主体的な学習経験の大切さ
夢を「レベルダウン」して欲しくない!
不登校の子もいつか夢を持って動き出そうとする時が来ます。
誰か運命的な人と出会い元気をもらったり、素敵な経験をしてインスパイアされたりすると、自分もこんな生き方がしたい!と希望を持って将来に向かおうとします。
しかし残念ながら今の社会では、学校に行っていなかったことがハンディになることも少なくありません。
中にはまったく学校に行っていなくてもスゴい業績を成し遂げる人もいますが、「高校卒業の資格が必要だから無理だ」とか「学力がないからダメだ」と自己肯定感を下げ、結局自分の夢を「レベルダウン」してしまうことがあります。
不登校だったけど中学3年生になって「やっぱり高校に行きたい」と、「別室登校」をして指導を受け始める子がいます。教員はがんばって指導しますが、長年ずっと学習しなかった子に、一からさかのぼって指導することは困難です。過去の勉強はしていないのに、高校受験にターゲットを絞った勉強をせざるを得ません。
しかも週に数回登校する中での指導は断片的になり、継続して力をつけることは難しいです。教員は一生懸命指導しますが、そもそもそのやり方では力は付きません。一人の子のために、未習部分を全てカバーするカリキュラムを組むのも容易ではありません。
その結果どうなるかというと、僕が見てきた子供たちの中にもたくさんいるのですが、「やっぱり俺はダメだ」と自己否定してしまいます。
ホントはただ過去に学習していないというだけなのですが、「自分の能力を否定」してしまいます。
せっかく「よし、やるぞ」と動き出した子が、「やっぱりダメだ」と夢をあきらめてしまうのです。 頑張り始めたけど結局本当の夢をあきらめ、自分をごまかして「夢のレベルダウン」をしてしまう子をたくさん見てきました。
自ら「取りに行く」学びの大切さ
中学校も高校も行かなかった僕の娘の場合、高校年代になってある塾のサポートコースと出会い、本人の強い意志で死に物狂いになって努力し(たぶん)、過去の学習をカバーしました。誰でもできることではないと感じています。
よく「勉強はいつでもできる」と言いますが、ある程度の学習経験がないと、娘のような猛ダッシュをかけることは難しいと思うのです。娘は中学校を休んでいる間も、自分で教科書を開いたり本を読んだりしてた経験があり、そうした経験が猛ダッシュの支えになったのではないかと考えています。
必要なのは「主体的な学習経験」だと思っています。教えてもらった経験ではなく、「自分から取りに行った」学習経験。
「学歴」は必要ありません。教科書1ページ目から最後までを全部先生に教えてもらったという経験は不要ですが、「自分でいろいろ考えて勉強というものに取り組んでみた」経験が大切だと思っています。成績も関係ありません。たとえテストで10点になろうと、自分で学習に向かったという事実が大切。その学習は自分の好きな学習だけでかまいません。「あのとき自分で勉強したな」という「主体的な学習経験」があれば、何か新たなことに挑戦する時、「自分はダメだ」と自己否定することはないと思っています。
ホームスクーリングで「主体的な学習経験」を
学校に行かなくても、学校の勉強はホームスクーリングでカバーできます。僕が一緒に活動しているTOKI SHIMIZUという広島のミュージシャンは、一度も学校に行かずホームスクーリングで学びました。日本ではホームスクーリングは正規の教育として認められてはいませんが、いずれ学校教育と並んで認められる日が来ると思っています。
カゼマチが提供しているホームスクーリングは、テキストに沿った解説動画を視聴して学習を進めるというものです。中学校の校長だった者がこんなことを言うのはどうかとも思いますが、たいくつな先生の話をうとうとしながら聞くだけの授業であれば、ホームスクーリングの動画で繰り返し教えてもらう方がよっぽど頭に入ります。
「よし、がんばってみる」と思った子が「自分から取りに行く学習経験」ができる勉強方法がホームスクーリングです。テストで良い点を取る力は付かないかもしれませんが、そこで身につけた「主体的な学習経験」は、必ず将来に生きてくると信じています。
小学校からさかのぼって、比較的短時間で「学び直し」もできるので、高校入試くらいならクリアできるかもしれません。
学校の「別室登校」での指導で活用してもらえば、学校の先生も教材を準備する必要がなくて助かるし、継続的な指導が実現できます。
カゼマチはそんなサービスを提供しています。