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【私の仕事】 忘備録(28)国際振込詐欺 「ナイジェリアからの手紙」
◆この記事の内容:
詐欺師にわざと騙されてみて、有名な「ナイジェリアからの手紙」を思い出したのことを書いています。
先のnote記事 【私の仕事】 忘備録(27)まで、国際振込詐欺の実況について上から目線で書いた。今だからひっかかることはないが、自分が若いころだったら、間違いなく騙されて、お金を振り込んでいたと思う。
『ナイジェリアの手紙』とは、ナイジェリアからの手紙又はナイジェリア詐欺とは、アフリカのナイジェリアを舞台に多発している国際的詐欺の一種であり、先進国など豊かな国家に住む人から、手紙やファクシミリ、電子メールを利用して金銭を騙し取ろうとする詐欺。(ウキペディアより抜粋)
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政府開発援助案件の仕事
ODA案件の仕事をしていたので、アフリカにはよく出張した。ケニヤ、タンザニア、ジンバブエ、ブルキナファソ、アイボリーコースト。。
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当時、現地大使館の人と打ち合わせしたとき、「ナイジェリアからの手紙」における日本側企業の話はすでにあった。
各国に出張したとき、現地の大使館や公官庁に自分の名刺を配りまくったので、そうか、それで僕個人宛てにこの機密扱いの手紙がきたのか。。。相手国の公官庁名で、押印もサインもある。
ただ。。紙質がとても悪い。書いてある内容は、とてもシンプルで「私はある大きな入札の裏情報を知っている。その情報をあなただけに教えるから、ここへお金を振り込んで欲しい。」
ダルエスへ出張
上司から「年に何回か、この手紙が届くと思うが、破棄するように」と言われていたので、本気にはしなかったが、英語文面は上手に書かれていた。引き込まれてしまう。
それと、今だから書いてもいいと思うが、実は、僕自身もお金を持っていったり、受け取ったりしたことがある。
どうしても、アフリカ地域で仕事をやっていると、国によるが現地の公官庁の人であっても、情報を教えてもらえば、相手は当然のように金銭を要求する。こちらも当たり前のように渡す。高価な品物の場合もある。どのように渡すか、タイミングや方法も教えてもらった。このような行為に対して当時の自分は麻痺していた。
「ナイジェリアからの手紙」は、上司から破棄するようにと言われていたが、どんな国際組織が詐欺をやってるのか、興味を持ってしまい、いつもカバンに入れていた。
タンザニアのダルエスに出張に行った時、現地の●●物産の商社マンと打ち合わせをしたとき、持参した手書きを見せた。自分としては色々質問したいことがあったのだ。
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詐欺手紙とわかるポイント?
しかしながら、「あっ、これね。たまに来るよ。見た瞬間にゴミ箱だよ。中身は見たことないよ。」
手紙を開けないで分かるのか。。どのポイントで分かるのか?
手紙といっても白い封筒でくる。その押印の位置が本当の公官庁が押す位置と微妙に違うらしい。さすが、長い間、アフリカ各国を滞在している商社マンの知識は高いと感心した。
それと、現在も変わらないと思うが、日本の外務省としては、ナイジェリアへの一般人の渡航は基本禁止のはずだ。ナイジェリアには主に2つのイスラム過激派組織、「ボコ・ハラム」と「アンサル」が存在する。場所によってはとても危険。
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僕が打ち合わせした商社マン(当時30歳)はナイジェリアへはタンザニアから数回、出張している。神戸出身と言ってたが、西宮の友達と同じ関西弁の言い回しを使った。
大阪出身の僕は、遠いダルエスでこてこての関西弁で打ち合わせして、なんかほっとしたのを覚えている。
【私の仕事】 忘備録(29)国際振込詐欺 詐欺師をストークする へつづく。。。
*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として書いています。