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【メルプのリアル】第9話:飛び込み営業したら、まずは専門医取れと言われ、、、

この連載記事では、当時ビジネスを全く知らなかった私(かず)が、初めて医療業界のSaaS「メルプWEB問診」を立ち上げて、約3年後に約200医療機関にサービスを導入した0→1終了のタイミングで2020年に株式会社JMDCに売却するまでの話です。当時、何を考えていたのか、失敗したこと、うまくいったことを振り返っていきます。圧倒的にリアルで生々しい、メルプのリアルを、共に見ていきましょう。

前話までのあらすじ
かずは、医学部6年生の時に医療系のアプリ開発コンテストに参加し、そこで、後のメルプ共同創業者兼CTOとなる片岡と出会う。医学部の時の同級生で眼科医の水上が加わり、3人の創業メンバーになり、サービスアイデアを出し合った結果、WEB問診サービスに決まる。VCからの投資は断り、片岡にフルコミットしてもらい、LINEのチャットボットベースでの予約・問診システムを開発し、テレアポ営業するもなかなかうまく行かず、、

第8話はこちら

飛び込み営業をしたところ

医療機関への飛び込み営業の難しさ

さて、医療特化のテレアポ業者に頼むも、1件も成約に至らなかったわけですが、同時に飛び込み営業も行っていました。

やっぱりダメでしたね。
テレアポと同様、基本的には医療機関側ですでに、営業お断りがマニュアル化されているので、受付の時点でお断りされてしまいました。あと、受付の方にサービスの説明含めて要件を1言2言で伝えなければならず

「WEB問診サービスを開発しているフリクシーの吉永です」

と伝えても、

「WEB問診?ってなんですか?」

となり、新しい概念のサービスを、院長先生ならまだしも、受付スタッフの方に一言で伝えて、内容を理解してもらって、院長先生に繋げてもらうのは至難の技だと痛感しました。

あと、患者さんが待合室で待っていて、診察も同時進行で行われている中で、受付で営業の話をするわけで、気が引けました。

とはいえ、クリニックの場合、だいたい営業時間終了の30分くらい前に受付終了になるので(その後も診察が長引いて待合室に待っている患者さんはいる)、そもそも患者さんが全くいない状態で受付の方に営業要件を伝えることはできず、営業終了間際を狙っても、「すでに受付は終了しました」と言われてしまうので、タイミング的にも非常に難しいということも学びました。

雨の日の営業を見て片岡がフルコミットに

色々と試行錯誤しながら、飛び込み営業もしていたわけですが、一つ嬉しい誤算?もありました。

雨の日なら、患者さんもそんなに来院しないだろうから、先生も受付の方も時間に余裕があって、メルプの話を聞いてもらえるのではないか?

と考え、当時は土日のみ副業的に手伝っていた片岡に

「今日、大雨だから、東京駅周りのクリニック30件くらい午前中に回ってくるわ」

と伝えて、土砂降りの大雨の中、飛び込み営業し始めました。
他の都心部もそうですが、東京駅周辺もクリニックの激戦区で、ワンブロック歩かないうちに、5,6軒のクリニックがひしめき合っている感じなので、営業効率的にも良いと考え、午前中で30件くらい回りました。

結果的には1,2件、話を聞いていただけたものの、(うーん。。)という反応で次の商談には結び付かなかったのですが、この時の様子が片岡の脳裏には焼き付かれたようで

「吉永は本気だ。1人で土砂降りの雨の中、飛び込み営業してまで、この事業を伸ばしたいんだ」

と感じたらしく、その後に私から、フルコミットのお願いをした時に快諾するきっかけになったとのことでした。


ちなみに、当時は、下記のA4 1枚両面のパンフレットを作成して、飛び込み営業していました。合計で100件くらい回ったと思います。

結局、飛び込み営業は100件回って成約0だったので、飛び込み営業単体で見ると無駄に終わったと言えるのですが、片岡がフルコミットするきっかけになり、全体で見ればお釣りが来てあまりある結果になりました。

ですので、一見無駄と思えることも、やってみると、別のところで良い方向に結びつくことがあるというのも学びました。

まずは、専門医を取れと言われ

飛び込み営業の際の、今でもよく覚えている懐かしいエピソードがあります。クリニック経営で有名な某先生のところにアポが取れたので

この先生が、導入してくれたら、影響力もあるので、一気に伸ばせるかもしれない

と思い、意気揚々とクリニックを訪問してプレゼンしました。歯に衣着せぬタイプの先生であることは、元々分かっていたので、ドキドキだったのですが、プレゼンを終えた後に

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