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matsuda2772
年を取ると映画にメッセージを求めるのはなぜか?
面白さとメッセージ性。歳を重ねるとメッセージ性を求めるようになる。時には作者が思ってもいなかったメッセージを視聴者のフィルターを通して作ってしまうことさえある。作者も気づかなかった真の主訴と言えるもの。作者自身がわからないものを視聴者に問いかけているものもあるだろう。
答えを見つけるのも観劇の醍醐味。歳を重ねるとメッセージ性を求めるのはなぜか。人生経験を重ねて社会の裏側にまで見通せるようになった結果、作り物性
が目についてしまい、純粋に楽しめなくなったと言うこともある。だがそれより救いを求めるようになるのが最大の理由だろう。
人生は荒野。羅針盤は命綱。歳を取るほど方向を教えてくれるメッセージに飢えるようになる。どんなものにも何かの指針を見出そうとする。針はどこを指しているのか。世界はなかなか教えてはくれないが、意外なところに顔を出すもの。
映画作者は聖人ではない。そこに教えなどあるはずもないが他人の生き方が指し示すヒントは隠れている。生きるヒントを求めて老人は今日も映画を観る。
良い映画の条件
映画の中に入って行ける、リアリズムが心地よい。
作品と同化することで自分の魂の形が見えてくる。
自分の魂を明るい日差しの中に晒すことで浄化することができる。
それが映画の力というものだ。