短編小説 『まさみとぼく 年の初めに』
いつも仕事が休みの日は、ピーチよりお寝坊さんのまさみが、どうしたことか、元日の朝八時に、キッチンで朝食の支度をしています。
鼻歌交じりで、すっかりご機嫌な様子です。
まさみは、年を越しながらそのままこたつで寝落ち、というのが毎年恒例なのです。
しかし昨夜は、新年を迎えるまえに、「良いお年を!」とピーチにいうと、「まだ年を越してないよ」と引き留める、カウントダウンの歌番組を観ていたピーチを尻目に、歯を磨くと、すぐに床に就きました。
かなり早く目を覚ましたまさみは、うっすらと化粧をしています。
食べ物のいい匂いで目を覚ましたピーチは、寝起きの覚束ない足取りでトコトコとキッチンまで歩いてくると、まさみを見上げました。
ピーチに気づいたまさみが先に声をかけます。
「ピーチ、あけましておめでとう。今年もよろしくね」
ピーチは緑色の龍の帽子をかぶっています。
ピーチのその姿を見て、まさみは満足そうに、うんうんとうなずいています。
「まさみ、あけましておめでとう。今年もよろしくね......でも、どうしたのこんなに朝早く起きて? それに、なにこれ? 重たいんだけど」
「ピーチ、かっわい〜い。ダメだからね、まだ取っちゃ」
まさみはそういうと、スマホで動画を撮り、そのあとすぐに腰を屈めてピーチと並んでピースサインで記念写真を撮りました。
「本当はこのままにしておきたいんだけど、それじゃご飯も食べられないし、とりあえず外してあげる」
「痛っ!まさみ、耳が引っかかってるから、もうちょっと優しく外してよ」
「あっ、ごめん。けど、ピーチってほんと可愛いよね」
そういってまさみはピーチの頭をなでなでしています。
まさみはがさつなところがあって、なんでもガッ、バッとやるタイプなのです。
家では、学生時代から使っているというジャージ姿で過ごすことの多いまさみが、ゆるニットにミニスカートと、いまにもどこかへお出かけしそうなおしゃれを決め込んでいるのに、ピーチは気がつきました。
まさみのミニスカートの中からのぞく、純白のパンティのまぶしさが、見上げるピーチの目に飛び込んできます。
「いや〜ん、ピーチ。見ないで〜っ!」
そのピーチの視線に気づいたまさみは、スカートのまえを手で押さえました。
「べ、別に見たくて見たわけじゃないからっ! まさみっ、それわざとでしょ。猫のぼくにそんなもの見せてどうすんのよ?」
「......そ、そんなことないよ。『一年の計は元旦にあり』っていうでしょ。気合いを入れておしゃれをしてみよう、って思っただけだよ」
「それはいいけど、デートに出かけるわけでもないのに、そんなにおしゃれをしてもしょうがないんじゃない? 早く、彼氏でもつくったらいいのに」
「いわせてもらいますけどね。あのね、ピーチ。女にとって、おしゃれは彼氏のためだけにするもんじゃないから。自分の気持ちを上げるためでもあるんだからね。まあ、一年中おんなじ格好の、毛むくじゃらのピーチにはわかんないだろうけどね」
「毛むくじゃらっていうなよ。猫なんだからしょうがないだろ」
「ご、ごめんなさい、ピーチ。いいすぎました」
まさみはペコリと頭を下げています。
いつもと違って、今日のまさみはやけに素直です。
「あま、いいけど......」
「ピーチ、いま、いい間違ったよね? 『あま、いいけど』って。もしかして、『あま』って、女ってこと?」
「違うよ、まあ、っていおうとしたんだよ。単純にいい間違っただけだよ」
「あ、ピーチ。舌をしまい忘れてる」
「あ......」
「『あま』、年の初めくらいはね、ちゃんとしないと。舌はきちんとしまいましょう」
「しつこいよ、まさみっ!」
まさみは、ピーチをからかうように、舌をペロっと出して、うすら笑いを浮かべています。
「まさみ、この匂いってもしかして......」
部屋のなかに、ピーチの食欲をそそる匂いが漂っています。ピーチはこの匂いで目が覚めたのです。
「よくわかったね、ピーチ。お母さんが送ってくれたピーチが大好きなアカメバルの煮付けだよ。もうすぐ温め終わるから、もうちょっと待っててね」
「今日はレンチンしないんだ。鍋で温めてるの?」
「やっぱり、レンチンとこれじゃ、かなり味が違うと思うからさ」
料理が苦手なまさみは、電子レンジが大のお友だちです。毎日の生活には欠かせません。お惣菜だけの夕飯のときには、「まさみ、チンチン、チンチンうるさいんだってば!」とピーチから文句をいわれるくらい連続してチンします。
まさみの母の敬子は、毎年年末になるとまさみとピーチに、お手製のおせち一式を送ってくれます。
まさみにとっては懐かしい母の味、まさみは毎年これを楽しみにしているのです。
「できたよ、ピーチ。こたつのそこ、ピーチのために準備しといたからね。からだをあったかくして食べてね」
そういって、まさみが指さすところには、猫用トレイの上に、お皿に入った水と、ピーチ用に小分けにされ、華やかに盛り付けられたおせちが並んでいます。
それを見たピーチの顔からは思わず笑みがこぼれます。
まさみはピーチのすぐとなりに座りました。
ふたり仲良くこたつに入って、今年初めての朝ごはんです。
「なんか、今日のまさみって、すっごく優しくない?」
朝早くから起きていたこと、おめかしをしていること、それに、ピーチのためにレンチンではなく、鍋で丁寧に煮魚を温め直している、そんないつもとはまったく違う、まさみのこの行動に、違和感を覚えたピーチは、『なんかあるな』と訝しがっています。
「......そうかな、そんなことないよ。いつもとそんなに変わんないでしょ?」
「まあ、下手な勘ぐりはやめとこうっと。見たくもないヘビとか出てきたら嫌だから」
ピーチがいっているのは、たぶん『やぶ蛇』のことだと思います。
「ピーチ、熱いから、フーフーしてあげる」
まさみはアカメバルの煮付けを、身をほぐすように箸先でひとつまみすると、口でフーフーして冷ましてあげます。
これはピーチが熱いものを食べるときは、まさみがいつもやってあげていることです。
冷めるまで放っておけばいいのですが、なんだかんだいっても、まさみはピーチの世話を焼きたいのです。
というのも、ピーチはリアル猫舌なのに、熱いものもなんのその、食い意地が張っているので、「あちっ! あちちちっ!」と悲鳴を上げながらでも食べ物を口にしようとします。
その結果、ピーチを放っておくと、撒き散らされた食べ物で、ピーチのまわりが大変な有り様になってしまうのです。
「うまっ! 安定のおいしさだね。まさみのお母さんの料理ってほんとになに食べてもおいしいよね。まさみが料理下手なのって、もしかして、お父さんの遺伝なのかな?」
「下手ってなによ! 失礼しちゃう」
ピーチに次を、と思って箸先にとっていた魚の身をもとに戻して、まさみはピーチを睨んでいます。
「いや、誤解しないで、まさみのお母さんと比べたらってことだから」
口をアーンと開けて次を待っていたピーチは、自分の失言を取り繕うのに必死です。
「そうか......んーっ、よくわかんないけど。私がまだ故郷にいた頃って、台所に立つお母さんの手伝いをしたことなんて、そういえば、一度もなかったかも」
「さすが、まさみ。食べ専だったのが、容易に想像できるよ」
「お母さんは、私がおいしい、おいしいってご飯をお代わりすると、『まさみ、いっぱい食べなさいよ』って、いつもすご〜くうれしそうにいってくれたから。お父さんは、『そんなに太らせてどうするんだ? せっかく俺に似て器量良しなのが台無しになるだろ』って怒ってたけどね。お父さんに似てるんじゃなくて、お母さんの遺伝だから、 私のこの美貌は!」
そういいながらまさみは、こたつからわざわざ立ち上がると、モデル立ちをして、その美貌とやらをピーチに見せつけています。
ピーチはそんなまさみをちらりとも見ません。
「......そういえば、いつか見せてくれたまさみの中学時代の写真って、恐ろしいほど太ってたよね。いまも痩せてる方じゃないけど。あの写真のなかのまさみは、いまとはまったくの別人だよね」
「確かに中学時代の頃はね。でもね、高校では一時期だけすごく痩せてときがあったんだよ。ダイエットを真剣にやってたから」
まさみはこたつのなかに座り直しながら、昔を懐かしむように目を細めています。
「へえー、そうなんだ。なんで、ダイエットなんかしてたの?」
「私にも恋する乙女時代ってもんがあったのよ。猫のピーチにはわかんないだろうけどね」
「だって、ぼくは家から外になかなか出してもらえない家猫だし。恋なんてできる相手に巡り合う機会なんてまったくないじゃん」
「あら、そう? この前も私の友だちが可愛い猫ちゃんといっしょにここに遊びに来てたでしょ?」
「ああ、あの子ね。彼女って気が強すぎて、ぼく、あんまり好きじゃないよ。彼女もぼくのこと、そんなに好きじゃなさそうだし」
「そうなんだ......」
「ぼくだって選ぶ権利はあるんだから」
「そんなこといって、ピーチは人間にしか興味がないんでしょ? 私、知ってるんだからね。風香ちゃんみたいな可愛い子がテレビに出ると、いつも食い入るように見てるでしょ」
「んー......なんでだかわかんないけど、そうなんだよね」
「もしかして、ぼくって、猫に生まれ変わる前は人間だったのかも」
「まあ、ありえないことじゃないけど。でも、いまは毛むくじゃらの茶トラ猫だからっ!」
「まさみ、それ好きだよね。毛むくじゃらなのはしょうがないじゃん。だって猫なんだから......」
まさみとピーチはいつものように楽しく会話を弾ませながら、今年最初の朝ごはんをすませました。
「あーっ、ほんとうにおいしかった。こんな豪華なおせちを口にできるのも、すべて、ピーチ大明神さまのおかげです。本当にありがとうございます」
まさみは、パンパンと柏手を打ちながら、深々とピーチに向かって頭を下げています。
食いしん坊のまさみは、ピーチが稼いでくれたギャラで、母の敬子が送ってくれた純和風のおせちに入っていない、二段重の洋風おせちを、通販でお取り寄せしていたのでした。
「えへへ、照れるなあ......そんなに感謝してもらうほどのこと、あるかな、なんて......」
「ほんとうに、本当に心の底から感謝いたしております」
まさみは、さらに、深々と頭を下げています。テーブルに三つ指までついています。
しかし、下を向いたまさみの顔はにんまりとほくそ笑んでいます。
『もうこれくらい、おせち、じゃなくてお世辞をいったら十分でしょう』
まさみはそう心のなかでつぶやいています。
そして、まさみは、本題を切り出しました。
「ピーチ殿。つきましては、お年玉をいただければありがたいのですが、お願いできますでしょうか?」
微笑みを浮かべたまさみのその顔は、その言葉づかいとは違い、有無をいわせないようなすごい圧を感じさせます。
実は、ピーチがタレント業で稼いだお金を、まさみがあまりにも食費にばかり使うものだから、ピーチもいい加減、まさみに待ったをかけました。
いまでは、まさみに通帳記入してもらって、ピーチがいちいち確認しているのです。
すこしでもピーチが『使いすぎだな』と思ったら、その度にまさみを座らせてのお説教が始まります。
ピーチはこのために必死になって数の数え方を覚えたのです。
猫なのに偉いと思います。
「お年玉? あのさ、まさみってもう社会人だよね。いつまでお年玉をもらうつもりなの?」
猫にお年玉をねだる人間など、世界中どこを探してもまさみくらいのものでしょう。
「だって......今年のボーナス、去年とほとんど変わんなかったんだもん」
「このご時世、ボーナスが出るだけ、まだましなんじゃないの?」
「そりゃ、そうだけどさ。ボーナス月の支払いでぜーんぶ、飛んでっちゃったんだもの」
「それは、まさみの計画性がないからでしょ?」
「でも、でも......去年は本当にいろんなものが異常なくらい値上がりしちゃったじゃない。私はそんなに無駄使いをした覚えはないんだけど......」
「まあ、確かに去年の物の値上がりの仕方って並外れていたよね。値段が据え置きの物なんか、内容量が三割くらい減ってたりして」
ピーチはしばらく黙って考えました。
「......まさみ、わかったよ。それで、いくらくらい欲しいの?」
「えっ! いいんですか? ピーチ大明神さま。おありがとうごぜえやす」
「ごぜえやす、って......」
満面の笑みでまさみは続けます。
「そんなには多くないんです......」
「......で、いくらなの、まさみ?」
「ほんの、二十万円ほどいただけましたら、と切に切にお願い申し上げまーす」
まさみはそういって、こたつのテーブルにコツっと音がするくらい、勢いよく額を押しつけました。
「に、二十万円? まさみ、いったい何に使うの?」
「よくぞ聞いて下さりやした。私、今年は真剣に小説の創作に取り組むことに決めたのでごぜえやす。なので、最近あまり調子のよくないパソコンをおもいきって買い換えようかと思っている次第でありまする。昨夜は早めに床に就き、今朝は早くに起きたのも、ピーチ殿はご存知のことと思いまするが」
昨夜、早寝したのも、今朝、早起きしたのも、どうやらまさみは、お年玉にパソコンをねだろうと思って、ピーチにやる気を見せたかったみたいです。
そのなかには、お色気作戦も入っていたみたいですが、これは見事に空振りに終わりました。
ピーチにとってまさみはそんな対象ではありません。もうすっかり家族みたいなものなのですから。
「まさみ、その変な喋り方いい加減やめてよ。疲れるから」
「......だからさ、ピーチ、お願い! 私にお金を、お年玉をチョーダイッ!」
「んーーーっ! まさみがいま持っているパソコンって、そんなにダメなの? まさみの使い方が悪いんじゃなくて」
「だって、このパソコン......もう八年目に突入したところなの。もうそろそろ寿命がくる頃なのよ。ちょこちょこ不具合も起こってるし」
「そうなんだ......まあ、小説を書くことは、まさみにとっては、命の次に大事なことなのは知ってるけど......」
「ピーチ、怒るよ。そんなこというなんて!」
まさみは腕組みをして、真剣な表情でピーチを睨んでいます。
「えっ! まさみなんで怒ってんの?」
ピーチにはなぜまさみが声を荒らげて、自分を睨んでいるのかわかりません。
「命の次に大事なのは......ピーチだよ」
まさみは、ひと呼吸おいて、優しく微笑むと、そういってピーチの頭をなでなでしました。
どうせいうなら、『命より大事なのは......』なのでしょうが、そこは正直なまさみです。
「まさみ......」
それでもピーチはうれしさのあまり、すこし涙ぐんでいます。
「わかったよ、まさみ。この際だから、なるべくいいのを買いなよ。遠慮しなくていいから」
「ピーチ、ありがとう!」
まさみは満面の笑みです。
「?......」
ピーチはそんなまさみの胸に目が行きました。
「そういえば、まさみの胸ってまえはもっと大きかったじゃん。けど、いまのまさみって、お腹がかなり出てるせいなのか、まえより、胸が小さくなってるような気がするんだけど。ゆるニットを着てるまさみをこんな下から見上げてもそう感じるくらいだから......」
ピーチは女性の流行のファッションには詳しいのです。なにしろピーチは人間の女性が大好きですから。
「ああ、これ? これね、ほんとうに長い間、誰にもかまってもらえなかったもんだから、ちょっと拗ねちゃって。いま、この胸のお肉はおなかに家出中なのよ。けど、もうちょっとしたら、きっと戻ってくるから心配しないで、ピーチ」
ピーチは内心、『よくいうわ』とあきれ顔です。
「ところで、まさみ。今年も初詣には行かないの?」
ピーチがまさみと暮らし始めて、まさみが初詣に行ったことは一度もありませんでした。
というのも、なぜかまさみは、付き合っていた彼とはいつもクリスマスのまえに別れを切り出され、年末年始はいつもピーチとふたりっきりだったからです。
まさみは、友だちから「いっしょに初詣行かない?」と誘われることもありましたが、友だちといっしょに、混雑する神社に出かけるよりは、デブ症の、いや、もとい、出不精のまさみは、ピーチといっしょに過ごすほうが、かえって心安らぐのでした。
「じゃあさ、初詣にいっしょに行かない? ピーチ」
「そんな簡単にいうけどさ。ぼく、知ってるんだよ。犬とかをさ、神社に連れて行ったらダメだって。なんかよく知んないけど、穢れもの扱いされてるんだよね、ぼくたち」
「まあ、そうだね。ほとんどの神社ではそうだけど、私が行きたいのは猫がお詣りしても大丈夫な神社だよ」
「えっ! そんな神社があるの? 知らなかった」
「うん、日本全国で数えるくらいしかないんだけどね。な、なんとこの東京にもあるんですーっ! そこは猫ちゃんもいっしょにお詣りできるんだって」
「うん、ぜひ行きたい」
「じゃあ、さっそくお詣りの予約を入れて、松の内に行ってみようか? ピーチもそこでなにかお願いをしてみれば、それが叶うかもしれない。『知らんけど』」
「最近、まさみその『知らんけど』を語尾につけるの好きだよね」
「うん、関西出身の職場の女性がよくいってるのを聞いて、なんかおもしろいなって思ったのよ」
「そうなんだ」
「うん、男性がいうとちょっと、アレなんだけど。女性がいうとなんか親しみが持てるっていうのかな......なんかいいんだよね」
「知らんけど......」
ピーチはしてやったりみたいにドヤ顔をかましています。
「ピーチ、そんな使い方じゃないんだってば。まったくこのバカ猫は......」
「よくいってくれるよね。バカ猫だなんて。たぶんぼくは世界でただ一匹の、人間のことばを話せる貴重な猫なんだよ。バカ猫じゃなくて奇跡の猫だって!」
「はいはい......」
「『はい』は一回でいいってお母さんにいわれなかった?」
まさみはスマホを手に取るとどこかへ電話をかけようとしています。その横顔はどことなく寂しそうです。
「まさみなにやってんの?」
「うん、私、思うのよ。そんな貴重な奇跡の猫をさ、私なんかがひとり占めしちゃダメだって。だから、私、ピーチを、泣く泣く世界のみんなのために捧げようと思って......」
まさみは人差し指の先で、出てもいない涙を拭う真似をしています。しかし、まさみの目と口は思いっきり笑っています。
「また、あれ? 謎の研究機関ってやつ」
「そうよ。ほれっ! バーラバラっ!」
まさみはそういって、いつかみたいに、花咲か爺さんよろしく、バラバラになったピーチのからだを撒き散らすジェスチャーを、からだをくねらせながらやっています。
「はいはい、わかりましたよ。ぼくはただの毛むくじゃらの茶トラ猫ですよ」
「ピーチ、『はい』は一回でいいんだよね」
「......ったく......」
このあと、まさみとピーチは、仲良くこたつのなかでうたた寝をしてしまい、お昼に新年一発目の夢を見たのでした。
もちろん、食いしん坊のまさみは、おいしいものをお腹いっぱい食べている夢です。
お腹いっぱいになって寝て見た夢が、これです。
さすが、まさみです。
そして、ピーチの見た夢は......それは、またの機会にお話ししたいと思います。
*
昨年は、たくさんのスキ、温かいコメントをいただき、大変お世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。