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シンプルな図形に込められた宇宙の真理|白と黒は善悪ではない


1.はじめに


白と黒の勾玉を組み合わせたようなシンボル、どこかで見かけたことがありませんか?
これは太極図といって古代中国において流行した、道教のシンボルともいわれています。
ただのマークのようにも見えますが、モンゴルの国旗やチベットの旗の一部に描かれていることから、とても深い意味を持っていることが分かります。

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現在は世界中でこのシンボルが見られるようになり有名ではありますが、歴史は古く、誰が描いたのかは謎とされています。
太極図は陰と陽を表しており、黒い部分が「陰」、白い部分は「陽」を意味しています。
これは万物が陰と陽の二つのエネルギーで成り立っていることを示し、相反するエネルギーが存在することによってバランスを保っていることを表しています。

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白と黒で表されたこの図形には、この他にもさまざまな意味が詰め込まれています。
それはいったいどのような意味があるのでしょうか?
今回は、森羅万象の象徴、太極図に秘められた意味についてご紹介します。

2.太極図の意味


さて、一般的に白と黒の勾玉模様のような図形を「太極図たいきょくず」と呼んでいますが、太極の中に陰と陽を描いているところから、「陰陽太極図いんようたいきょくず」、また「太陰太極図たいいんたいきょくず」とも呼ばれています。
そして、図形の中にある小さな点が、魚の目のように見えるところから、「陰陽魚図いんようぎょず」とも呼ばれています。

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図形の中では絶妙なカーブを描きそれぞれ白と黒の存在を強調していますが、面積は全く同じであり、陰と陽が調和しバランスを取っています。
陰と陽で表現しますと、陰が悪いもの、陽がいいものと感じてしまうかもしれませんが、そのようなものではなく、この対局する二つがあってこそこの世界は成り立っているということを表しています。
黒い部は下降する陰のエネルギー、白い部分は上昇する陽のエネルギーを表しています。
これは重いエネルギーは下へ軽いエネルギーは上へ行くことを表しています。

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この世界が誕生した時は混沌とした状況から始まりました。
軽いものは上、重いものは下へと分かれ行き天と地ができたという意味が含まれています。

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では、図形の中にある小さな円に注目してみて下さい。
白の中には黒い点、黒の中には白い点が描かれています。
これは陰の中にも陽があり、陽の中にも陰があることを表しており、100%の陰、100%の陽という存在はありえないということを表しています。
つまり万物は完璧であるように見えても、不完全なものでもあるという意味を表しています。

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また、この勾玉のような模様は、お互いに相手を飲み込もうとしているようにも見えます。
尖った部分から丸い方へと広がっていくのは、陰と陽、それぞれのエネルギーが誕生し、徐々に大きくなっていく様子を表しています。

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丸い部分にどんどんエネルギーが溜まり大きくなって、相手を飲み込もうとしても、相手の丸い部分も大きくなり、こちらを飲み込もうとします。
どちらかが強いエネルギーを持てば、もう一方は、必ずバランスを保つために同じようなエネルギーを出します。

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このように二つのエネルギーは常に均衡を保つ仕組みになっています。
このような陰と陽の仕組みを日常に置き換えて考えてみると、私たちはものごとに対してバランスを保つことが意識的にできるようになります。
例えば、不運なことが続いても、それは一生続かないということも理解できますし、大きな失敗で落ち込んでいたとしても、その経験がきっかけで驚くような成功をつかみ取る可能性もあるという、希望を持つこともできるのです。

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では陰と陽、それぞれがどのような意味を持っているのかご説明しますね。

3.陰と陽の意味


「陰」が持つ意味は太極図でも黒で表現されていることから闇のイメージが強いですが女性も陰で表現します。
その他に静・暗い・地・裏・月・水・夜・死・冷たい・内側・偶数などがあります。
陰のエネルギーは冷たく静かなエネルギーです。
また、収束するというエネルギーも持っています。
では、陽はどのような意味があるのでしょうか?
陽は陰とは真逆な意味をもっており、光・男性・動・明るい・天・表・太陽・火・昼・生・熱い・外側・奇数といった意味を持っています。
エネルギーも静かな陰とは真逆で、活発に動くエネルギーを持っています。そして、収束の逆である発散するエネルギーも持っています。

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この世は陰と陽で成り立っています。
陰と陽で表現しますとどうしても「陰」は悪、闇、といったネガティブなイメージであり、逆に「陽」は善、光のようにポジティブなイメージを持ってしまいます。
本来ならば、どちらも欠かすことができない重要な存在であり、良い、悪いといったものは人間が独自に決めたルールのようなものです。
陰も陽も、ただ、そこにあるものの性質や姿を表現しているだけなのです。それは、宇宙そのものの摂理を表現しているともいえるのです。

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4.まとめ


いかがでしたか?中国、道教から生まれた太極図はシンプルな図形の中に、この世の中の全てが詰め込まれています。
「陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず」このような言葉があります。

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どちらも極限の状態になると真逆な場面に転じていくという意味があります。
この世の中はバランスを保つために、陰と陽のエネルギーが常に動き続けているのです。

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