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緊張するときにどうするか

以前、ひょんなきっかけで、私が3年生のピッチャーの指導をしている話をさせてもらった。その時の記事はこちら↓

そんな中、一緒にお昼を食べているときに、「何か聞きたいこととかある?」と質問したところ、小さいピッチャーから、「ピンチになるとすごく緊張してストライクが入らなくなるんだけど、どうしたらいいですか?」と非常にいい質問を受けたので、私なりの考え方を今回シェアできればと思う。

緊張はいいこと

まず、大前提として、「緊張」というのはいいことである。なぜなら、緊張するというのは、それだけ本人にとってそのことが真剣である証拠だからである。

たとえば、わかりやすく受験などの試験でたとえてみると、毎年それこそ東大に合格するために、受験している人がたくさんいると思うが、その人たちは毎日朝から晩まで勉強して、いろんなことを犠牲にして勉強している。
そして、試験当日、その日の合否によってその人のその後の人生に影響があるとしたら、その日の試験は緊張しないほうが難しいだろう。なぜなら、その人たちは、その日に懸けてきたからであり、真剣そのものだからである。

それが、いないとは思うが、記念受験として、それまで勉強しないで、試験当日を迎えるとしたらどうだろう。おそらくその人は、同じ東大の受験でも緊張しないのではないだろうか。
なので、緊張することはよしとして、「緊張は自分のパフォーマンスを上げてくれるパートナー」だと捉えてみよう。それだけ、今まであなたが真剣に取り組んできた証拠なのだから。まずは、緊張を受け入れるところからはじめてみよう。

行動をポジティブにする

緊張への向き合い方がわかったうえで、その緊張を力に変えられるかどうかがカギとなるので、具体的な方法をお伝えしていこうと思う。

緊張すると、多くの人が「頭で」いろいろ考えて対処しようとする。
「落ちつくんだ」
「肩の力が入っている」
「リラックスしろ」など
ただし、頭で考えても気分は変えられない。では、どうしたらいいのか。
結論を言うと、「身体の動きを変える」のだ。
ここで、あなたにすごい秘密をお伝えしたいと思う。

「状態は理性に従うとは限らないが、行動には必ず従う」

これは実は、「行動心理学20世紀最大の発見」と言われている。
ボクサーが試合前、大きな声を出して鼓舞したり、気合を入れたりするのはなぜだろう。あれは、みんな実は怖いからである。つまり、怖さを打ち消すために、大きな声を出す、という「行動」によって、状態を変えているのだ。

野球に置き換えても、自分から大きな声を出すことで、緊張からパーンっと自分を解き放したり、上手い選手のように振舞うことも効果的である。
だから、よく練習では自分が一番下手だと思い、試合では自分が一番上手いと思ってプレーしろ、なんてことが言われているのかもしれない。
いずれにしても、堂々と振舞うようようにしよう。

場を支配する

ちょっと汚い話になるが、これは犬(動物)のマーキングから着想を得たもので、私の師匠から教えてもらったことだ。犬は、自分の陣地だと思うと、マーキングの意味も込めて、う○ちやおしっこをする。

なので、可能であれば早く球場にいって、まずはトイレに行くのもおススメだ。そうはできなくても、球場の周りをグルっと歩いたりして、球場を自分の陣地にして、「場を握る」ようにしよう
緊張というのが、普段慣れていないところに行くことで生まれるならば、それを自分のテリトリーにしてしまうことで、まるで、ホームで試合しているようにプレーできるだろう。
はじめて行く球場なら、自分のエリアを広げるために、3塁側や1塁側だけでなく、球場全体をグルっとまわって、緊張感を味方にしていこう

呼吸法

最後に、呼吸法をご紹介する。これは、野村克也監督が現役時代に実践されていたというものだ。
緊張すると重心が浮いたような、地に足がつかないような感覚になるときがある。そんなときは、息を口からゆっくり、細く長く吐きながら、おへその下(丹田)に力を入れて、重心が下がるイメージを持つといいとおっしゃていた。
確かに、緊張すると呼吸が浅くなり、胸で息するようになるので、それを意識的に、ゆっくり吐くことで、落ち着きが戻ってくるのかもしれない。
是非試してみて欲しい。

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