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【直樹の日常.5H】書道教室

かな文字を書くのが嫌だった。
楷書は永字八法といわれるように、
基本形は単純で、他の漢字にも応用できる。
半紙に4~5文字書くのだが、
添削で直しが入っても文字の数が少ないから
練習しやすい。

「かな文字やってみない?」
直樹は伊勢田先生から勧められて始めたが、
いきなり百人一首の臨書からだった。

(基本形をまずやるんじゃないのか?)

半紙には20文字以上書かねばならない。
しかも最初のうちは全部直しが入るので、
注意しないといけない範囲が広すぎる。
集中力が楷書の10倍くらい必要になるのだ。
へとへとになる。

やり始めて半年くらいは、かなが苦痛だった。
途中から個人的に基本練習を始めると、
先生いわく「いい感じに(文字が)流れてるわね」
だそうだ。

百人一首などで実際の連綿を書いた方が
いろはにほへと、とやるよりは
面白く取り組めるだろう。
先生はそんなことを思ったのではないだろうか。

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