5分前
今はただ
奇跡が起きる
5分前
あきらめないで
魂の夢
ついに、フジコ・ヘミングさんの演奏を生で聴く機会に恵まれました。
前から4列目。
左手の斜め後方から、背中越しに右手が鍵盤を滑り躍動する様子がよく見えました。
⭐︎
開演時、暗転した舞台に、スタッフの男性の手に寄りかかって登場されたフジコさん。
ご自分で歩けないほどお体が悪いのだろうか・・・。
心配になりましたが、一曲演奏された後、手近に用意されていたマイクを握ると、
「タクシーの中にステッキを忘れてしまって、わたしは元氣を無くしています。」
と、あの独特のフジコ節でお話され、ほっとしました。
「元氣を無くしています。」という言葉遣いが海外生活の長いフジコさんらしいな、とも。
⭐︎
艶やかに
いのちの粒も
煌めいて
降り積む音は
光のベッド
御年88歳になるフジコさんですが、艶やかでふくよかなその音色の力は健在。
わたしの息も深くなり踊りだすようでした。
主人からは、公演後に「何、船漕いでたの?」とすっかり誤解されていましたが、ひょっとしたら後ろの人からも前から4列目で何居眠りしてるの?とか思われてたのかな(汗)。
フジコさんの音があんまり心地よいから、体が自然に動いていただけなんですけどね。
涙して
ふくよかに蘇る
ひたむきに
ただ生きて
そこにある音
ああ、もっと早く聞きにこればよかった。
でも、今この時が、生のフジコさんに出会うベストだったんだろうな。
⭐︎
日常生活を送るのも決して楽じゃないだろうに、20分の休憩を挟んで、前半と後半でそれぞれ40分ほどの公演をいまだ務め上げることのできるフジコさん。
文字通り、奇跡のピアニストです。
生のフジコさんに出会い、声を聴き、お姿を拝見して、もっと好きになりました。
ステージマナー、衣装に至るまで、ザ・フジコ。
本当にかっこいなぁって。
フジコさんの音も、もっと好きになりました。
そして、今。ストリーミングで、フジコさんのアルバムをエンドレスで楽しんでいます。