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#14 春を迎えられなかった恋

携帯を机に置く。そこから一度離れ反対側にあるベットへ倒れこむ


…どういう事?なんで??


頭の中は、ただただパニックだった。

告白なんてされたのは、生まれて初めてで、ましてやメールで。なんて当時は全く聞いたことなかった。放課後呼び出されてとか、手紙が机の中入ってて…みたいなやつしか知らない。

そして、もう一度携帯の画面を見る。見間違いかもしれない…

いや、、見間違いじゃない!!


えーー…っと。

…どうしようか、心の準備が何もできない。

(嬉しいけど、いやそんな素振り全く無かったじゃんか、それよりも部長とのことで気使ってくれてたし、3年生ということはもうすぐ卒業じゃん、とか色々頭の中でグルグル回っていた)

するとまた長谷川さんからメールが来た

「急にごめんね、ビックリしたよね、急にこんなこと言われて。嫌だったかな?」


「うん、ビックリした…

その…ごめんね、まだ頭が整理できてなくて。

返事は今すぐに出来ない。…ちょっと考えさせてもらっていいかな?」

僕は正直に言った。本当にパニックだったから、それが精一杯だった。

「うん、わかった。また、教えてね」

長谷川さんは随分あっさりした返事だった。

(いや、先輩。あっさりしてる)

その日はあんまり眠れなかった…

次の日からもずっとそんな感じが1週間くらい続いた。学校にいてもバイトにいても家にいても

学校の裏の山の色が、だいぶ変わった。

1週間くらい経ってもうすぐ12月って頃に長谷川さんをメールで呼び出した。部活の後部室で残ってて欲しい。ちゃんと返事するから、と。


部室には部活の終わり頃向かった。それまで、教室で友達と無駄話したり、購買に行って気を紛らせていた。しかし、放課後部活以外で残ってるやつらは大体カップルだった。

後輩達が数人と部長も残っていた。僕は教室に入るのを躊躇った。部長いるじゃん…

長谷川さんが、部長に先に校門のところに行っててとお願いしていた。部長と一緒に後輩達も出て行った。僕は階段の横の掃除道具の横に咄嗟に隠れた

ドキドキ…心臓がなんだか、おかしい

今部室には長谷川さんしかいないのだ

頭の中で想像する。



はぁー…。。。。。。。。。。。。。。。。。




深い溜め息だったと思う。


答えは決まっているのに、なんで緊張してるんだ?ましてや自分から告白するんじゃなくて、返事する側なのに。自分の緊張が不思議だった。



覚悟を決めて、部室へ入った。




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さとう じゅんいち
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