を入れたのだと思いますがわかりやすく体が反応するものだと感心しました。
ほか、背中に貼っている電極で電気ショックをバチンとやってみたり(AEDってこんな感じなんかな、背中の奥の方の筋肉をグっと握られているような感覚でした。ショットガンで撃ち抜かれたような衝撃)と一通りのテストをして、不整脈が出ないことを確認して終了。手術中に思い出していたネガティブな出来事を頭の中に再現してみても不整脈も出ないし胸の痛みもありません。不整脈の発生源と共にトラウマも焼いて無くなったようです。トクトクと小気味よく打つ心音にとてつもないい信頼感が生まれてきました。
チェックは心臓への負荷試験。人体実験とか拷問とか(失礼)を受けているような気分でしたが、仮に心肺停止したとしてもこの場所なら蘇生確率は高いので安心して身を委ねられました。
色々閉じていくので痛みがあるからちょっと眠くしますねー、と再び気を失ったのち、鼠蹊部の傷をチクチクと縫われているところで目を覚ましました。手際が良い。
6時間の絶対安静が地獄
手術終了後、病室に戻ってきました。一ヶ月前に同じ病院で精密検査入院をしているので勝手はわかっているものの、この後の絶対安静がとても辛い。
鼠蹊部に傷があるので止血のために6時間寝たきりとなります。今回は両手が使える状態ですが、基本的に身動き不可。仮に動いて出血があったらもっと絶対安静時間が伸びますよと釘を刺されてじっと堪えます。
時間は12時。6時間後ということは、夕方6時か・・・長い。
朝食抜きなのでお腹が空きました。今回は昼食も抜きらしく、お腹がグーグーなります。我慢するしかない。
焼かれた胸は奥の方で重いチクチクがあります。あまりひどい痛みだったら痛み止めを入れますが〜と言われましたが、我慢することにしました。
テレビをみてもしんどい。スマホを見ていてもしんどい。
2時間ほど経過した頃から腰が痛くなってきました。同じ姿勢をずっと取り続けていると体が痛くなってくるのですね。まだ4時間残ってるぞ…と絶望に打ちひしがれながら、首を左右に倒したり、足先を動かしたりして気を逸らします。それでも時間が経たない。テレビの内容が全然頭に入ってこない。旅レポ、グルメレポばかりで空腹にも拍車が掛かる。
3時間ほど経って、残り半分!となったとき。腰がどうにも痛くなり、知恵を絞った結果、手の届く範囲でテレビのリモコンをみつけました。
テレビのリモコンを腰の下に差し込み、グリグリやることでマッサージをしてどうにか凌ぎました。リモコンが壊れなくてよかった…次に同じような機会があったら背中をマッサージできる棒を持参することにしよう。病院の備品で用意した方がいいと思います笑
こうしている間、30分おきに看護師さんがやってきて発熱や血圧のチェック、水をとってくれだの色々世話を焼いてくれました。看護師さんってすごいですね。看護師さんに背中に刺さってるテレビのリモコンが見られなかったかが心配です。
魔の6時間をどうにかやりすごし、絶対安静が解かれました。
ゆっくり動いていいですよ、でもベッドからは立つな
先生のOKが出たので膝を曲げたり腰を浮かせたりしてベッドの中で体を動かします。が、体が思うように動かない!6時間おなじ姿勢をとっていると本当にカチカチに固まるんですね。膝も曲がらないし、腰も浮かせられない!!
少しずつほぐしてようやくゆっくりと体を動かせるようになりました。ここで余計な負荷がかかって傷口が開いてしまったら再び絶対安静になってしまうので慎重に慎重に。
まだ尿道カテーテルが刺さったままなので、動いて管に振動がくると内臓にビンビン刺激がきます。細心の注意をはかりながら恐る恐る動きます。
「夕食食べれそうですか?」の質問に「食べたいっす、お腹空きました」と即答したので無事夕食も届きました。やっと食べられる・・・私はいま飢えています…
と思ったら、手術前に(ご丁寧にも)机の上をきれいに片付けた結果、常時置いていたお箸もどこかにしまい込んでいました。しまった!手の届くところにないどころか、どこに置いたかもわからん…
ナースコールで看護師さんを呼んでカバンゴソゴソしてもらいお箸を探してもらいました。ありがとうございます。
腰が痛いのと尿道カテーテルが気になってまっすぐ座れないので、中途半端な姿勢で夕食をモグモグと食べました。ほぼ1日ぶりの食事がとてもおいしかったです。
最後の難関、尿道カテーテルを外す
傷口を確認し、もう大丈夫そうとの判断がおりたので、尿道カテーテルを外す時間がやってきました。これで動き回れるようになります。でも、これが最後の砦なのです。
若い看護師さんが言います。
「おしっこの管なんですけど、抜くときに結構痛いんですよ。じわじわ抜いても痛いので、一気にいきますね」
と小悪魔っぷりを全面に出した表情で私に宣告したのち、「さん、にー、いち」とカウントダウンを始めました。ちょっとおもろい展開やないか。
「えいっ」ズルズルズルっ
「ドゥォオオオ!」
自分でも聞いたことのない変な声が出ました笑。一本の筋が通りすぎた痛みはありますが、これで解放されたという気持ちの方が強いですね。あとは無事おしっこが出たら看護師さんに報告して終了です。
アブレーション後の感想
動き回れるようになって、無理のない範囲で部屋の中を歩いたり椅子に座ったりして過ごしました。6時間ハリツケになっていたベッドに再び横になる気持ちになれません。夜寝る時まではベッドから離れて過ごす。
変わらず胸のチクチクはありますが、安定したビートを刻む心臓への安堵感の方が強かったです。
一晩寝て起きてみたら胸の痛みもなくなり。手首や胸で検脈してみると、同じ強さで同じリズムで心臓が脈打ち続けているのがはっきりとわかります。この瞬間、ググーっと腹の底から元気が湧き出てくるのを感じました。
以前乗っていた車がエンジン不調になり、プスンプスンと今にも止まりそうな調子で坂を登り、なんだか不安な気持ちになったことを思い出しました。これまでの自分の心臓の状態は、そんな故障車の状態。いつ止まるかわからないハラハラを常に抱いて、早く新車に乗り換えないとと思っていました。
心臓を新車に変えることはできませんが、アブレーションによって再び快調に回るエンジンにリファービッシュされた気分です。病気が判明してからの鬱鬱とした気分、将来への漠然とした不安。病気発覚前からのなんだか疲れやすく以前のようにいろいろな事に情熱が持てなくなっていた自分。そういうものが全て払拭されて、エネルギッシュで走り回っていた頃の自分を取り戻した。そんな気分にさえなりました。
ここで無理をして体を壊しては意味がないので大事にしていかなければいけないのですが、まだ人生は長い、前を向いて頑張ろうという気持ちが自然と湧いてきます。心臓って、本当に心と繋がっているんだなと実感しました。
これが術後の躁状態でないことを祈ります笑
アブレーション手術を迷われている方へ
置かれている状況、容体や病態によって一概には言えませんが、比較的リスクも少なく、不整脈の発生をグッと抑えられる有益な手術だと改めて思いました。そして、不整脈が激減し、洞調律になることでこれだけ精神的にも支えになる、腹の底からエネルギーが湧いてくる状態になることにビックリしています。
アブレーション手術は心臓オペでもあり決心が必要かと思いますが、信頼できる医療機関/先生のもとで受けられるのであれば一考の価値ありです。
皆様によい人生がありますよう心から願っています。