みんなちがってみんないい
出ました。
金子みすゞ先生です。
今回は、ファッションにおける「みんなちがってみんないい」的な話をしたいと思います。
まず、前提としてファッション業界の一般的なトレンドの流れを伝えておきます。
ファッションにおいて、流行を作り出すのはハイブランドと言われています。
ハイブランドが発表した服のデザインを、いろんなブランドが真似?オマージュ?して世の中にどんどん広まっていきます。
BALENCIAGAのトリプルSのパチもんをよく見かけるのを思い出してくれれば分かりやすいかと思います。
このトップダウンの流れは、王女様がファッションリーダーと呼ばれていた王侯貴族の時代から変わっていません。
しかし今、この流れは少しずつ崩れていっています。
流行の流れを変えた張本人、それこそがLOUIS VUITTONやBALENCIAGAといったハイブランドたちです。
というのも、LOUIS VUITTONのデザイナーのヴァージル・アブロー、そしてBALENCIAGAのデザイナーのデムナ・ヴァザリア、共にストリートブランド出身です。
つまり、社会的なステータスが高いとされるハイブランドが、低い地位とされるストリートを取り込んだんです。
これってトップダウンの流れを大きく変えていて、下から上、ボトムアップの流れをつくっちゃっているんです。
ある意味これは革命的なことで、おかげで世界中でストリートファッションが流行しました。
ただ、正直あまり納得はいってないんですよね。
なぜかというと、ハイブランドによって、ストリートが正解になってしまったからです。
ストリートというとどちらかといえばアウトローなイメージが強いと思います。
そのアウトローがハイブランドによって「こんな文化もあるよ」って感じで開拓されてしまい、みんなに認められました。
つまり、「みんなちがってみんないい」状態になったわけです。
ダイバーシティの観点でいえばいいこと。もちろん。
ただ、この風潮かゲリラ的に広まると、路頭に迷う人が出てきそうだなって思います。
みんながそれぞれいいじゃない!ってつまり競うことを放棄することにも繋がるのではないかと。
業界のクオリティが上がることはなくなってしまうんじゃないかと危惧しています。
あと、認めることと無関心は紙一重だと思ってるので、ファッションに無関心になる人が増えるのも悲しい、、、。
競い合うことで生まれる価値もあると思うので、そこは忘れないでもらいたいですね。