仕事選びは人間選び
自分らしさが大切。自分らしく生きたい。よく言われることですがそもそも自分とは何なのでしょうか。
この世に生まれ育ち、その過程で人格が形成されていきます。その環境が違っていたらどうなるでしょうか。もしも親が違っていたら、家が違っていたら、学校が違っていたら、友達が違っていたら、今の自分とは別人になっていたかもしれません。
だとすれば今ここにいる自分は本当の自分なのでしょうか。自分の考えというものはあります。しかし、それは他人の考えや環境によって生み出されたものです。自分とは他人によって形成されているもの。この概念は古代から多くの哲学者のテーマとなってきました。
自分が憧れる人間像というのは誰にでもあると思います。人にやさしく愛にあふれた人になりたい。課題をテキパキとさばくカッコイイ人になりたい。人を笑わせたり涙させたりする情感の豊かな人になりたい。たくさんの人をまとめ上げるリーダーになりたい。
ありたい自分を手に入れるためにはその環境に身を置くことであり、それに見合う他人と交流することです。環境や他人とは与えられるものなのでしょうか。
子ども時代はその通りです。子どもは親を選ぶことができません。しかし、成人にとって環境は選択の対象です。それが職業を選ぶということです。
職業を選ぶ時はいろいろな視点があります。給与の多寡。通いやすさ。安定性。企業ブランド。様々な側面から判断するものです。
その中で欠いてはいけないのが「どんな人間になりたいか」という視点だと思います。社会に出た時、営業職を選んだ場合と経理職を選んだ場合、勤めを終える40年後には全く違う人物になっているはずです。
仕事選びは人間選び。転職はまさに人生の一大事なのです。