【直樹の日常.31E】自爆
池田さんが来る。
「この前、久しぶりに
山芋オクラ納豆のネバネバ丼を作ったんですよ」
「ほう、美味しかったです?」
「最高ですね。でもオクラを生のまま
混ぜてしまったんですよ。普通茹でますよね」
「直樹さん、相変わらずわんぱくな食べ方しますね」
「いったんすりおろした山芋の
中に入れてしまうと、もう取り戻せないでしょ。
食べた時すぐに気づきましたよ」
「お腹とか大丈夫ですか?」
「大丈夫ですね。でも、ネバネバ丼
作りおきして今日で3日目なんですけど、
若干酸っぱいにおいがしたんですよ」
「捨てましょうよ、まさか食べたんじゃないでしょうね」
「いやあ、いける気がしたんですよね。
そんなに足がはやいとは思わなくて」
「大丈夫なんですか」
「いや、今体温が上がってる気がします」
「体調おかしくなってるじゃないですか」
「それに捨てるのとか、生ごみの処理とか
面倒くさいなって思ったんですよ」
「私と一緒にやりましょうよ。もう秋口ですけど、
火を通してない生ものは気をつけてくださいね」
「そうですね、何のためのヘルパーか分かりませんもんね」
直樹は一日お腹のグルグルが止まらなかった。