#25 春を迎えられなかった恋
自分は大学に行かないからと、僕は受験の日程なんて全然気にしていなかった。確か彼女はセンター試験を受けてて、確か2月の終わりか、3月の初めの方に結果がわかると言っていた。
僕は2月中は複雑な気分だった
彼女が無事に受かってほしいけど、そうすれば遠距離になるのは確定だし、もし落ちて留年してしまえば、こっちに残るだろうから彼女には悪いけど僕としては少し嬉しい。
でも、やっぱ受かっててほしい。遠距離なんてどうにかなるさとタカを括っていた。
彼女からは連絡がこない
もおすぐ、卒業式だ。
彼女はどうなんだろう
試験の結果もそうだけど、これからのことどんな風に思ってるのかな?
*
僕はこの頃TSUTAYAでまたCDを借りて聞きまくっていた。学校終わりは一度TSUTAYAに寄って、CDを漁る。この頃はジャケ買いなんかもしてた。確かこの頃気にいっていたのはBUMP OF CHICKENのjupiterというアルバム
自分と5つくらいしか年は変わらないのに、やっぱり20代の人ってカッコいいなー。3年生になったらバンドとかやってみようかな。文化祭もあるし、そしたら彼女も誘えるなぁ
なんて家のベッドで考えてると
彼女からメールが来る
もおすぐ卒業式だった
「やっと落ち着いたよ。ごめんね、全然メール返せなくて。返したかったけど全然余裕なくて。」
「いいって全然!それよりお疲れ様。もおそろそろ合格かどうかわかるんだっけ?」
「結果は卒業式の後になりそうなんだけど、多分自己採点だと合格点いってるから大丈夫だと思う」
僕は嬉しくなって、ちょっとだけ早いけど
「やったね!春から大学生じゃん。いいねー女子大生って 笑 」
「何それー?笑 親父みたい 笑 」
「ごめんごめん 笑 どこの大学だったっけ?」
「大阪だよー、本当は東京も行きたかったけどね。私の頭じゃ全然ダメだったよ」
「えー、アカネちゃん頭いいでしょ?そんなに東京の大学って難しいの?」
我ながらアホな質問だと思うけど、久しぶりのメールと、受験が終わったことこれからまた前みたいに会えるという嬉しさで、ただただテンションが高かった
「あのね、シュン。卒業式の後って用事ある?
…大事な話があるんだけど、式が終わって帰る前に部室にこれる?」
彼女から改まって話しなんて珍しいな
文章もどことなくいつもと違う感じがした。
「大丈夫、予定ないよ。というかアカネちゃんと一緒に帰るつもりにしてたんだ」
「そっか…ありがと。じゃまた、卒業式の日にね。連絡するね」
こんな一方的にメールが終わるのは初めてで、僕はどこかおかしいと考える。
まさか、いや、そんな事は。不安を消しさるように、CDを聞く
(いやいや、まさか…)
*
いく日もしないうちに、卒業式当日になった。
僕は寝不足で危うく遅刻しそうになったけど、なんとか学校までたどり着く
こんなに眠れない日が続いたのは初めてで、学校にいても、だいたい寝て、マンガ読んで、また寝ての繰り返しだった。
式に出席して、ウトウトしながらも数週間前から練習していた通りの挨拶や歌を、在校生皆で歌い。無事卒業式が終わる
教室で友達とダラダラ過ごしてると彼女からメールが来る
「ごめんね、なかなか抜けれなくて。今から部室行くからシュンもこれる?」
「うん、分かった。これから行くね」